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贈り物のようですよ?


「いらっしゃい。兄ちゃん。その子への贈り物かい?」


俺はファノンを連れて、フレスベルグに来ている露店を巡っていた。

今来ているのはアクセサリーのお店だ。

色とりどりの宝石がまるで自分を買って欲しいと言わんばかりに輝いている。


「んー、まぁ、そんな感じだ」


「え!?そうなんですか!?」


大げさなリアクションをとるファノンがかわいく見え、つい頭をなでてしまう。

ファノンを俺の手を嫌がる様子もなく、むしろすり寄るように近づいてくる。

最近、ファノンの頭をふとした拍子に撫でてしまっていることが多々あった。

俺はあの猫耳の生えたエチカの可愛らしい頭を撫でてみたいのだが、さすがに年頃の子に対して頭をなでるのは憚られるため、その撫でたいという衝動を抑えている反動がファノンに向かっているのかもしれない。


そうして、ファノンの頭をなでながらアクセサリーを見ていたのだが、値段を見てため息が出てしまう。


なぜ、わざわざリンたちと別行動をしてまでアクセサリーの店を見ているのかと言うと、リンたち三人のランクアップ祝いの品を贈ろうと思ってのことだ。

勇者との勝負を控えて何をと思うかもしれないが、これは今しかできない事なのでしょうがない。

それに、いくら冒険者としてオシャレと無縁の生活をしていたとしても、三人は女の子だし多少は喜んでくれるだろうしな。

お金ならある程度ならあるし、何とか買えるだろう。


そんな甘い考えでアクセサリー屋に来たのが間違いだった。


「こんなに高いのか…」


置いてあるアクセサリーはどれもこれも高い。

ほんの少しの気持ち程度ならまだしもお祝いで渡すものだしちゃんとしたものにしようと思ったのだが、みんなの分のアクセサリーを買うには手持ちの金貨2枚ではとても足りない。


ちなみにまだ、魔人を撃退した報酬金は出ていない。

ゴッサスが言うには、魔人撃退なんて誰にでもできることじゃないし、ある程度蓄えもあったギルドの金庫も街を防衛してくれた他の冒険者の報酬も払っているため、とてもじゃないがその報酬金はギルドからだけでは足りない。

だから、この町を守る義務がある国に出してもらおう、との事だ。


ギルドからの手紙が届くまでに三日、準備が整うまでに一週間、送られてくるまでに五日はかかるだろう。


まぁ、それさえ届けばここに置いてあるきらびやかなアクセサリーをいくつかは買えると思うのだが当然、今お金が無いことには買えるわけが無い。


「なんだよ、兄ちゃん。金が足りないのか?」


アクセサリー屋の店主は少し呆れたような表情を見せる。


「もう少し安いのはないのか?」


「今はそこの子供だまし以外なら小金貨7枚程度が最低ラインだな。今回は純度が高くて大きいのを沢山仕入れちまってな。値段が高くなっちまって売れなくてこっちも困ってるんだよ。俺はこの町にもう少しいるからその間に買ってくれるっていうなら取り置いてやってもいいぞ」


「どれくらいこの町にいるんだ?」


「まぁ、あと五日ってとこだな」


五日か…

俺は既に三人に似合いそうなアクセサリーを見つけている。

そしてそれを買うために足りない金額は約金貨4枚ってところだ。

Cランクのクエストでは間に合わない

Bランクぐらいのクエストを四つぐらい達成すれば稼げるか。

リンたちには悪いが内緒でプレゼントしたいし、そもそもリンたち三人はCランクなのでBランクのクエストは受けられない。

しばらく一人でクエストを受けるとしよう。


俺は店主に取り置きしてもらうアクセサリーを言い残し、幸せそうな表情を浮かべていたファノンを宿まで送る。

そして、時間がないため、俺は少し早足でクエストを見にギルドに向かった。


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