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057●美味しいお茶とため息
ゴライブはコロニア・ラベリアに戻った。
館に足を踏み入れると、彼の膨らんだ腹を見て、使用人たちは目を丸くした。
はち切れそうな服を脱ぎ捨てながら、ゴライブは旅の記憶を辿る。
料理人は調味料と調理法という宝を持ち帰り、
護衛は戦うことなく、食べることに専念していた。
結果、皆が少しずつ丸くなっていた。
ラベンダー公国での美食。
それは「月間レシピの天国」に載った料理を、
実際に見て、味わい、驚嘆する日々だった。
ゴライブは思う。
あれほどの領地を治めるロイ・ラベンダー・エンジェラム。
亡き父が嫌がらせのつもりで追いやった辺境が、
あれほどまでに変貌しているとは。
彼はコロニアの大地を見つめる。
自分には、到底及ばない。科学という魔法が、豊かさと安寧をもたらしていた。
山中の農地、海中の都市。どれもが、彼の想像を超えていた。
「勝てるはずがない・・・。」
ゴライブは深く嘆息した。
ノックの音が響く。
「入れ。」
力なく言うと、召使が香り高いお茶を運んできた。
一口含むと、緑豊かな公国の農地が脳裏に浮かぶ。
うまい。公国から持ち帰ったものか。
料理人も、なかなか気が利いている。
だが、その満足の味に包まれながらも、
ゴライブはもう一度、深くため息をついた。




