表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【連載版】転生したら欲しがり妹だった~欲しがり妹の商会長  作者: 山田 勝


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

18/18

閑話 冷めたホロホロ鳥

『メアリー様が、伯爵は、書類を読まずに印を押すからと、私ども使用人の紹介状をこっそり、書類の山に紛れ込ませてくれました。おかげで、何とか、次の職場に行けました。オリビア様のひいきの使用人ばかり残る結果になって、ウグ、グスン』


『メアリー様は、領から、逃げ出そうとする商会に、ここは、未開発地域が多くて、戦役が終わったぐらいに、開発が進むからと、自ら、プレゼンをしていました』


『メアリー様は、農民達に、王都に訴える方法を教えていました。ええ、オリビア様が、王子殿下の婚約者なので、騒ぎになってはまずいからと、伯爵様は、税率を王国法まで、下げてくれました』



 ・・・ほお、メアリー嬢、ますます気に入った。既知の方法を最大限に生かすタイプだのう。

 妾は王妃、メアリー捜索のために、ローゼン伯爵家の元使用人たちに事情を聞いているが、メアリー嬢の有能さが垣間見えてくる。



 一方、オリビアは、



『あのヌイグルミは、私がぬって、メアリーにプレゼントしたのが真相です!』


『ほお、妾が出した刺繍の課題、あれは、お針子に下縫いをさせて、その上を縫っただけだと、分かっているぞえ』


『勘違いでしたわ。私が買ってあげたのです!王都の高級オモチャ屋さんで、私のお小遣いから』


『もう、王都中のオモチャ屋は捜索したぞえ。そなたの言はコロコロ変わって、信用できない。もう、いい。平民オリビアを、王宮からつまみ出せ。不遡及の原則があるからのう。ネズミ講で逮捕はしない。次、やったら、牢屋いきぞ』


『王妃殿下!第2王子殿下と婚約させて下さい!』

『こら、さっさと、来なさい!』



 全く、下積みを嫌い。成果だけ取ろうとする。

 メアリーを王族に引き込むのが宜しかろう。陛下も賛同されている。



 ・・・・・・




「・・という理由で、マークよ。メアリー捜索に専念しなさい。貴方が見つけて来るのよ」



「しかし、母上、私は、今、法案の制作に取りかかっています。トーマスと、ダイゼンは、役に立ちません。あの状態です」





「ウワ~~~~ン、メアリーたん。可哀想なり!グスン、グスン、メアリーたん!メアリーたん!」



「グスン、グスン、ウウウウ、オオ~~~~ン、オオ~~~ン、グスン、グスン、ワシはこんな状態でも、メアリー様のお靴を履き替える台になりたいと願っています。アアア、メアリー様、帰って来て、こんな、卑しいトーマスを叱って下さい。オオオオーーーーン。奴隷失格です~~」



「やかましいわ!メアリー嬢は、お前の主人ではないわ。我国では奴隷制度は廃止されているわーーーー、法案に協力しないのなら、王宮から出て行け!」



「メアリー嬢がいなければ、計画が進みません。しばらく、商務卿に担当させます。

 貴方が週4で行くメイド猫喫茶のマスター、サトシ・キムラ殿に会いに行きなさい。

 ほら、VIP会員カード、寝台の下にあったわ。これを持って、メアリー捜索の意見を聞くのよ」



「週3ですよ!」







 ☆☆☆リトルアキバ「メイド猫喫茶」


 まあ、認めよう。獣人族の雇用創出につながっている。少しは、いいのかもしれない。



 シーーーーーーン、


 静まっているな。


「ええ、メアリー様は、よく店に来られていました」

「プライベートがあるから、誰も声をかけなかったが、微笑ましく見ていたよ」


「「「はあ~~~」」」


「これは、これだ。だからと言って、自粛していたら、経済は回らないぜ!」


「「「おう!」」」




 ・・・・・


 マスターのサトシ氏と話をする。まずは世間話だ。



「ニャン!ニャン!ご主人様~~」



「・・・株式はこれから、必要になりますね。株って、私が転移前の世界では、10人に聞くと9人は、株式売買、投機対象の話しになっちゃうんですね」


「美味しく、美味しく、美味しくな~~~れ!」



「ほお、違うのか?」


「メアリー様の駅馬車娘の推し団扇、欲しいな」



「違うとは言い切れませんが、

 例えば、メアリー商会は、駅馬車商会です。それから、関連するのは、物流、ドワーフの魔道車工房、観光業、土地開発・・・と事業が広がります。

 株式交換や株式移転などで、メアリー商会とドワーフ工房や既存の他の商会を結びつける事もできるのです。その資産価値を株式で評価してね」


「通常、商会は、1業種だが・・」


「ええ、これから、間違いなく、他業種で連携する財閥が生まれるでしょう。転移者がいなくても、この流れは止りません。財閥の総帥に相応しいカリスマは、メアリー様しかいないでしょう」



