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生きてて良かったと 思いたい私の異世界転生  作者: 蒼氷


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いよいよ、王都公演初日!

「もうちょっと広がって!そう!広く使ってー」


舞台の前に立ち、演者の位置を指示する

いつもの劇場よりも広いステージに、演者もまだ慣れていないので

入念にリハーサル中だ


朝から劇場へ来て、魔道具などを設置したあと

ずっとリハーサルを繰り返している

特にカケッチさんは音響の確認で走り回っていた

どうやら、広い劇場内に満足いく音響が見つけられていないらしい

初日なので仕方ない


私も自分が出る演目の時は一緒にステージに立ち、動きを確認した


最後に通しでリハーサルをして

カケッチさんも満足行く出来だったらしい

良かった


カケッチ「これで問題ないだろう。ルラの方も大丈夫か?」

「はい、あとは本番だけですね」

カケッチ「大丈夫だ、あれだけ練習してきたからな」

「ですね、頑張りましょう」

カケッチ「ああ」


控室に戻ると、みんなが落ち着かない様子だ


「みんな大丈夫そう?」


ハルマ「緊張が・・・」

ライラ「さすがに緊張しちゃうー」

メイラ「だよねー」


「やる事はいつもと変わらないから、大丈夫だよ。いつも通り頑張ろう」

「「「「はい」」」」

返事は返ってくるけど、それでも緊張はする


自分も準備の為に着替える

ガロルドからもらったドレスだ

あと1時間ほどで開演なので、そろそろお客さんも入ってくるだろう


ガロルド「緊張していないのか?」

「うん?緊張は・・・してるけど、まあ大丈夫かな。やる事はいつも通りだし」

ガロルド「そうか、俺はステージ袖にいればいいのか?」

「あ、ガロは護衛目的もあるからステージの下に居て欲しい。専用の席を用意してあるから、後で案内するね」

ガロルド「わかった」

「みんなも良い子にしててね」

「みゃうん」「きゅう」「きゅぃ」

3匹を撫でて、ほっこりとする


ステージに上がって来るような事はないだろうけど、それでも護衛は置いておきたい

最強の護衛ガロルドだ


安心感が半端ない


着替えてストレッチしていると、劇場のスタッフが傍に来た


スタッフ「そろそろお客様を入れますがよろしいですか?」

「はい、お願いします」

スタッフ「わかりました」


いよいよお客さんが入って来るらしい


舞台衣装に羽織を着て、劇場の入り口が見える2階へいく

窓から下を見れば、受付にたくさんの人が並んでいた


「わぁ、想像より多いかも・・・」

馬車もたくさん並んでいるので、遅刻しないように早めに来てくれているようだ

予告してたから、常識のある人はやっぱり早く来てくれるよね


控室に戻ると、みんながこっちを見る


「劇場の入り口を見て来たけど、お客さんがいっぱい来てたよ。楽しみだねえ」

ドーラ「楽しみって・・・」

ジャスティン「ルラさんは緊張しないんですか?」

「緊張してるよ?程よく。もうここでもがいても仕方ないしね、あとはやるだけだよ」

ジャスティン「やるだけ・・・・」

カケッチ「ルラの言う通りだな。みんな十分練習した。あとは見せてやるだけだ」


「「「「はい!」」」」


みんなの目に力が漲った気がした

年長者であるカケッチさんの言葉には説得力があるようだ


私もいつかそんな風になりたいな



時間が経つにつれて、客席からざわざわとした声が聞えてくる

お客さんも大分入って来ているみたいだ


アイラ「もうほぼ満席だよ!凄い人がいーっぱい」

どうやら見て来たらしい


メイラ「お客さん来てくれて嬉しいけど・・・」

ライラ「さすがに緊張するね」

「3人はいつも最初だもんね、大丈夫。パチュリーからいつも来てくれてる冒険者さんも『絶対に見に行く!』って言っている人がいたから」


アイラ「本当?」

メイラ「ええー、すごーい」

ライラ「ここまで来てくれるんだ・・・」


「そうそう、イーラのファンは熱心な人が多いからね。きっと今日もサイリウムを振ってくれるんじゃないかな?」

ライラ「そう思ったら何か元気出て来たかも」

メイラ「だね!頑張ろう!」

アイラ「そうだね」


3人は、いつものファンが来てくれると聞いて勇気が湧いて来たらしい

アイドルはファンが居てこそだもんね


全員の準備が整った所で、いつもの円陣を組む


「まずは・・・みんなここまで一緒に来てくれてありがとう。みんなが居なかったら実現しない事だった」

みんながビックリしたような顔でこちらを見ている


「最初はみんなの価値を知って欲しくて始めた事だったけど、今ではそんなの関係なく楽しめてる。みんなと一緒に舞台に立てて良かった。だから・・・もっと欲張りたくなった。世界中の人たちに知って欲しい、『こんな事が出来るんだよ』って」


