説明会のようですよ?
俺は早速前に泊まっていた宿からリンたちが泊まっている宿に居を移した。
宿代は3000ガルド、つまり銀貨3枚と安い。
これに加えて500ガルドで一食付くので朝と夜のご飯はここで食べることにしよう。
前の宿より多少グレードは下がるがその分値段は五分の一以下だし、むしろ落ち着いた雰囲気でよく休めそうだ。
貨幣の価値は、銅貨から始まり大銅貨、小銀貨、銀貨と上がっていき、一般的には金貨が最大だが、国同士のお金のやり取りなど大きな金額が動くときには白金貨が使われる。
銅貨が1ガルドで価値が高くなるごとに10倍の価値になる。
白金貨だけは例外で金貨の100倍の価値だ。
ちなみに何故、白金貨のことを知ってるかというと前のパーティーで火竜を討伐した際の支払いが白金貨だったからだ。
「それで、シンのあの透明な壁みたいのは何なのですか?」
部屋でくつろごうとした俺に対し、待ちきれないといった表情でエチカが質問をしてくる。
「シンさ――じゃなかった、シンはタンクなのに魔法も使えるの?」
「魔法じゃないわね。詠唱がなかったし。そうなると気でしょうか?」
「リンとエリンの答えを合わせたのが正解。あれは魔力も気も使ってる」
生物が扱える力は一般的に魔力と気というのが広まっている。
魔力はいろいろなものに変換できるが扱いにくく、気は扱いやすいが身体能力強化みたいな単純なことしかできない。
「まぁ、簡単な壁ぐらいしか作れないし、そもそも魔力量が少ないから乱発もできないんだけどな」
俺は気は扱える量が多く、身体能力強化なら5時間くらいなら継続して使える。
しかし魔力は並みの人より少し多い程度なので魔法は行使できない。
「魔力と気を混ぜ合わせて同時に使うとかありえないわね。お互いが反発する性質を持ってるから別々に使える人だって少ないのに」
エリンが言ったように俺みたいに両方平均以上に持っている人は稀だし、そもそも持てる量が生まれた時から器のように決まっているらしく増えないから鍛えようもない。
このことを知った時ほど親に感謝した日は他にないな。
ところでずっと気になってたんだが――――
「なぁ、エリンってやっぱりエルフだったりするのか?」
そう聞いた瞬間、エリンの顔がこわばり、リンもエチカもいつの間にかエリンを守るようにして俺の方を警戒した。
しかし、エリンは緊張をほぐすように息を吐くと、二人を諫め、諦めたようにフードをとる。
そうして露わになったのは、色素の薄い金髪に透き通るような白い肌、特徴的な長くとがった耳――――
「バレてしまいましたか。まぁいつかはバレると思っていましたが」
そう言い、少しいたずらな笑みを浮かべる彼女の姿は、どこからどう見ても森の守り人と呼ばれ、数の少ない希少な人種のエルフだった。
銅貨一枚=1ガルド=一円 くらいの感覚です。
タイトルはシンの能力のことと読者の方に向けてのダブルミーニングです。(笑)




