020⚫️あかん、あかん!
ルナと食事をしながら、考える。もう夜や。
うーん、情報を引き出すだけではなく、メッセージを置いていく。
必要なことを提供するのか?Give & Take というわけか。
ハリーが艦艇を修理できたことからも、その支援の存在は予想していたが。
集団意識体は義理堅いってことか。
「艦長、グレッグ、ああ、もう、ごちゃごちゃになってきた。ねえ、グレッグ、これって、やっぱり、集団意識体は知識を求めて蓄積してるってことなのかな?」
「わしらの仮説は証明されつつあるということやな。ハリーの知識や記憶、どうにかして取り出したんや。アレが残したメッセージはテラ語の1つや。ハリーから学んだんやろな。」
「でも、記憶保存装置は電磁波を放出したから、情報のやり取りはできたんでしょうけど、ヒトの場合はどうしたんだろう?言葉を理解して、会話したのかしら?」
「ハリーの救助信号を発するまでの間、時間がかかってる。音声で、というのは考えられるが、エンターサプライズ号で再生したハリーの記憶は、映像もあった。つまり、何らかの電気的、電磁波的な接触があったことになるで。」
どうやって?ん?確か人間の思考は微弱な電気信号やったな。
それを利用して、メカも動いてるんがあるで。ということは・・・!
「あかん、ルナ、探査機で出発や!」
「どうして?まだ、10自転は終わってないですけど。」
「説明してる間はあらへん!とにかく、急ぐで!」
夜が明ける。地平線から登る太陽の下、急いで機に乗り込む。
もし、集団意識体が、
人間の微弱な脳内電気信号まで感知することができるんやったら・・・
徐々にわしらの脳に侵入してくるかもしれへん!
「あれっ・・・艦長!グレッグ!なんだかヘン・・・。」
ルナが立ち止まる。抱えるように探査機に戻る。
後部座席に無理やり座らせる。
操縦席に入ろうとすると、なんや?!足元がおかしい!
砂の惑星やのに、なんで波が押し寄せてる?
空に月が4つも出てる?
向こうからトカゲみたいなんが、手に槍を持って歩いてくる。
あっ、これ、だれかの記憶や!わしの脳に、直接入り込んできとる!
手が滑る!操縦席に登られへん。
あかん、あかん!これ、あかんて!はよ、離脱せな!




