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073●智慧と工夫で乗り越える
彼、Occhanは3月末で退職することを決めた。
この退職の件を知っているのは、課長を含めてごくわずかだった。
彼は重責を担ってはいないので、まあ、どうということはない。
あと約150日である。
義父が永眠し、義母がひとりで広い家に住んでいる。
妻は週3日から4日、連泊する。
送迎は夫である彼が行っている。
身体障がいのある妻が、老齢の義母に付き添うのは、やはり不安が残る。
彼は退職後、義母の家へ妻と移住することにした。
変形性膝関節症を両脚に患い、高血圧、
高脂血症、睡眠事務高級症候群、さまざまな持病を抱える彼が、
どれほどの戦力になるのかは、やってみなければわからない。
永遠の命がない以上、生老病死が避けられない以上、
智慧と工夫で乗り越えるしかない。
こんな時、もし世界線をこえる者たちなら、
きっと容易に事態を解決してしまうのだろう。
そんな空想を抱きながら、彼は外の光景を見た。
窓の外には、静かに雨が降っていた。




