取り残された三人はシンとは別に動き始めるようですよ?
「あわわ、シンに羽が生えて空飛んでっちゃったけどシンは何者!?っていうか私達はどうしよ!」
時刻は夜中。
窓が開け放たれ、涼しい風が吹き込む部屋の中で面白いほど動揺している少女の姿がそこにはあった。
そして、その少女が私たちのパーティーのリーダーということには目を瞑りたいものである。
「リン、シンが何者かはとりあえず置いときましょう?今、私達がするべきなのはアリアさんたちを取り戻すのに最善は何かを考えること」
「そう…ですね。いつでも冷静でさすがエリンです。それに比べて私は…」
エチカはどこか落ち込んでいるようだが、今は一刻を争う時だ。
正直構っている暇もない。
まず、シンがどこを探すのかを考える。
空を飛んでいるということは、町を上から見て分かるところに居る人はシンに任せて大丈夫のはず。
また、もし街の外に出ていたとしてもどちらにせよ、私たちの速度では馬車には追いつかない。
これも追いつくかわからないがシンに任せるしかない。
なら、私たちが探す場所は?
上から見て見えない町の中にある場所で人が隠れられそうなところ。
つまり、屋内の使われていない空き家などだ。
空き家が多いのは裏通りの貧民街のあたり。
ならば、そこを重点的に探すべきだろう。
だが、闇雲に探してもしょうがない。
貧民街に詳しい人に聞いて、隠れられそうな場所を聞ければ……
「皆さん、騒がしいですがどうかしたんですか?」
そんな考えに至った時、聞こえてきた声はまさにベストタイミングと言うべきだろう。
私たちの慌ただしさに起きてきたのはファノンだ。
「ファノン!落ち着いて聞いてね。実は―――――」
私はファノンに事情を手早く話し、隠れられそうな場所への道案内を頼む。
今回当たる相手は少なくともあの勇者か元シンのパーティーリーダーのギリー、最悪の場合、二人同時になる。
正直なところ、そんな危険地帯にファノンを連れていくのははばかられるが、あれこれ言ってる暇はない。
あんなに怒りを露わにするシンを初めて見たのだ。
それにこれまでは恩を受けてばかりだし、少しくらい返さないとね。
「リン、エチカ、急いで装備を整えて。早く行かないと手遅れになるかも……」
「うん!早く助けに行こう!」
「そうですね。今度こそはしっかりと役に立たないとです」
二人ともやる気はあるようだ。
装備をつけるのも手馴れたもので、数分とかからず準備を終える。
「それでは、道案内はお任せ下さい!」




