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生きてて良かったと 思いたい私の異世界転生  作者: 蒼氷


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王都公演初日の感想と、お祝い

いよいよ公演も終わりに近づいている


暗転したステージに10人程が出て行き、位置に着いた


スポットライトに照らされたパペッティさんが歌い始める

それに合わせて伴奏が入り

段々とライトが広がっていく


色々な人種が入り混じった私達が歌うからこそ、意味があるんじゃないかと

そう思えるようなこの歌は、全員が大好きな歌で

だからこそ歌にも力が入る


歌の途中で客席の通路から演者が現れる

ライトに照らされて、お客さん達も始めて気づいたらしく

「「「わぁ」」」と歓声が聞こえる


歌いながらステージに向かい

全ての演者がステージに上がる


『これが私♪』

大きな身振りでそう歌う


みんなと一つになった気がして、自然と笑顔になった


歌い終わると客席から大歓声が起こった

鳴りやまない拍手に、全員でお辞儀をして舞台袖にはける


パペッティさんはステージに戻り、繋ぎとして歌を歌ってくれる

その間にみんなは着替えだ

いつもの露出高めのドレスに、男性は裸にベストだ


最後に歌って踊るのは、もちろんあの曲だ


着替え終わって舞台袖に戻ると、パペッティさんの歌が聞こえる

『心をなににたとえよう♪』


この歌は私が作業中にくちずさんでたんだけど、パペッティさんが凄く気に入って

「是非歌いたいです」と言われて、最近追加したのだ


とある映画で女の子が歌うんだけど、それを聞いた時から

私も大好きで、ゆったりと作業する時とかに良く歌っている

パペッティさんが歌うこの歌もいいな・・・

そう思って聴き入っていると、あっという間に終わってしまった


パペッティさんがお辞儀をして戻ってくる


パペッティ「さあ、最後ですね」

「うん、やっちゃおうか」


完全に暗転したステージに、みんなが定位置へ移動していく


私もステージにの真ん中に座り、ゆっくりと深呼吸した


スポットライトに照らされると、歌い始める


『ここにしかないルールがある♪』

立ち上がると、ステージに照明が灯る


全体を照らすと大勢のダンサーが、一斉に踊り出す


2回目のサビ前にダンサーがステージを降りて、客席の通路へいく

サビで激しく踊りつつ、お客さん達の反応を見て楽しむ


『ショーを見せてあげるわ♪』

挑発的に踊ったり、からかうように踊ったり


みんなが踊っているのを見ながら、私もステージの中心で歌った

全部を絞り出すように、思いっきりシャウトすると

思ったよりも声が出てビックリした


そのまま歌い切り、決めポーズをして終わった


はぁ、と息を吐くと


割れんばかりの声援と歓声が巻き起こった


「「「わぁぁぁぁ!!」」」

ほぼ全員が立って拍手をしてくれているように見える

満足感でいっぱいになって


全員で並んでお辞儀をした


「本日はバーレスクの公演に来て下さりありがとうございました!来てくれた皆様に心から感謝を!是非また私達に会いに来て下さい!」


「「「「ありがとうございました!!」」」」


全員で手を繋いで、一列でお辞儀をした


鳴りやまない拍手の中、客席に手を振りながら舞台袖まではける


「やったね!みんな最高だったよー!」

ドーラ「はぁ、やばかった・・・」

ライラ「楽しかったねー!」

チュリ「一生の思い出になりそう」

ツェル「無事に終わって良かったー」


カケッチ「みんな、最高だったぞ。お疲れ様」


口々に感想を話している


「さあ、みんなでお客様を送り出そうー。並ぶ順番は決めてないから適当に。子供にはハイタッチとかしてあげてねー」

「「「「はーーい」」」」


全員で会場の出口に移動して、一列に並んだ


しばらくして、お客様が出口から出て来る


先頭の子供が花を一輪持っていて、笑顔でロコくんに走り寄り

「たのしかったー!ありがとう」

笑顔でお花を渡している


ロコ「ありがとう。またきてね」

「うん!」

とても微笑ましいけど、後ろで見ているお母さんの顔が赤い

どうやら親子で好みが似ているらしい

ロコくんの笑顔にメロメロになっているようだ


その後も、ぞくぞくとお客様が出て来て

口々に感想を言っては帰っていく「たのしかった!」「感動した!」「最高だった!」

どの人も否定的な感想はなく、大成功だったと言ってもいんじゃないだろうか


私もお花を貰ってしまった

笑顔でお礼をいうと、みんな感激してくれるので

まるでスターにでもなった気分だ


順調に見送りをしていると、見た事があるような顔が見えた


「あ」

「あ・・・・」

あちらも私に気付いたのか、バツの悪そうな顔でこちらに近づいてきた


公園で絡んで来たおじさん

双剣で綺麗にカットしてあげたので、ヒゲもなく

