065⚫️ジョン・スミスへの一撃
ジョン・スミス。いかにもありそうで、ない名前。
ブリッツは彼に運命の弾丸を放とうとしている。
距離は3kmを切る。
ブリッツにとっては、難しい狙撃ではない。
彼に害をなそうとする者には、容赦しない。
独自の情報網を駆使し、計画をいくつも立案した。
ホテルの一室。配送物がいくつも届いた。
中には商品見本のパーツとして、彼のオーダーした銃が分解されて入っている。
一つひとつを見ただけでは、それが銃器の一部とはわからない。
紫煙がゆるやかに漂う中、彼の手は迷いなく動き組み立てを行う。
銃は狙撃が終われば処分する。時に現場に置き去りにすることもある。
所持する時間が長ければ、
狙撃者本人の証拠をずっと携行することになってしまう。
今回はジューク・ナンゴウの名で宿泊している。
国外に出るまでに部屋から銃が見つかることは、避けたい。
彼の回収屋が連絡ひとつでやってくることになっている。
スコープを覗く。
ジョン・スミスが最上階にいるのが見えた。
ブリッツは、いつものように風速や湿度などの条件を計算する。
彼の指が必殺必中の鉄爪を引く。
警察はジョン・スミスの遺体を前に、戸惑いの声を上げた。
どこから撃ったのだろう?
弾道はあり得ない方向からだ。
狙撃ポイントを捜索するが、容易に特定できない。
ブリッツは機上の人となっている。
彼の目的は達成された
・・・はずであった。




