ウィズの内心のようですよ?
街をぶらぶら歩いていると両腕を後ろから組まれた。
突然の出来事だったので反応が遅れ、両腕が逃げられないようにがっちりと抑えられた。
「シン、話したいことがあるのですが――――今日は一人ですか?」
今、リンたち四人は近くにはいなかった。
俺は、今日は休暇にしてみんなで買い物だ!って思ってたらついていくことを拒否された。
確かに金貨渡して余りは好きなようにって言ったけどおいていくことないじゃないか……
「そうだよ。俺には内緒で買いたいものがあるんだって。そっちこそギリーともう一人は?」
「今日は完全にギリーを撒いた。邪魔は入らない」
そう、俺の腕を両側から組んで抑えているのはアリアとウィズだ。
腕に当たる柔らかいものの感触がいろいろ大変なことになっているが二人の話す言葉に疑問を覚える。
……なんで、ギリーを撒く必要があったのかは、これからする話を聞かれたくないから…か。
「…ギリーを抜いて、話したいことってなんだ?」
「シンは、ギリーになんて言われて、パーティーを抜けた?」
…ん?それは当然お前らも知っているように――――――――
「端的に言うなら『実力不足』だな」
「それは、ギリーに言われた、で間違いない?」
「まぁ、そうだな。ギリーにそう言われて、そうならしょうがないって感じで」
ギリーは二人にはあらかじめ伝えてあると言っていた。
つまり、当然理由も知っていたはずだ。
なんでいまさらそんなこと聞くんだ?
「……わかりました。シン、また会いましょう」
「シン、また後で。私たちもあの件でこの街に滞在するから」
それだけ言い残して、二人は去っていった。
最後にチラリと見えた二人の顔はどことなく残念そうな顔をしていた。
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本当にギリーが嘘をついてた。
そのことが明らかになった瞬間、自分が信じていたものが土台から崩れ去るのを感じた。
アリアとギリーとはパーティーを組んでから二年ほどになる。
組んだ時はDランクで元々のパーティーが仲間の引退により解散し、ギリーとアリアが組んでいた二人組のパーティーに入れてもらう形だった。
入った当時のギリーは最高ランクのSランクに憧れる普通の青年だった。
赤い髪を揺らし、敵の攻撃をさばきながら敵を倒していくギリーは少し乱暴だったが、根が優しいのは感じていたし、なんでも私たちに相談してくれて嘘はつかなかった。
Bランクになり、前衛がギリー一人では限界を感じ、新しくシンがパーティーに入った時もギリーは歓迎できていたのだ。
しかし、ギリーは既に変わってしまった。
変わったのはいつだったのだろうか。
Sランクに上がった時か?シンが入った途端、二ヶ月でAランクに上がり、それがシンのおかげであると気づいたときだろうか?それとも、普段は抜けてて優しくてどこか頼りなく感じるのに、モンスターと対峙したときに私たちを守るその背中は凛々しく力強く絶対的な安心感をもたらす、そのギャップにより、シンに惹かれていく私たちに気づいた時なのだろうか。
…今回の件は簡単に許していいことではない。
私用でパーティーメンバーを解雇するなんて論外だし、何より今回外したのは役立たずどころかパーティーの中核だ。
シンのタンクとしての能力は圧倒的だ。
それはルミナスと組んでからも感じていたし、他のSランクパーティーを見てもシンの能力はずば抜けている。
ギリーのことは仲間として慕っていたし信用もしてた。
だが今回のことでその信用は地に落ちた。
アリアとともにギリーに話を付けてシンに謝らせてパーティーに戻ってきてもらう。
それが叶わないならいっそのことアリアと一緒にパーティーを抜け、シンのパーティーに入れてもらおう。
そう決めた私はギリーと話を付けるためアリアと共にまだ寝ているギリーがいるはずの宿に向かった。




