謝罪中のようですよ?
勇者の攻撃にも耐え、膝をつくことのなかった俺がたった二人による『口撃』で地に膝をつかされていた。
両膝をきちんと揃え、平らな地面に座らされている状況は誰の目から見ても謝罪の気持ちが見えることだろう。
俺が謝罪している相手はアリアとウィズだ。
決闘が終わりギルドホール内に戻ると即座に捕まったと思ったらいつの間にか正座をさせられていた。
もちろん、物理的にではなく、俺の無意識がそうさせたのだ。
あ、逆らったらやばいな、と。
二人の言い分としては、自分たちを追い出すためにわざと負けるんじゃないかと思って心配した。
後は、エルフ解放の考えやエリンの正体を教えてくれなかったこと、などだ。
エルフのことに関しては初めてのエリンからのお願いだったのだから、頬が緩み安易に受け入れてしまったのだが、今となっては確かに二人にも相談というか、了承を取るべきだったと思う。
だが、他の件に関してはエリンによって口止めされていたため、言えなかったのだ。
二人がまだ信用出来ないから勝手に情報を与えないで、と言われたら、種族のことはデリケートだったりするので言えなかったのだ。
と、そんな言い訳も許されるわけがなかった。
チラリと横目にエリンを見るとエリンもリンに捕まり、俺と同じように叱責を受けていた。
エチカはファノンにギルド内の案内をしているようだ。
今日の決闘の観戦にはファノンも呼んでいたしな。
この後のために――――
お叱りを受けている途中、不意にエリンと目が合い、この状況につい笑いだしてしまう。
それを見て更に怒り出す三人だったが、夕方近くになってようやく許してくれたのか、正座から解放してくれた。
長らく正座していたため足元がおぼつかない。
フラフラと歩いているとアリアとウィズが左右から支えてくれた。
「……今度からはちゃんと教えてくださいね」
「シンは、騙されやすい。危ない」
「あぁ、わかったよ」
散々に叱責を受けたあとなので素直に忠告を受け取る。
俺らが立ち上がったことで叱責が終わったことを悟ったのか、シエラさんが近づいてきた。
「シンさん、これ、早く渡してあげてください」
俺は決闘が始まる前にシエラさんに預けていた六つの箱を受け取った。




