033●クレーンゲーム
1個機動艦隊が、惑星ゼルダンに接近する。
「よし、電磁波通信を禁ずる。以後、発光信号でやりとりするぞ。古風だがな。」
艦長の指示で、艦橋に緊張が走る。
「各員、電磁波遮断ヘルメットを着用!作業艇のM78引き上げプログラムを最終確認。」
「僚艦、スタンドアローン状態よし。」
「ゼルダンの周回軌道に入ります。艦隊正常に航行中。接触する外部からの信号なし。」
「作業艇、プログラムチェック完了。僚艦に発光信号。投下スタンバイ。」
「よし、投下!」
「了解、投下の発光信号出します!」
プログラムに従い、作業艇が地表に向かう。
半ば砂に埋もれたM78。
自動計測を行いながら、ホバリング状態の作業艇は吊り上げアームを伸ばす。
がっちりと6本のアームでM78を掴む。
作業艇は出力を上げ、上昇に入る。だが・・・。
「重い!上昇できません!」
「馬鹿な!M78には、それほどの質量はないぞ。」
「プログラムが、エンジンを全開するはずです。」
「M78引きあがります!・・・あっ!M78の下部に複数の物体を確認!」
「あれは・・・グレッグ大佐の報告書にあった、筒状の生命体か?!M78を引っ張っている?!」
「光学探知。惑星上の模様に変化あり。同心円を描いています。」
「円の中心にエネルギー反応あり!うわっ!」
それはまさしく砲撃であった。作業艦は粉微塵に吹き飛んだ。
「同心円、大きくなっていきます!さらにエネルギー反応、増大!来ます!」
光球が、作業艇を放出した僚艦に直撃!艦体の真ん中を撃ち抜かれて、爆発する。
「馬鹿な?!あのシールドを破ったのか?!」
「強力なプラズマです!反撃しますか?!」
「いや、離脱だ!急速反転!」
「グレッグ、このクレーンゲーム、むずかしいわね。」
「うーん、ルナの方がうまいぞ。そうそう、その調子!」
「うまく挟んだ!そうっと・・・だめだあ!落っこちた!」
休日を楽しむふたりは、機動艦隊の撤退をまだ、知らない。




