3人も成長しているようですよ?
「さて、次は五階層だ。出てくるフロアボスはゲイルエイプ……のはずだが、何が起こっててもおかしくないからな。気をつけてくれ」
三人もダンジョンに慣れ、本格的に下に潜り始めた俺たちは最初のフロアボスの前の階段に辿り着いていた。
このダンジョンではハリケーンバイコーンのはずのフロアボスがブラストバイコーンに変異していたことがあったため、ゲイルエイプも変異していないという保証はない。
おそらく、今の俺たちならゲイルエイプは余裕だろうが、だからといって油断していいものでもない。
気を引き締めるためにフロアに突入する前に声をかけておく。
フロアに突入すると、そこに居たのは通常のゲイルエイプとウインドエイプの群れだ。
「どうやら通常通りのようですね」
アリアがほっとしたかのように息を吐く。
通常通りなら落ち着いて戦えば大丈夫だ。
「エリン、私たちは雑魚を倒す」
「わかってますよ!」
ウインドエイプの群れから放たれる無数の風の刃をエリンが撃ち落とす。
その間に詠唱を終えたウィズの広範囲の水魔法によりウインドエイプの大群が壁に叩きつけられるように押し出される。
二人がウインドエイプの群れに対応している間、俺とリン、エチカはゲイルエイプと対峙する。
と言っても、周りにウインドエイプの群れさえなければちょっと大きいウインドエイプのようなものだ。
「それじゃあ、二人とも。攻撃は頼んだ!」
「わかってる!」
「了解です!」
俺がゲイルエイプの攻撃を押しとどめ、リンとエチカが隙をついてゲイルエイプの体を刻み、体力を奪っていく。
魔物の群れが一掃されるまでそう時間はかからなかった。
「余裕だったね!私たちやっぱりちゃんと強くなってる」
「そうですね。前までならゲイルエイプなんて倒すどころじゃなかったでしたから」
「リン、エチカ、調子に乗らないの。今回だってシンやウィズさんがいなければ厳しかったはずよ」
と、エリンが注意するもリンとエチカはもちろん、エリンの表情も柔らかいものになっている。
三人とも確実に実力がついているのを実感出来て嬉しいようだ。
ただ、確実に言えるのは、リンとエチカの二人ならゲイルエイプ単体くらい楽に倒せる実力は付いているから、俺は別にいらないってことだな。
リンもエチカも気による身体強化のコツを掴んだようで、その強化はこれまでの比にならないほど強力なものになっている。
エリンの魔法もウィズに教わったおかげか、威力も速度も段違いにあがっている。
こうやって、成長を見るのも楽しいもんだな。
そんな三人の姿を見る俺の頬も気付かぬうちに緩んでしまっていた。




