021⚫️やるときはやる、副長
「撃て!」
副長が声をあげた。
僕は惑星にむけて、大型記憶保管装置M78を発射する。
短時間で膨大な量の情報を詰め込んだ。
僕らは作業とともに、降り立った艦長とルナの光学観察を続けた。
ふたりが探査機に急いで乗り込もうとして、立ちすくむのが見えた。
間髪を入れず、副長が決断したんだ。
ほんの数時間前、副長が言った。
「こういうデータを構築したい。どう思う?」
「目標の量が膨大ですね。しかも、まとまりがないですよ。航行術の項目なんて、内容がムチャクチャ。」マリカさんが眉をひそめ答えた。
「この数学命題の結論、完全に破綻してます。歴史の記述も、ここ、改竄がひどすぎる。」僕がスクリーンを指差して発言した。
「これは例だ。人工知能も使って、こういうイメージ”でデータを作りたい。艦長の許可は得ている。」副長はそう言って、苦笑いをした。
僕らが即席で詰め込んだ、混乱と矛盾だらけの情報群、M78が、地表に着弾した。
内蔵したあらゆる周波数の電磁波で、データを撒き散らす。
惑星の表面が揺れる。
規則的だった文様が、ざわつき変形していく。
不規則な形態、混乱?しているように見える。
その大気を割いて、艦に迫るもの。探査機だ!
ふたりを乗せた探査機が帰って来る!
「強制収容!よし!急速離脱!復旧した僚艦3号にも追随するよう指示を出せ!発進するぞ!」
「’操舵手’了解!発進します、副長!」




