アリアとお家デートのようですよ?
「シン、朝ですよ。起きてくださーい」
俺は体を揺さぶられる感覚と共に目を覚ます。
「――――アリア……おはよう」
「はい、おはようございます。シン」
「今日はお家デートだっけか?」
「そうですよ。お家でゆっくりするんです」
それでアリアが満足するならいいが……実際楽しいのか?それ。
「ほら、早く着替えたり顔洗ったりしてください。朝ご飯は作ってありますから」
アリアにそう促され、俺は朝の身支度を整える。
そして身支度を整え終わり、テーブルにつくと、即座に料理が運ばれてくる。
どれもこれも美味しそうだが、疑問が一つ。
「二人分だけか?」
朝はみんなで食べているから今日もみんなで食べるもんかと思っていたのだが。
「みんなは私たちに気を使って外に遊びに行きましたよ。だから今この家に二人きりです」
そっか、二人きり…か。
いつもはみんながいる席に今日は居ないと考えると寂しいものがあるな。
「シンはみんなで食べる方が好きですか?」
おっと、表情に出ていたか……
今日は家にいるがデート、ということだからな。
「みんなで食べるのもいいが、こうしてアリアと食べるのも好きだぞ」
「そうですか、それは良かったです。お料理は美味しいですか?」
並んでいる料理は色とりどりで綺麗だし、味の方もどれもこれも美味しかった。
嘘を言う必要も無いしな。
「あぁ、もちろん。美味しいぞ」
「これ全部私が作ったんですよ?」
「……そうなのか?ならきっとアリアと結ばれる人は幸せだろうな」
「えへへ……ありがとうございます。……シンが貰ってくれてもいいんですよ?」
「ん?ごめん。後半なんて言った?」
みんな、たまに声が小さいんだよな。
聞いてほしいけど聞いてほしくないみたいな感じだ。
「なんでもないです!」
そして、ちょっと怒り気味になんでもないと言われる所までだいたい一緒だ。
んー、いつも気にはなるんだが、本人がなんでもないって言ってるから深く突っ込むことも出来ない。
そんなことを考えてるうちに朝食を食べ終わる。
アリアが片付けをしているのを手伝ったあと、二人でソファに座る。
二人の肩と肩で触れ合う距離まで近づき、寄り添う。
「この時間がずっと続けばいいのになぁ……」
ボソッと聞こえたアリアの声はどこか寂しげで、それでいて可愛らしい声だった。
「なら今日はずっとこうしてるか?」
「……もう、こういう時は聞いてるんですから」
アリアは少しふてくされたようだが、体を寄り添わすのはやめなかった。
こんな日もたまにはいいな……
結局、その日は一日ほぼ寄り添ったまま、アリアと話して過ごした。




