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騙され追放されたSランクタンクは騙されたことに気づかないようですよ?  作者: 暇人
元パーティメンバーとの再会と魔人の影
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嫌な予感がするようですよ?


 「今日もお休みですか?一昨日休みましたし、みんな元気ですよ?それにこの短剣を早く使いこなしたいんですが……」


「悪いが、ちょっと用事があってな。もし、どっか出かけるのならファノンも連れてってやってくれ」


俺はリンたちを自分から離し、もし町の中で魔人が暴れたとしてもファノンが安全に逃げれるように連れて行くように頼む。

今日のことは、余計な混乱を生まないように基本極秘で進行している。

魔人が標的にしているのは恐らくだが勇者のはずなので街には被害は及ばないと思ってのことだ。


昨日の会議の内容としては、俺はこの街の中を周回して、もし町の中に魔人が現れたら時間を稼ぐ役割だ。

この役割には、この街のAランク冒険者、カイルのパーティーとBランク冒険者のウィリアムのパーティーも就いている。

ギリーたちは勇者の護衛に付き、魔人を討伐、または撃退する役だ。


当然、町の中は現れないはずのため危険度は低く、標的にされる勇者の護衛は危険度が高い。

俺は、今回パーティーの参加ではなく、一人でしかもタンクなので時間稼ぎくらいしかできないため、町の中となった。

俺が一時的にギリーのパーティーに戻るという案もあったがタンクは二人もいらないとのことだ。

まぁ、俺もその通りだと思うが。


そうして、俺は町の中でも潜伏できる場所が多そうな裏通りや外壁周辺を周っていた。

そろそろ、太陽が真上に上がるかというところ、俺は少し早いが昼食をとろうと表通りに戻り屋台を見ていた時。

町のほぼ中央にあるギルドの鐘がけたたましく鳴り響いた。

この鐘は街の外壁に魔物が押し寄せていて危険な可能性がある合図だ。


昨日の会議では魔人が勇者を襲っていても鐘は鳴らさず、町の中にいるか、もしくは魔物の群れを率いてきたときは鳴らすとのことだった。

もし町の中にいるのだとしたら、魔人の暴れる音が聞こえないはずがないため、町の外に魔物が押し寄せているのだろう。


考えうる限り最悪のパターンで最も可能性の高いパターンだったらしい。

ゴブリンロードに魔人の手が加わっていたとして、それが勇者が標的なら手ぬるすぎるのだ。

ゴブリンロードだけでなく、他にも魔物を育てていると考えるのが妥当だろう。

そうでなければ、いくら町全体のレベルが低くとも冒険者や騎士を抑えながら勇者を殺すなんて不可能だ。


ギルドにて魔物の群れのいる方角を聞くと見事に勇者のいる方向と逆方向であり、押し寄せている魔物たちは本来ならいないはずの上位種ばかりだ。

つまり、勇者を殺すための囮だろう。

そのはずだと思うがどこか嫌な予感がする。

この予感はあくまで勘でしかない。


しかし、この魔物の群れ自体はまだ想定していた範囲内だし、当初の予定どおり、俺は魔物の群れのいる方に向かう途中でカイルのパーティーとウィリアムのパーティーに合流する。


「集まっている魔物は、フォレストウルフの群れとウインドエイプの群れ、それにゴブリンの群れ多数だそうだ。それぞれ上位種のアビスウルフ、サイクロンエイプ、ゴブリンロードが確認されている」


正直なところ、手が足りないが、すぐにゴッサスさんが後続の冒険者を派遣してくれる手はずになっているためそこまで耐えればいいはずだ。

それに、こっちに魔人は来ない。

魔人の相手をするギリーたちに比べれば楽な仕事だ。


俺はそう思いながら嫌な予感を振り払い、魔物の群れの前に立ちはだかった。


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