ダンジョン攻略を始めるようですよ?(2)
「うわっ!んー、厄介だね。ここの敵!」
「そうね。魔法常時展開してないと風が打ち消せないし、何よりも動きが早くて躱されるわね」
「ロケットモールが飛び出す場所は音でわかるので二人はブリーズラビットとラピッドキャットをお願いします!」
ダンジョンに突入した俺たちはリン、エチカ、エリンにこのダンジョンの魔物との戦いを慣れさせることにした。
俺は前に入ったことがあるし、アリアとウィズも経験豊富だ。
似たようなダンジョンで同じような敵と戦った経験があるため、特に問題ない。
どうやら三人はエチカがロケットモールの索敵、エリンが辺りの風の弱化とエチカと一緒に周囲の魔物の相手を、リンは積極的に魔物を狩りに行く、という形になったようだ。
……うん。やっぱりみんないい動きをしている。
エチカは地面の動きを感じるために地から足を離さないようにラピッドキャットを相手しているし、エリンは辺りの風を弱化させてることを感じさせないくらいの魔法の量を使いこなしている。
特に良いのはリンだ。
リンは単騎で魔物を狩りに行っているが、リンが数回剣を煌めかせると通った場所にはいくつもの魔物の事切れた体が崩れ落ち、三人の中でも魔物の討伐数が圧倒的に多い。
これなら、余裕そうだな。
どんどん下の階層に進むべきか。
気付けば辺りを埋め尽くしていた魔物は全て地面に転がされており、動かなくなっていた。
「よし、これなら全然大丈夫そうだ。一気に下に降りていくぞ」
「そうですね。これなら傷を負う頻度に私の回復魔法が追いつきそうですしね」
そう、ダンジョン攻略など、長期に渡り魔物の領域に居るときに一番重要になるのは回復が間に合うかどうか、という点だ。
長期に渡り疲れた状態、もしくは傷を負った状態ではいつもの力を発揮することが出来ず、そのまま命を落とすことも珍しくない。
回復魔法を使える人がパーティーにいるとそういった事故は少なくなるのだが、あまり無茶をしてヒーラーが多用されすぎると今度はヒーラーの魔力の回復が間に合わなくなる。
そうなってはパーティーが崩壊するのも秒読みと言ったところだろう。
だからこそ、ヒーラーがいたとしても無茶をせず、少し苦戦するけど問題なく倒せる、くらいのダンジョンに潜るべきなのだ。
その点、リンたちは多少の傷を負ったものの余裕を持って魔物に対処していたように見える。
それに俺やウィズも加わるのだから先に進んでいっても回復が間に合うだろう。
そう思い、俺たちは下の階層に降りていった。




