……全然将棋じゃねーな!!
(今回、色々とオリジナル用語が出てきますが覚える必要は一切ありません)
世界樹の若木をふんだんに使った隠蔽用魔道具により、私はちゃんと一般人に擬態できるようになった。
とはいえまだ流石に3点は必要とのことで、首と手首につけている。
「胸につけた方が効率は良いんだけどなー」
「完成度的には胸なのになー」
「服の下につけた方が見えなくて安全なのになー」
「カリちゃんのおっぱいに触りたいなー」
「母乳出る薬作ったのになー」
とのことだけど、ちょっとムラついて学業に支障が出かねないので。真面目に学生してるわけじゃないけど。
あと後ろ2人は魔道具関係ないじゃん、夜にね! 夜に!
「ところで、実はもう腕輪ひとつだけでできたりしない?」
「「「「「…………」」」」」
「あ、目を逸らした。さてはできるんだね?」
別に隠蔽用魔道具の開発が終わっても好きに材料使っていいってのになぁ。
「だってカリちゃんともっと遊びたいしー」
「検査の名目で色々できるしー」
「完成見えちゃったから正直あんまりそそられないというかぁ」
「もうちょっと遊んで凝りたいというかぁ」
「別の機能も盛りだくさんにするからもうちょっと遊ばせてー?」
もちろんいいけどね!! 奥さんに甘い私なのである。
* * *
さて、そんなこんなで1か月ほど経過した。学校生活も多少慣れてきた。
私の右隣の席がすっかり定位置になったフレッタちゃんが、ふとこんなことを言ってきた。
「そういえばカリーナ様は部活に入らないんですか?」
「ぶ……BU・KA・TU!?」
部活。そう、学校といえばクラブ活動。
スポーツをたしなむ運動系の部活や、芸術や文学をたしなむ文化系の部活。そういうものが学校生活にはあるのだ!
尚、現状私達は帰宅部、つまり部活欄的に言って無職である。部活関連の必殺技習得できなさそう。
「ほえー、そういうのもあるんだ。……ディア君は何部なの?」
「ボクは特に部活には入っていませんね」
「私はショギ部に所属していますわ」
ショギ? と聞くと、2人対戦のボードゲームらしい。
相手の王を倒すのが目的のボドゲ……まるでショーギだな。いや、将棋だな。こんなところにも転生者の痕跡があるのね。
とはいえ、詳しく聞いたら地球にあった将棋とはルールが結構異なりすぎた。
まず駒が多種多様、かつコスト範囲内で組み合わせを選べたり、初期配置も自分で決めていいらしい。
さらには特殊効果つきのカードのデッキを用意でき、初期手札3枚、手番を1スキップで1ドローとかできるらしい。
そして駒やカードは適宜追加パックが発売されており「新弾の駒、『空の断罪者』がかなり強くてバランスブレイカーですわ。禁止リスト入りも間近ですね」とかなんとか。
……全然将棋じゃねーな!!
「なるほど、ショギ……奥と沼が深そうだね。ルールのインフレについていけず引退しそう。っていうかコスト計算面倒くさそう」
「コストはコストスカウターの魔道具がボードについていて自動計算してくれる奴がありますわ! ちなみに私の戦法は自軍の駒を生贄に強化できる駒、邪龍ガンドロフトを主軸にしたガンドロレギオですわ。今最もアツいレギオですの!」
○○レギオ、というのは○○デッキという感じの奴らしい。軍団の略。
尚、既にルールが面倒臭くなっているのでプレイできる気は一切しない。
ルールは一見複雑そうに見えて、とっても複雑だぜ!!!
……きっとルール理解して遊べたらすごく楽しいゲームなんだろうなぁとは思う。
覚えるまでのハードルが高すぎるのが難点だけど。せめてカードかボードかどっちかにしてくれ。
「ディーアソルト様は王道のエンシェントホワイトエルフ使い――エホエル使いのディーとして名を馳せていましたのよ」
「昔の話です。もう引退しましたから」
あ、ディア君ショギのプレイヤーだったんだ。……え? プレイヤーじゃなくてレギオニスト? っていうの? へー。ショギニストとかじゃないんだ……ショギどこに行った?
「プロのレギオニストは貫く者と呼ばれていますわ」
おっと閃いたぞ。さてはプロの棋士→プロキシ→串→貫く→ピアス→ピアッサーだ。
なるほどね? 連想ゲームがすぎるだろチクショウめ。ってかプロいるのかよ、大人気だな。
これ考えた転生者はよっぽどだな。そして将棋に謝れ。
あとなぜか理解できてしまった私を褒めてくれ。
「よろしければ私の構築済みレギオをプレゼントしますわ! 以前使っていた初心者向けの物がありまして! 先行とってトランスマジックからのキングサミットを展開できれば勝ち確のソリテイアレギオですのよ! 1手初動の展開ルートのコンボが何本かありますの!」
「お、おぅ? なんか絶対初心者向けじゃない奴だね?」
「さぁさぁ、カリーナ様も一緒にショギをしましょう! ディーアソルト様もこの機に復帰してみては!?」
「ふむ。お姉さんがやるなら、まぁ久々にやってもいいですけど……」
「……うん、私、どこの部に入るか決めたよ!」
銃部ってのがあるらしいので、そこに入ることにした。
(※銃道部ではない)