カケッチ「そうだな、どうせならもっと広めてやりたい」

エイコーン「ふふふ、楽しくなってきましたねぇ」


「うん、ここは通過点だよ。これからもっとたくさんの人たちに見てもらえるように広げて行こう」

「「「「はい!!」」」


「じゃあいくよーー!1,2,3!!」

「「「「おお!!」」」


最後の気合いを入れて、舞台袖に移動する


ブァーーーーーーーン!

開演の音が鳴り、劇場内が暗くなっていく


深呼吸をしてから、舞台の真ん中へ歩いていく

照明が私を照らすので、眩しくて舞台があまり見えないけど

たくさんの人の気配がする


「本日はバーレスクの公演にお越しいただき、誠にありがとうございます。私達はパチュリーを拠点に劇場公演をしており、獣人、亜人などの種族関係なく活動しているのが魅力です。多種多様な人がいるからこその良さがあり、得意としている事も違います。この舞台で行われる事は、それが生み出す芸術の一種だと私は思っています。ここでしか見れない舞台をお楽しみ下さい」


ゆっくりとお辞儀をすると、拍手が聞えて来た

どうやら温かく迎えてくれているらしい


舞台袖まではけると、軽快な音楽が始まり

ステージが証明で明るくなる


舞台袖から飛びだしていったのは、イーラの3人


ライラ「みなさーーーん!こんにーちーわーーー!」

メイラ「はーーい!私はメイラ!」

アイラ「私はアイラ」

ライラ「私がライラ、3人合わせてイーラ!って言います!よろしくねー♪」

元気に挨拶する3人


「ライラちゃーーーん!」「メイラちゃーーーん!」「アイラちゃーーーん!!」

客席からは野太い声援が聞えてきた、どうやら常連が本当に来てくれたらしい

イーラの3人も笑顔で観客席に手を振っている


ライラ「大きな舞台で緊張してますけど、頑張って歌うので聞いて下さい!」

最初歌うのはマニくんが作った曲だ


『欲しいのは♪』『美味しいスイーツ♪』『ふわふわ布団♪』

『みゃ~お♪』『みゃ~お♪』『みゃ~お♪』


「「「「みゃ~お♪」」」」

客席からコールが返ってくる

どうやら常連さんが一緒に歌ってくれているらしい


繰り返す所で、子供達の声も聞こえてきた

やっぱり掴みはアイドルがいいね、可愛いし最高だ


2曲目も楽しそうな雰囲気で歌い切り、舞台袖に戻って来た

「おつかれー、凄く良かったよー」

ライラ「はあー、緊張した!」

アイラ「楽しかったね」

メイラ「うん!」


「次はロコくんだね」

ロコ「うん、行ってくるね」

「頑張って」


今日のロコくんは白のスーツに、胸にはバラの花を挿している

まるでどこぞの王子様のようだ


堂々とステージの真ん中に立ち、音楽に合わせてゆっくりと歌い始める


『聞こえる?♪』

ゆっくりとした歌い出し

歌声に合わせて、伴奏が流れてくる


この歌を聴くと、出会った時の声が出せなかったロコくんを思い出す

体も大きくなって、声変わりもして

今では大人と変わらない見た目だ


どんどん王子様っぽくなっていく見た目に、人気も上がる一方

今では演者の中で一番稼いでるんじゃないかって言われている


成長を感じて、胸が熱くなる


歌い終わると、観客席から歓声が起こった


「「「わぁぁぁっ!」」」

拍手が鳴り響いて、ロコくんの歌が王都でも認められた瞬間だった


2曲目は、18歳になる若者達の為に作られた歌だ

『自分を誤魔化して生きる事に意味はあるのか』そう問いかける


ロコくんの声が劇場の中に響く、『何を言われようが、挫けない♪僕たちはみんな♪』


歌い終わったあとに、シーンと静かになったあと

どっと会場が沸いた


「「「わぁぁぁ!!」」」「いいぞー!」「もっと歌ってくれーー!」

鳴りやまない拍手の中、ロコくんが舞台袖に戻って来た


「お疲れ!凄く良かったよ!」