髪の毛もさっぱりとして、サイドを刈り上げて正解だった

今日は小奇麗な恰好だしね


「さっぱりしましたね。そっちの方が似合ってますよ」

「・・・・・わ、・・・た」

俯きかげんで、視線もあわせず、ぼそぼそっと何かを言っている


「ん?なんです?もう少し大きい声で」

「わる・・・・かった」

周りがうるさくて、あまり聞き取れないけど

どうやら謝りに来てくれたらしい


「ふふ、公演どうでしたか?」

あえて返事せずに感想を聞く


「は?そりゃ・・・・凄かったよ・・・」

「みんなが凄いってわかってもらえました?」

「ああ・・・・俺が間違ってた・・・・」


「ふふふ、良かった!また見に来て下さい」

そう言うと、ビックリした顔でこちらを見た


やっと視線が合った


「お、俺の事を怒ってないのか?」

「怒ってましたけど、もう分かってもらえたので。絡んで来たりしないでしょう?」


「ああ、もちろんだ。もうあんな事はしない」

真剣な顔でそういってくれた


「じゃあ、許します。また見に来て下さいね。一生懸命やりますんで」

「・・・・あんたは懐も深いんだな」


「そうでもないですけどね、あの時怒ったのも、理解しようともせずに勝手に蔑んで来た事が許せなかっただけですし」

ケンカがしたかった訳じゃないけど、仲間を悪く言われて黙ってはおけなかった


「俺を衛兵に突き出したりしなかったじゃないか」

「ああ、それは揉め事にしたくなかったからです。こちらに怪我が無かったのが幸いでしたね。私は結構打算的なんですよ?」


「はは、それは賢いな。益々好きになったよ」

「え?」

おじさんは背中から花束を出すと、私に押し付けてきた

受け取ると

「また来る!頑張れよ」

笑顔で手を振って歩いて行くおじさん


「ありがとう!またね!」

笑顔で手をふり返す


どうやら、ただのなかなか素直になれないおじさんだったようだ

わざわざ花束を買ってくれるくらいには、うちの公演を楽しんでくれたらしい


一般客が全員出ていったあと

もう誰も来ないかな?と戻ろうとしたら

パチュリー公爵夫妻が来てくれた


ダスティン「いや、今回も素晴らしかった。感動したよ」

「ありがとうございます。見て下さっていたんですね」

セレネータ「もちろんじゃない。お母様も感激していたわよ」


ハーシェリア様はロコくんへ特大の花束を渡していた

推しには全力で貢ぐスタイルだ


公演について話をしていると、マッキンリーさんも来てくれた


マッキンリー「さすがだ、感動した」

ペディス「素敵でした!本当に感動しました!」


「ありがとうございます」

王都の商業ギルドマスターであるマッキンリーさんと、副ギルマスのペディスさん

そして・・・「感動しましたー!」と涙している、王城魔導士のセリーネさん


「みなさん来てくれて本当に嬉しいです。ありがとうございます」


ダスティン「初日のは大成功と言ってもいいな。このまま頑張って欲しい」

「はい、頑張ります」

マッキンリー「もし何か問題があれば相談にのる。いつでも言って欲しい」

「ありがとうございます。助かります」

セレネータ「町で宣伝中に絡まれていたと聞いたけど、それは大丈夫だったの?」


「あ、ご存じだったんですね」

びっくりだ、そこまで問題になっていないと思っていた


ダスティン「どこぞの男らしいが、言ってくれればシメておくぞ?」

「いやいやいや、そこまでしてもらうほどじゃないですよ。それにそのおじさんは今日見に来てくれて、仲直りした所です」


セレネータ「仲直り?襲ってきた男でしょう?」

ぷりぷりと憤慨している


「まあ、そうなんですけどね。自分が知らない、理解の及ばないものには敵視する人が多いですからね。そのおじさんも、今日の公演を見て考えを改めてくれたようです。また見に来るって言ってくれましたし、お花もくれたんですよ」


ダスティン「ほぉ・・・それは面白い」

セレネータ「襲っておいて、随分と図々しいわね」

まだぷりぷりと怒りが収まらない様子だ


「そうですね。でもケンカがしたい訳じゃないんです。みんなが素敵な事を知って欲しいので・・・そのための王都公演です」


ハーシェリア「まさしく思い通りになったという事ね、ふふふ」

「はい、もっとああいう人が増えて、偏見が無くなればいいなって思っています」


ダスティン「・・・そうだな・・・国王にも見てもらわんとな」

ハーシェリア「その通りだわ、あの子にも見せてやらないとね!」

セレネータ「いつ来られるのかしら?」

ダスティン「中ごろの公演だと言っていたな」


「そうなんですね。今の所は大丈夫そうですが、何か問題が起きた時は相談させて下さい」

国王が来るとなると、揉め事は絶対に起こしたくない

未然に防げそうなら公爵家の力も貸して欲しい


ダスティン「ああ、もちろんだ。護衛にはガロルドがいるだろうが、こちらも騎士を常駐させておくからな。何か困った事があればリーヴァか騎士達を通じて連絡してくれていい」

