迷宮攻略は順調のようですよ?(1)
俺は後頭部に感じる温かくてふわふわしてて気持ちいい感触の中、目を覚ます。
目を開けると初めに目に映るのは俺の顔を覗き込むウィズの顔だ。
「シン、起きた?おはよう」
「お、おはよう―――――ってこれは…?」
「膝枕、気持ちいい?」
「あぁ、気持ちいいがそういう事じゃなくてだな……」
俺は少し名残惜しくもあるが頭を上げ、辺りを見回す。
うん、階段だよな。
近くには未だに寝ているリンたちの姿が見えた。
「ウィズ~?抜けがけはズルじゃないですか?」
「アピールは、自由。そうでしょ?アリア」
「そうですけど……私も膝枕したいです」
俺は目の前で展開されている口論の意味がわからず困惑する。
二人はなにを言い争ってるんだ……
それはそうと、そろそろいい時間だ。
三人も起こして出発するとしよう。
「アリア、ウィズ。みんなを起こしてくれ。そろそろ行くぞ」
俺がそう言うと二人はコクリと頷き、早速行動をおこす。
伊達に長い間パーティーを組んでいたわけじゃないため、阿吽の呼吸のようだ。
そうして、どうやらみんな準備が出来たようなので階段を降りて下の階層へ到達する。
この階層は前の階層と大きな差はない。
ちょっとだけ風が強くなっているがするがそれだけだ。
しかし、それちょっとが戦闘には大きな差を産む。
まず風が強くなるということは動きの阻害も大きくなる。
また、エリンやウィズの風を制御する負担も増えるだろう。
反対に魔物は元から風を利用してくるため、魔物の性能はそのままでもこれまでより単純に速く動かれる。
気をつけて対処する必要があるが、そんな注意はリンたちには要らなかった。
三人とも気を抜かず、エチカが即座に風が強くなっていることに気づき、エリンがそれによる影響と気をつけるべき点を上げる。
その中心にリンが入ることでスムーズな情報交換が出来ている。
……やっぱりいいパーティーだな。
俺も頑張らなくては。
俺たちはあっという間に十階層前まで辿り着く。
十階層フロアボスはハリケーンバイコーンのはずだ。
しかし、この前のようにブラストバイコーンに変異しているかもしれないため、気を抜いてはいけない。
俺はとりあえずハリケーンバイコーンの特徴と倒し方、それに加えてブラストバイコーンも同様の内容をみんなに伝える。
ハリケーンバイコーンもブラストバイコーンも一人で戦うには厄介な敵だがパーティーなら話は別だ。
それにこのみんなとなら全く問題ないはずだ。
俺たちはフロアボスに警戒しながら階段を下った。




