エチカの幸せなひと時のようですよ?
今日はシンとデートだ。
エリンが昨日の休日にシンを誘ってデートしていたことをリンから聞き、嫉妬に駆られ、ついエリンに不満を漏らしてしまったが、その甲斐もあってシンとデートすることが決まった。
まぁ、私だけじゃなく全員なんだけど……
でも今日は私の日だ。
今日は張り切ってアピールしないと。
まずは手始めに手を……
本当は家の前でシンに手をつなごうと提案する予定だったのだが、その…恥ずかしくて商店街の入口からになってしまった。
しかし、なんとか指をからませ恋人繋ぎにすることに成功した。
うぅ……シンとつないでいる手が熱い。
手から手汗が滲み出るのを感じる。
シン、手汗気持ち悪くないかな……?
「その…手汗、すごくないですか?ごめんなさい、これでも結構緊張してまして……」
私はつい、シンに謝ってしまっていた。
これで手汗が気持ち悪いって言われたらシンとの手を離さなきゃ行けないのに。
私のバカ!
しかし、気持ち悪いと言われることは無く、逆にシンと手をつないでてもいいのか、と聞かれた。
そんなのいいに決まってる。
というか、シンとしかこうして手をつなぎたくない。
いつも聞いて欲しいところだけ聞こえない私の好きな人に若干の怒りを感じながら商店街を見て歩く。
正直なところ、行くところなんてどこでもよかった。
ただ私の隣にシンがいること、それだけで満足していた。
「お、エチカ、屋台があるぞ。お昼まだだったよな?」
「はい、串焼きですか。いいですね!」
串焼きとはデートっぽくはないが、シンと一緒なら話は別だ。
シンと二人っきり、その状況が私に見える景色を一変させ、キラキラとした世界に連れていく。
無邪気に串焼きを頬張りながら、時折、私がどんな様子かチラチラと確認しながら商店街を歩くシンはいつもの頼もしい感じではなく、どこかかわいくみえる。
途中からは私の緊張も完全に解れ、心からシンとのデートを楽しむことが出来た。
しかし、そんな楽しい時間は早く過ぎるというもので、あっという間に夜が更け、家に帰る時間になる。
家に着くまで手は繋いだままだったが、さすがにみんなの前に出るのに手を繋いだままでは反感を買ってしまうかもしれない。
私は名残り惜しさを感じながらもシンとつないだ手を解く。
「今日は楽しかったな、エチカ」
「はい!そうですね!」
今はこれだけで満足するとしよう。
本当は私だけで独り占めしたいがみんなもシンのことが好きなのだ。
私は私も選んで貰えるよう…隙あらば私だけを選んで貰えるように必死にアピールするだけだ。