「そうだ。母上から、言われたのだ。メアリー嬢の行く先、サトシ殿に意見を聞けと言われたのだ」


「マークさん。では、こちらに、外に出ましょう」


「え、オプション頼んでいないのだが」

「フフフ、今日はいいです」





 ☆☆☆リトルアキバ、常設演劇場



「こ、こ、婚約破棄をする!」

「そんな。私はイジメなどしておりません!」



 ・・・ジャスだ。、演劇で王子の役をしている。ここにいたのか?しかし、演技が下手だ。



「ヒドイ、クソ王子!没落しろ!」

「お嬢様!頑張って!」



 観客の罵声が飛び交う。


「陛下って、冷徹だけど優しいですね。廃嫡した後、リトルアキバに保護の依頼が来ました。

 王子を市井に放逐すると、民は、迷惑しか被りません。なのに、陛下は廃嫡にされた。

 殺しません。幽閉もしません。

 私のいた世界のロマノフ王朝では、失脚した王族は、生涯幽閉です。

 何故だが、分かりますか?」



「慈悲の心か?」


「違います。殺すと、ニセ王族が現れて、乱が起きます。反乱、詐欺などね。だから、王族を飼い殺しして、偽者が出てきたら、生きていると知らしめる・・・」


「この場合、この役をしていると・・・」





 ☆


『おれは、第3王子だ!』

『知っているよ!馬鹿王子だろ?サービス精神旺盛だな!』


『本当に、王子なんだよ!』

『ああ、舞台の上ではな』




 ・・・・・



「となります。この劇、そこそこ人気があります。婚約破棄物が、飽きられたら、この世界の劇作家に、脚本を依頼します。

 馬鹿な王子役を生涯やり続けるのです。今、彼は、月給銀貨15枚で雇われています。オリビア嬢は、元王子の偉光が使えなくなったからと、逃げたそうですね」



「それと、メアリー嬢の行方の関係は?」


「人って、納まる場所に納まるものです。メアリー嬢を探すのは、貴方が最適です。貴方なら分かるでしょう?」



「そうか、才覚は隠しても隠しきれない!」



 ・・・そして、私は、注意深く、王都内、近郊の商会を調査するようにした。

 後に、法案作成に役立つ事になった。

 彼女の才覚は、既知の方法を最大限生かす方法だ。なら、駅馬車商会か?



「エレガント商会の駅馬車、まだ、続いています。一時は、廃業になると予想されましたが、料金が倍になって、興味を持つ人が出てきたのと、エレガント子爵夫人が名物になって、人気が出ています」



「魔獣ランド、少しずつ収益が増加、安全をアピールしています。それも、この柵を越えたら、お客様の責任です。と宣伝しています」


「安全か、なら、そこだ!」


 私は、魔獣ランドに向かうことになる。






 ☆魔道車開通後、


 ☆☆☆王宮


「オオオオーーーーン」

「ウワワワワ~~~~ン」



 あの、トーマスと、異世界人の泣き声がまだ聞こえる。まだ、王宮にいるのか?

 あ、義姉上の声も聞こえる。




「トーマス、ダイゼンとやら、メアリーは、王宮預かりになったわ。王族との婚約を予定しているわ。そなた達の下卑た目を向ける対象ではなくなったわ」



「グスン、グスン、こんなに好きなのに、こんなに萌えているのに、ヒドイなり、可哀想な我なり。グスン、グスン!NTRなり!メアリーたん。お帰りのお祝いのホロホロ鳥が冷めたなりーーーーーー!」


「ああ、王太子妃殿下!まだ、メアリー様に劣情を抱く、卑しきブタであるトーマスにお叱りを!グスン、グスン、メアリー様、ご帰還おめでとうのホロホロ鳥が冷めましたーーーーーー」



「オーホホホホホ!!ざまを見なさい。メアリーは、可愛い妹よ。私が守って見せますわ!!!」




「義姉上、喜んでいますよ!!!何でチキンを王宮に持って来る!?」



 後に、山中大全は、芸術家として、メイド喫茶、萌え萌えクラブを主宰、トーマスは、思想家として、世に名を残すことになる。




最後までお読み頂き有難うございました。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] なろうでチキン冷めちゃったネタを見ることになるなんてなぁ……
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