ロコ「ふふ、楽しかったよ」

笑顔でそういうロコくんは、もう大御所のようだ


次はポールダンスだ、パペッティさんが舞台の真ん中まで歩いていく

今日のパペッティさんは真っ赤なドレスを着ていて、とてもゴージャスだ


しっとりと歌うパペッティさんに合わせて、ポールを使い踊る3人

真ん中のポールはカンスさん、左右のポールにはツェルさんとチュリさん

長くて薄いストールを靡かせて回る3人は、優雅に泳ぐ金魚のヒレのようで綺麗だった


あっという間に1曲が終わり、2曲目はアップテンポな曲になる

今度は3人が走ってポールに捕まり、ぐるぐると激しく回る

ポールを揺らしながら踊り、さっきとは打って変わって激しい


ポールを滑り落ちて、地面すれすれで止まる技には

観客席から「「「おぉぉぉぉー」」」という声が聞えてきた


始めて見るとビックリするよね


2曲目をやっている間に私は例の新衣装に着替える

どこかの女王様風で、鞭でも振り回してそうに見える


少してこずりつつも着替え、双剣を腰に付けた


舞台袖に戻ると、2曲目が丁度終わる頃で

お辞儀をして、4人が舞台袖に戻ってきた


「お疲れ様。交代だね」

パペッティ「行ってらっしゃい」

手をタッチして、入れ替わりでステージに進む

完全に暗転したステージに立ち、しゃがむ


音楽に合わせて、照明が私を照らす

舞台の端ではロコくんが歌う


『君の匂いは、帰る場所♪』

どこかの民謡かのような歌で、君の命と引き換えのこの身で

形のない君に届けと、祈って唄う

そういう歌詞が古い言葉で歌われている


かなり高い歌だけど、ロコくんが歌うのがいいのだ

しっとりと、でも力強く歌う声に合わせて双剣を抜いて立つ


ゆっくりとした音楽に合わせて、双剣を振るって踊る

くるくる、くるくると回り

双剣の軌跡が花びらのように見ているはずだ、何度も練習してそう見える動きを作った

広い舞台を自由に動き、ゆっくりと動き、時に激しく回ってみたりもした


振付を決めようとしていたんだけど、結局最初と最後だけ決めて

あとは感覚で踊る事にした

これはみんなの意見を聞いて決めた

どうやら、私が自由に動いた方が綺麗に見えるらしい

自分では見えないので、その意見を即採用だ


決して振付を覚えるのが面倒だったわけじゃない


歌の終わりと共に最後の決めポーズをすると

次の演奏が始まる、ステージは明るくなり

チュリさん達が出て来て、ポールに掴まり上に登っていく


ドラムの音から始まり、それに合わせて激しく回る

もう花ビラの形にも見えないだろう


それでもサビに向けて、どんどんと激しく回る


『花になって♪』

アップテンポな曲に合わせて、舞台を自由に走り、飛んで

もうダンスなのかどうかもわからないだろう

これは剣舞のつもりでやっているけど、見ている人はどうなんだろうか

自分でも見てみたいぐらいだ


時折、ポールダンスしている3人の綺麗なストールが視界に入るけど


このままでいいのかもわからなくなってきた

思うがままに音楽に合わせて双剣を振るった


そして曲の終わり、舞台の中心で激しく回った後に高くジャンプしてバック宙

格好良く着地したあとに、双剣をくるくると回して同時に納刀した


しーん、と静かになった


あれ?と思って前の観客席を見ると


「「「「わぁーー!!」」」

「すげえ!」「なんだアレ!」「何がどうなって?」「かっこいいー!」

凄い歓声が聞こえてきた


どうやら変ではなかったらしい


お辞儀をして舞台袖まで戻ると、みんなから「今までで一番すごかった」と言われた


えー。

それは自分でも見たかったなー


ありがとござした!

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