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084●月夜の砲撃準備 & 085●告げ口しますよ
084●月夜の砲撃準備
そのトラックは大きな車体を揺すりながら、半島を見渡す山の頂に停まった。
満月の夜、足元は明るい。男たちは素早く動く。
銀色の貨物室部分が中心から左右に分かれて開いていく。
中から現れたのは榴弾砲。半島の先まで十分な射程距離内だ。
あたりに人はいない。
別の部隊がここに至る道路を、工事を装い封鎖しているのだ。
砲の調整をし、狙いをつける。
互いに頷く。
発砲準備は整った。
085●告げ口しますよ
全てのデータ入力を終え、砲撃許可を求める。
携帯端末から、発砲許可が下りる。
男が部下に発砲を命じる。だが、返事がない。
どうした?と近寄ると、彼は砲に体をもたせ掛け動かない。
不審に思い体に手をかけると、そのまま人形のように崩れ落ちた。
男は周りに声をかける。だが、返事はない。
次の瞬間、彼も意識を無くした。
「まあ、簡単なもんだよな。満月期の狼男にすれば、どうってないことだな。」
「アキラさん、でも、ヘルメットも着用してくださいよ。」
「いや、ジン、ラボスーツだけで俺は十分だろ。これも不要だけど、ココアが戦闘で服がボロボロになったら、目のやり場に困る、っていうからな。」
「じゃあ、戻ったらココアに告げ口します。」
「ちょ、ちょっと待った!今、被る、被る!ジン、おまえ、悪いヤツだなあ。」




