ダンジョンに潜ったようですよ?
ダンジョンという存在は謎に包まれている。
ダンジョンは地下に形成されるのだが、基本的にダンジョンの中は洞窟と変わらない。
しかし、明確に区別される点が5つある。
まず、ダンジョンは突然その場に作られる。
昨日まで何もない平原だったはずなのに、一日たった後にはいきなりダンジョンの入り口があったなんてよくある話だ。
中は人が通れるくらいの道が引かれており、階段によって上下に行き来することができる。
ダンジョンの壁や床、天井は決して抜けることはない。
ある程度まで表面が削れるとどんな衝撃を与えても壊れることのない壁あり、一定時間で削れた表面も修復される。
ダンジョン内には魔物が繁殖を必要とせずに自然発生し、階段に区切られた層の5、10、と区切りの良い階層にはフロアボスと呼ばれる強力な魔物がいる。
最下層のフロアボスを倒し、ダンジョンコアと呼ばれる玉を壊すとダンジョン内の魔物以外の生物がすべてダンジョンの外に転移し、ダンジョンは消え去る。
また、何故かダンジョン内の魔物はアイテムを落とし、ダンジョン内では性能のいいアイテムが宝箱から発見される。
ダンジョンには、入り口以外から入ることができない。
難易度が高いダンジョンに地下から入り、ダンジョンコアだけを壊して名声を得ようとした冒険者がいたらしいが、空間がねじ曲がっているらしく、ダンジョンに当たるはずの地下を掘っても何もなかったのだという。
これらはすべて普通の洞窟には見られない現象であり、ダンジョンが神の与えた試練場と呼ばれる所以だ。
そんなダンジョンにリンたちと挑み、魔物が落とすアイテムで稼いできたわけだが、新しい武器やパーティーとしての連携の練習をするために浅い階層で魔物狩りをしていたため、特にこれといった問題はなく帰ってこれた。
問題としてはドントさんの剣の性能が高すぎてリンが正面から敵を切れば、どんな魔物も両断され、エチカが短剣を逆手に持ち、敵に駆けよれば、その魔物に反応すら許さず弱点を突き倒してしまうことぐらいか。
エリンも新しい杖を早速使いこなし、圧倒的な火力で多数の魔物を雷魔法で焦がしていたりした。
水と風の補正効果は複合属性の雷なら両方かかるらしい。
ダンジョンの難易度としてはDランクの冒険者にちょうどいいはずなのだが、この分ならこの近辺唯一のBランク相当のダンジョンに挑んでも問題ないかもしれない。
朝にダンジョンに潜り、夕方に出るころには二人は武器に振り回されることなく使いこなし始めていたので、もう少し武器に慣れれば何も問題はないだろう。
……まぁ、明日から始まる魔人からの街と勇者の防衛にはリンたちは参加させないつもりだが。
俺は静寂が街を支配する真夜中に冒険者ギルドに来ていた。
そこにいる面々はギルドマスターのゴッサスにアリアやウィズ、ギリーといった俺の元いたパーティーのメンバーだけでなく、少ないながらもこの街に滞在していた実力ある冒険者が集まっていた。
「それでは、明日から数日間の街の防衛と勇者の護衛についての会議を始める」




