大物狩りのようですよ?(2)
俺はしばしの休憩を取った後、また直ぐにあの方法で十層前の階段に辿り着く。
躱しきれなかった風の刃による切り傷がジンジンと痛むがこれくらいならまだ軽い方だ。
ゲイルエイプの攻撃だけは確実に流していたので、大きな怪我は特にないし問題は無い。
しかし、次の相手のハリケーンバイコーンは俺にとってはかなり厄介だ。
ハリケーンバイコーンが戦闘中に纏う風の鎧は物理攻撃のほとんどを弾く上、突進の威力は折り紙付きだ。
単純な力押しでは勝てない可能性がある。
前に挑んだときはパーティーでだったため、ウィズに風の鎧を剥がしてもらっていたのだが、今回はそれがない。
まぁ、作戦はあるのだが……
階段の前で十分な休息を取った俺は階段を降りる。
階段を降りた先は巨大な闘技場のような作りになっていた。
そして、その円形の舞台の上に佇む胴長で二本の角を生やした魔物。
その色は赤黒くて禍々しい雰囲気を放っている。
俺が盾を構え、戦闘態勢に入るとその魔物も風の鎧をまとって嘶き声をあげた。
そして、猛烈な速度で駆けて来る。
それをギリギリの所で躱すと元々俺のいた場所が爆風によって弾け飛んだ。
突進をギリギリで躱した俺もその爆風の余波をくらい地面に転がされる。
体表の色を見ていた時から気付いていたがこの魔物はハリケーンバイコーンではない。
こいつは変異種、ブラストバイコーンだ。
こいつはハリケーンバイコーンより風の鎧は薄く脆いがその分攻撃力が上がっている。
特に先程の突進後の爆風のように突発的な風により回避不能の攻撃をするのが厄介な相手だ。
まぁ、少し変化したところで俺が出来ることは変わらない。
元の作戦通りにやるつもりだが、あんな攻撃を何回も放たれたら長期戦になりそうだな。
そうして、俺はブラストバイコーンの猛攻をひたすら躱し、耐え続ける。
もうどれだけ時間が経ったか、とにかく躱して躱し続けて、機会を待つ。
しばらくすると、ブラストバイコーンの突進の威力が減衰してきていて、爆風を放つ攻撃をすることも少なくなってきている。
そろそろだな。
そう思い、俺は深く盾を構え、攻撃に備える。
もはや、見慣れてきたその突撃は易々と回避してブラストバイコーンの側面を盾で殴りつける。
すると、ブラストバイコーンは横転し、風の鎧が解除される。
ハリケーンバイコーンやブラストバイコーンの風の鎧は横転させると簡単に解除できる。
おそらくだが風の鎧により自身が傷つかないようにだろう。
ブラストバイコーンなどの胴長の魔物たちの足は横転した状態から起き上がることを想定していない作りのため、じたばたともがくも立ち上がることは出来ない。
つまり、最高の攻撃チャンスってことだ。
俺は懐の短剣で隙だらけのブラストバイコーンを切り倒した。
しかし、どうして変異していたのだろうか?
というか、この場合はクエストを達成したことになるのだろうか?
まぁ、時間的に限界のため少し休憩したら引き上げることにしよう。




