少しの現実逃避
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
(……どうしてこうなったの?)
誰一人として沈黙を破る者はいないが、ここに集った四人の表情はそれぞれだった。
無表情、何を考えているか読めない笑顔、戸惑いながらも笑おうとする顔、引きつった顔。
私は現実から目を背け、少し過去を振り返る。
◇◇◇
「リーリアちゃん、一緒に昼食を食べない?」
「はい、もちろんです!私も一緒に食べたかったんです」
初めて友達ができた翌日。私はリーリアちゃんを昼食に誘っていた。最近殿下に誘われるのを断っていたので、あまりカフェテリアで食べれていなかったのだ。
笑顔で承諾してくれたリーリアちゃんを見て、心から友達になれて良かったと思う。
「ねえ、一つ聞きたいのだけれど…。リーリアちゃんはどうして私と仲良くしようと思ってくれたの?」
友達になれたのは嬉しかったのだが、どうしても疑問だったのだ。ほとんど初対面にすぎなかった私と何故仲良くしてくれるのか。
私が尋ねると、リーリアちゃんは目をぱちくりとしてから答えた。
「転入してきた日、不安ですごく心細かったんです。そんな時にヴィオレット様が笑顔で話しかけてくださって…。昨日も助けていただいて。あの、嬉しかったんです!」
そうやって必死に伝えてくれたことで私の心の中に幸せな気持ちが溢れ、涙ぐみそうになる。
「リーリアちゃん……ありがとう」
「こちらこそ!…あの、良かったらリーリア、と呼んでもらえないでしょうか……?」
「もちろんよ、リーリア」
私が名前を呼び捨てにすると、リーリアちゃん───リーリアはぱあっと顔を明るくする。それを見て自然と私の表情もほころぶ。
そうして二人の間に穏やかな時が流れていたはずなのに。
「───ねえ、そこのお嬢さんたち!オレたちも一緒にいいかな?」
穏やかな空気をものともしない明るい声が聞こえてきた。
仲良くなるの、早いですよね?コミュ力高くて羨ましい…
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