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058●試してみると
ジン・ラベンダーは、海を見つめていた。
小高い丘で、ユリと並んで草の上に座っている。
ユリは気づく。ジンの頬に、涙が流れている。
―どうしたの? と、彼女は静かに尋ねた。
ジンは、少し間を置いて答える。
―時が過ぎていくのが、怖くなったんだ。
ユリはそっとハンカチを取り出し、彼の涙を拭う。
ジンはぽつりと呟く。
―僕は、小さいころ、泣き止むには母の胸が必要だったんだ。
ユリはその言葉を聞いて、穏やかに微笑む。
―それじゃあ、わたしの胸でどうか、試してみてよ。
彼女は、ジンの頭をやさしく抱きしめる。
―・・・なんだか・・・落ち着く・・・よ・・・。
ジンは、顔をうずめながら、静かに呟いた。