ハーシェリア「あら、そんな事をしなくても、私が通いつめますもの。私に直接言ってくれればすぐに対応するわ。公演を邪魔するなんて許せません」


「ふふふ、ありがとうございます。心強いです」


こうして無事に公演を終わらせて、みんなで屋敷へと帰る


今日は約束のすき焼きなので、キッチンへ向かいメイドさん達に

夜ごはんについて話をする


メイド「すきやき?ですか?」

「はい、みんなが食べたいというので手伝ってもらえませんか?」

全員分を一人で作るのはさすがに大変なので


メイド「もちろんです。何をすればよろしいですか?」

「野菜を切ってもらうだけで大丈夫です」

メイド「わかりました」


お手伝いをしてもい、野菜を切ってもらう

私はお肉の薄切りを大量生産だ、今日は豚も使おうかな?

豚のすき焼きも美味しいんだよね

豚のロースも薄切りにしていく

牛肉はたくさん持っている、赤牛の良い所をたくさん切った


「これだけあればいいかな」

メイド「これだけでよろしいのでしょうか?」

「はい、あとはお鍋で煮込みながらみんなで食べるので」

メイド「私達は給仕しなくてもよろしいのでしょうか?」

「はい、あ、良かったら一緒に食べませんか?たくさんお肉もありますし」


メイド「は?一緒に・・・?」

かなり驚いている


「今日は公演も上手くいったし、お祝いなので、せっかくならみんなで楽しみたいです」

メイド「しかし・・・・私達は仕事が・・・」

「夜ごはんぐらいいいじゃないですか。給仕しなくていいなら一緒に食べれませんか?」

メイド「それは・・・・」


かなり悩んでいるようだ

もしかして一緒に食べちゃダメとかルールがあるのかもしれない


「もし一緒に食べたらダメってルールがあるのなら諦めますが、ダメじゃないなら一緒にお祝いしてくれませんか?」

メイド「お祝い・・・・・なら仕方ありませんね」

「やったーーー!絶対みんなで食べた方が美味しいと思うんですよねー」

メイド「ふふふっ、面白い方ですね」


大げさに喜んだからだろうか、笑われてしまった


大きな食堂にすき焼きの準備をして、全員が席についた


「みなさんお疲れ様でした!王都公演初日は大成功!これもみんなの頑張りのお陰です。そしてお祝いのすき焼きはガロルドのお陰!今日はいーーーっぱい食べてね!かんぱーーーい!!」


「「「「乾杯!」」」」

明日も公演があるので、お酒は無しだけど

梅ジュースを振舞った

コップをこつんと当てて乾杯をする


私の近くにはメイドさん達が座っていて、みんなとコップを当てた

どうして私がメイドさん達をはべらせているかというと、食べ方をレクチャーするためだ


「こうやって、卵を溶いて・・・・ここにつけて食べるんです」

メイド「これは・・・・生の卵で大丈夫なんでしょうか?」

「はい、これはしっかりと浄化をかけた新鮮な卵なので、あ、でも普通に売っている卵は絶対にしちゃダメですよ」


メイド「ですよね・・・・・」

これはしっかりと除菌された新鮮な卵なのでいいのだ

生の卵に抵抗感があるのは仕方ない、『生卵は駄目』は一般常識だから


しかし、他のみんなが美味しそうに食べているのを見て

メイドさん達も目を瞑ってパクリと食べてくれた



もぐもぐと咀嚼して

メイド「おいしい・・・・美味しいです!」

「でしょ?ほら、お肉たくさんありますから。いーっぱい食べましょうねー」


メイド「ありがとうございます。あ、お肉は私が入れますから」

「だいじょうぶ、だいじょうぶ。私にお肉を入れさせたら絶対美味しくする自信がありますから」

ドヤ顔でそういうと、笑われてしまった


メイド「ではお任せしますね。これはまた・・・・美味しそうです」

赤牛の霜降肉を程よく火入れしたら、ぷるぷるつやつやでもうたまらない

メイドさん達も目が釘付けだ


「ほら、言ったでしょ?お肉を美味しくする天才なんだから」

メイド「ふふふ、お任せして正解でした」


そんな話をしつつ、3匹にもお肉を給仕して

満足いくまですき焼きを堪能した


こんなお祝いならいつでもしたいな

ガロルドに感謝だ!


ありがとござした!

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