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074●兄・自分・弟
ジョン・スミスは山荘を出ない。
しかし、彼のもとには多くの情報が寄せられる。
端末で指示を出しながら、彼は自分の記憶を振り返る。
生まれてから、年上のジョンと暮らした。
彼が5歳、年上のジョンが10歳の時、弟が生まれた。
ジョンは彼と弟を残し、どこかに行ってしまった。
その時から、彼はジョンと呼ばれるようになった。
弟にはまだ名前がなかったが、それでも生活に支障はなかった。
弟は彼が育った環境で同じように、成長していく。
彼が年上のジョンと遊んだように、今度は彼が弟と遊んだ。
彼は、かつてジョンから教わったことを、今度は弟に教えた。
彼が10歳になり、弟が5歳になった時、赤ん坊がやって来た。
彼は生まれ育った場所を後にした。
次の生活場所で、ジョンはスミスという姓を与えられた。
あの年上のジョンは、今どうしているのだろう?
自分と同じように、ここにいたのだろうか?
よくわからないまま、彼はそこで学び、成長していった。
ジョン・スミスは、物思いから静かに覚め、端末に向き直った。
年上のジョンは死んだ。
今度は彼がリーダーとして集団を率いるのだ。
不安はない。彼は’ジョン・スミス’なのだから。
彼の中には、すでに兄の遺志と計画のすべてが蓄えられているのだから。




