警戒されていたようですよ?
「それで――私がエルフだということを知ってどうしようと?」
いたずらな笑みを浮かべたエルフの少女、エリンは余裕そうだったが、リンとエチカにはまだ張り詰めた表情をしてこちらを見ていた。
「いや、別に何もしないが?」
そもそもただの確認だったしな。
あー、知ったからには守ってほしいってことかな。
パーティーを組んだからには仲間だし、元から守る気でいたから何も変わらないけどな。
エルフは森の中に集落があり、他種族に対し排他的な生活をしている。
また基本的に人族より魔力量が多いため、エルフのほとんどが魔法を使える。
人族で魔法が使えるほどの魔力を持っているのは総人口の4割を少し下回るくらいだ。
そのうえ、1年ほど修行をしないと最低ランクの魔法すら使えない。
つまり少数ながら強大な戦力を持っているのだが、エルフを捕縛して奴隷化したがる貴族が多い。
その理由は、エルフの容姿が人族にはとても魅力的に見え、また魔法が使えるため臨時の防衛力になるかららしい。
まぁ、エルフは仲間意識がとても高いため、集落を襲えばほぼ確実に失敗するのだが…
こうして街に出てきているエルフは権力や数の暴力により、捕まり隷属の首輪をつけられ辱められる。
「…まぁ、魔物ならともかく貴族からは俺が居れば絶対に守れるという保証はないから今まで通りフードはかぶっておいたほうが賢明だな」
「……ぷっ、あははっ! ほら言ったでしょ? シンなら大丈夫って」
「そう…みたいですね」
「わ、私は初めからシンさ――じゃなくてシンなら大丈夫って信じて…」
「はい、嘘。さっきも思いっきり警戒してたじゃない」
…まぁ、エリンを大切にしているからこその警戒なんだろうが、ちょっと傷つくな。
エリンは何故か大丈夫と思ってたみたいだが――――
「それは、エルフの目は少しの思考なら読み取れるからよ?」
「なっ、本当か!? いや、今確かに読まれたし本当なんだな?」
それなら変なこと考えないように気を付けなければ……
「……嘘です。嘘を言ってるかどうかはわかりますが、思考なんて読めません」
「……」
「「「………」」」
「よし、もう寝るから自分たちの部屋に戻ってくれ」
そうして何となく気まずい雰囲気になった俺たちは少し早いが寝ることにしたのだった。




