生還祝いのようですよ?
「シン、明日は私の日ですよ」
家に戻った俺にアリアはそう告げた。
私の日って言うと……
「えっと、デートか?疲れてないか?」
何せ、ダンジョンに潜ったあとだ。
アリアは戦闘はしないにしても怪我の回復などで魔力を使っている。
相応に疲れるはずなのだが。
「私は大丈夫ですけど、シンは疲れてますよね?だからお家デート、ということでどうですか?」
お家デート?
家で二人でゆっくりするってことか。
「俺はそれでもいいが、アリアはそれでいいのか?」
「はい、大丈夫ですよ」
「そうか、それじゃあまた明日の朝な?まだ昼前だが、少し寝よう」
「はい、おやすみなさい」
「おやすみ」
さすがにダンジョンに潜っていた疲れがあるため、自室に戻り、ベッドに体を沈めるとそのまま意識も沈んでいった。
目が覚めると外は既に真っ暗で静かな街並みになっていた。
中途半端な時間に起きてしまったか。
「ご主人様、おはようございます」
……ん?
その声は自分の真横から聞こえた。
それに自分の隣に誰かがいるような膨らみがある。
俺が毛布をめくるとそこに居たのは、寝巻き姿のファノンだった。
「ファノン、ここでなにしているんだ?」
「ご主人様が起きた時に寂しくないように、と添い寝を……ダメでしたか?」
「ダメじゃないが……まぁ、いいか」
ファノンはそういう知識がないのかもしれないな。
ファノンはまだ子供だし、相手が俺だったから良かったが、女性が男のベッドに入ることの意味を教えていかないと将来危険になるかもしれない。
俺が教えるのも変だし……今度、誰かに頼んどくか。
そんなことを思いながらリビングに降りると、そこには全員が集まっていた。
テーブルの上には数多くの料理が並んでいる。
「あ、シン!おはよう。今日はみんなで作ったんだよ」
「あぁ、みんなも疲れてるのに悪いな」
「いいんですよ。私たちがやりたくてやってる事なので」
いつもなら料理を作ってくれるのはファノンで、みんなはたまにその手伝いをしているのを見ていたが、今日はみんなが作ってくれたようだ。
確かにファノン一人で作ったとは思えないほどの量の料理が並んでいる。
「まぁ、攻略は出来てないですけど、無事に帰って来れた祝いってことですね」
「ん、みんな無事で、よかった」
「ご主人様、食べましょ?」
その日はみんな昼前に寝ていたせいか、夜が更けてもなかなか寝付くことはなく、静かながらも楽しい時間となった。




