↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/131

No.29 メンタル死!

(公開処刑とか聞いてなあぁぁぁいぃぃぃぃ)


 メルト、ラーファル含めた全クラスメイト+ルルス先生の視線が僕に突き刺さる。

 なぜかって?

 それは……




 ――自分でも知らないうちに数日前の僕が未解決問題なるものを解決してしまったからだぁぁ!! あぁあーはっはっはっはっはぁ!!


 ……はぁ。駄目だ。テンションバグってきた。


 さて、ここでちょっと今までの経緯をおさらいしてみよう。

 始まりは入学試験、中でも筆記試験での出来事。

 その最終問題で、『とある魔術陣の欠陥を正せ』ってやつがあったんだよ。


 それがまぁ〜あ酷いものでさ、変なとこ片っ端から修正してたらなんかだんだん楽しくなっちゃって、気がついたら全っっっ然違う術式レベルのなんかすごいやつが出来ちゃったんだよね。

 まあその時は(ちょっとやり過ぎたかな?)くらいにしか思ってなかったんだけど、後からラーファルに聞いたところ、どうやらあれは謎の暴発を繰り返す事で有名な魔術陣だったらしい。


 だからね、わざわざ目立ちたくて解決したとか、本当にそういうんじゃないんだよ。

 だってあのゴミが未解決問題だって、単純に知らなかっただけなんだもん。


 それで解答用紙が回収された後に(あ゛ぁ〜、あの紙燃やしてぇ〜)とか本気で考えるくらい大後悔してたんだけど、知っての通り時すでに遅し。

 エレオノーラを差し置いて首席になったせいで、ほぼ学年全員からヘイト集めて、学園長室に呼び出されて、その後ごちゃごちゃ色々あって……


 幸か不幸か、昨日は魔法戦闘の授業のグロ騒動のおかげで、少しだけみんなの関心がそれたと思ったら、今日の四限でまさかのフェイント。今この状況って訳。




 もう、僕大ピンチ。




 あ〜あ、本当どうしようこれ。

 いんやぁさっきまでずぅ〜ぅとザワザワしてたのに、急にみんな水を打ったように静かになっちゃって。

 あはは、そんなに見つめられたら困るなぁ、何だか恥ずかしくなっちゃうよ……


 ……わあぁぁぁぁ!!

 誰か助けてよぉぅ!

 何で入学試験受けただけでこんな事になってるのおぉぉぉ!?


 ……まぁ、人間じゃないんだし?

 つい最近まで、人里離れたド辺境にいた訳だし?

 常識とか分からないんだからこうなるのは仕方な……ってなるかぁ!!

 こんなん知らなかったで済むかぁ!!


 そうだ! ここら一帯ぶっ飛ばしたら全部丸くおさま……


 は! 僕はなんて事考え……


 んぁぁあ死! メンタル死! もうやだぁぁぁ、消える……


「セルマリエス君、どうぞ。前に来て、あなたが入学試験でやった通りにこの問題を解説してください」


 ぴゃあぃ?? な、ななななな何?

 か……いせつ?

 僕……が?

 前……で?


 嫌だぁぁぁぁぁぁぁ!!




 頭の中で発狂しながら、僕は魂が抜けたような気分で黒板の前に向かう。

 先生にチョークを渡され、みんなの方を振り返ってみると……




 うわ~、人に取り囲まれてるぅ~。




 入学式の時はこの十倍近い人がいたけど、距離が結構あったし、何よりカンペがあったからまだ良かった。

 でも今回は、人数は少ないけどみんな近いし、心なしか目が怖いし、カンペ無いし……


(あ゛あ゛~、陽キャじゃない僕にはこんなの辛すぎるぅっ!!)


 逃げるように黒板に目を向ける。


 ……うーん、何度見ても素晴らしいほどにゴミ……で? 僕はこれをどうすりゃ良いんだ?


「……えぇーと、それで僕は……何をすれば良いんです?」


 すがるようにルルス先生に視線を送る。

 ルルス先生は腕組みをして、僕が一体何をするのか観察しているようだ。


 ……これは……絶対に助けてくれそうもないなぁ。


「なぜあのような改善を施したのか、説明しながら直接それを描き直してください」


 ルルス先生はやはり無表情で答える。


 ……いや、何気にあなたが一番怖いんよ。

 何その顔?

 どういう感情なの?


「描き直……それだけならもう入学試験の時に描いてるから、別に僕が今ここにいる必要はありませんよね……?」


 頼むからこれで引き下がってくれ。


「いいえ」


 いいえ!?


「確かにあなたの解答は完璧でした。あの通りに実験をして結果が得られているのでそれは間違いありません」


 おうそうだろ? なら良いだろ? 席戻らせて……


「ですが何度も言っている通り、これは長年未解決問題だったのです。なぜそうすれば暴発が起こらないのか、そもそもどうしてそれが欠陥と言えるのか。答えはあれど、理由に関しては、悔しい事に我々には一切何も分かりません。そう、あなたにしか分からないのですよ」


 それを考えるのが研究者の仕事だろ!?

 なんで一生徒の僕がこんな事……


「正直に言ってしまうと、今日の授業内容は、半分くらいは私の個人的な興味です。こんな事になってしまった事については素直に謝りましょう。すみません。こちらとて無理を言っているのは重々承知しています。その上でどうにかお願いします。一度だけ、今日この一度だけで良いので、説明してはくれませんか?」


 ……コジンテキナキョウミ?

 それだけで僕はこんな目に……いや半分、いや三分の一くらいは僕も悪いんだろうけどさ。


「えぇ……」


 いつの間にやらルルス先生の手にはペンと紙が。


 ああ、この人、メモ取る気まんまんじゃないか。

 はぁ、これやっぱ僕が解説しないと終わんないやつかぁ……

 でも一回だけって言質は取ったし、今回だけ、今回だけだぞ。


 しぶしぶながらも、黒板の魔術陣に向かってチョークを振り上げる。


 ……あれ、そういや今のルルス先生、なんとなぁくあのアンケートの文のノリに重なるような気がするんだけど……


 うーん、あれはさすがにルルス先生とは関係無いよなぁ……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。