振り切れない
今回も遅くなってしまってすみません!ネタが…ネタが…っ!!
誰か、私にネタをください。
涙がいつまで経っても、止まらない。止めようとすれば、逆に零れ落ちていくだけだった。
このままここに居て、アレス様かリーリアに見つかっては困る。泣いているところなど、見られる訳にはいかない。その場を離れようと、二人から背を向けた。
「……あれ?ヴィオレット様?」
───その時、リーリアが私に気付いた。気付いてしまった。この距離なら、涙の痕は見えないだろうか。痕が残っていないことを祈りながら、振り向いた。
「……ああ、リーリア。今日は用事があるから、昼食は誰か他の方と食べてちょうだい。ごめんなさいね」
「それは大丈夫ですが…。あの、何かありましたか?」
「いいえ?何もないわ」
(…いけない。気付かれたかしら)
いつもとの違いに気付かれてしまったのだろうか。気を付けていたつもりだったのだが、このままでは危険だ。一刻も早くこの場から立ち去らなければ。
リーリアはともかくとして、アレス様にだけは、絶対に悟られないように。私が泣いていたいことなど、アレス様は知らなくて良い。
「……ごめんなさい。もう行くわね」
「───ヴィオレット、少し待て」
今まで沈黙を保っていたアレス様が、私の名を呼んだ。それに気付かない振りをして、歩を進めた。最初は歩いていたが、気付けば小走りになっていた。
機を見て、お父様から正式な婚約解消の申し出をしてもらえば良い。いくら“仮”でも、もう私がアレス様の側にいる訳にはいかない。
もともと婚約解消をしようとしていたのだ。何も問題などないではないか。お父様には迷惑をかけることになってしまうが、そのことは最初から理解していたことだ。
(……そうよ。これで、良いの)
これが正しい道だ。これで良い。それでも、胸が苦しいから。だから走って、心の痛みを振り切ろうとした。
「───だから、待てと言っているんだが?」
「……!」
……それなのに、これ以上苦しさを振り切る時間はもらえないようだ。
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