良いことを思いついた!
植物園デートを堪能した私達御一行。
今は満足して帰りの馬車内である。
五大老の皆にはなんやかんや植物園にある全種類の植物を「なんかに使えるかも!」とコピー&ストックさせられた。もういっそ植物園ごとコピーした方が早いヤツだった。した。
後でアレ忘れてた、ってなっても安心である。フッ、抜かりはない。私はできる旦那様さ。
そんなわけで薬草や目玉の世界樹の苗はもちろん、毒草も全部ばっちりだ。
次は動物園にでも行って全動物コピーしてきちゃおうかなぁ。どう思うディア君?
「動物園、ってなんです?」
「え、動物園ないの? 植物園はあるのに?」
「……研究者が自分の調べている動物を捕獲・飼育することはありますが、見世物ではないですね」
あ、そうか。この世界動物といったら幅広すぎるんだ。
ドラゴンとかも居るわけだし……下手に園つくれないわ。
動かない植物なら集めて園にするのが容易だし、薬草畑みたいな物である、と。
あと植物育ててるのはすごくエルフっぽい。さすがエルフ。
「ドラゴンを見世物にしたら苦情が来ますよ。というか、一般人には使役不可能です」
「確かに。それができたらテラリアルビーでディア君が龍の巫女とか騒がれなかったか」
「アーサーもボクではなくお姉さんに使役されてるわけですからね?」
いやぁ、アーサーは私よりディア君の方優先しそうだよね。
強引に言う事聞かせることもできなくはないけど……そこんとこどーよお馬さん?
『……ディア君ちゃん守るのは姐さんの意に沿う事っすからね!』
「それはそう」
『ていうか自分、ずっと植物園の外で待たされてたんすけど』
「馬だからね。仕方ないね」
なんなら帰ってから保存した植物園の中入っていいから。美味しい草とか探そうね。
え、なぁにミーちゃん。世界樹の若葉ちょうだいって? はいはい、どーぞ。帰ってからなんてヤボなことは言わないよ、創作は「今」のインスピレーションって大事だからね。
みんなもはいどーぞ。
と、五大老のみんなに世界樹の葉っぱを配っていると、フレッタちゃんが青い顔で口を開けて震えていた。
「……あ、ああ、あの? か、カリーナ様? それ……私の見間違いでなければ世界樹の、ち、ちぎってきちゃったんですか? そんな大量に!?」
「いやぁ、私のスキルだよ。アイテムを複製できるのさ」
隠すのも面倒になってきたので、サクッとネタ晴らし。
「カリちゃん、それ言っちゃっていいの?」
「よく考えたらフレッタちゃんに隠す必要ないなって……」
だってディア君の婚約者だし。つまり私の家族みたいなもんじゃん?
っていうか植物園で「アレお願い!」「それもそれも!」って人目はばからずおねだりしてきたの五大老のみんなじゃん。もうほぼバレてたって。
「あ、でもみんなにはナイショね。バレると大変だから」
「え」
「……フレアタルト。国家機密扱いで。……陛下は把握しています」
いや、あれもこれもコピーして、と言われるのが面倒なのと、私の複製ルールを守ってくれる相手じゃないと複製したくないのとなんだよね。
五大老の皆は妻なだけあってそこはちゃんと自家用で納めてくれるのでヨシ。
え、先日インク作った時にアーサーの複製魔石つかっちゃった?
ん-、魔石は自分で狩れる素材だからプレゼントの材料にするくらいはセーフ判定!
でも今回の植物園のは野生のじゃないから自家用までだからね。分かってる? なら良し!
え? 何か世界樹ので作って欲しいものとかあるかって?
んー。じゃあマシロさんへのお土産に毛艶が良くなりそうな一品を。
ミーシャの分? いらんいらん。ケツに葉っぱ突っ込んでやれば十分っしょ。いい栄養になりそ。
「それにしてもミートサボテン美味しかったねアイシア」
「はいあるじ様。あれ、素材があればウチでも作れそうです」
「なら献立に加えてもいいな」
ミートサボテン、名前の通り肉っぽい食感のサボテンだった。味はサラダだったけど、ソースがしっかりしてたのでちゃんとステーキだった。
「あるじ様、あれドリアードの一種らしいですよ」
「……食べられるんだ、ドリアードって」
「所詮植物系魔物です。毒が無ければわりと食べられます」
ドリアードって人型の植物精霊とかかと思ってたけど、精霊とかじゃなくてモンスター枠らしい。
精霊枠の方はドライアドと、微妙に名前が違うそうな。よく混在されるらしい。
……
良いことを思いついた!
そういえば盗賊とかの「何してもいい実験素材」を探してた私だけど、別にモンスターって「何してもいい」やつだよね!? 討伐して剥いだりするわけだし。
なら逆に、モンスターを人間に近づけるのはアリかもしれない!!
ミートサボテンから人型のドリアード作ってもいいかもしれない!!
そのための実験とか……何したっていいよねぇ? だって、何してもいい、討伐対象のモンスターなんだからさぁ。フフフフフ……
我ながら狂気が過ぎるぜ……!
完成しても外に出さなきゃ問題ないわけだし……私の考えた最強の魔物とか作るのも面白いか!?
「……お姉さん? 何か変なコト考えてます?」
「な、何も考えてないよっ! あはっ!」
その後なぜかディア君にバレて、最強生物創造の夢は断たれた。
くそう、ディア君が私のウソを見抜きすぎるぅ……!
(あ、先日「絶対に働きたくないダンジョンマスターが惰眠をむさぼるまで」のコミック13巻発売しました)








