道路作りは続くよどこまでも
ガロルド「それは大変だったな」
「だよね、絶対視察のためだけじゃなかったよ、あれは」
夜ごはんを食べながらガロルドに、今日あった事を報告する
ガロルド「カレーが食べたくなるのはわかる」
「そこ?」
ガロルド「あれはクセになるからな、この前の鳥を使ったカレーも美味かった」
「確かに・・・あれは美味しかった」
個人的にも一番好きなのはチキンカレーだ
ポークもビーフも好きなんだけどね、一番良い出汁が出るのはチキンの気がしている
ガロルド「元々人員を増やしたかったんだし、それほど悪い話でもないんじゃないか?」
「そうなんだけどね、やっぱり人が増えるとハンクスさんとかリーヴァさんの負担が増えるじゃない?」
ガロルド「確かに・・・」
「パチュリーは2人がいるけど、トレールの拠点はタウタさんしかいないしねー、もう一人責任者的なポジションの人が欲しいかな。ダタンヤリムさん達にはそんな事頼めないしね」
ガロルド「それもそうだ」
ダタンヤリムさん達には、連れて来た子供達の面倒を見てもらっている
ラジャの調査で探し出した子達は全員連れて来たけど
その子の身元を探すには時間がかかるし
ノースリムさんには拠点のお金の管理を任せている
今でも任せすぎなんじゃないかと思っているので、いつかは誰かに任せたいとは思っている
でもまだ見つけられていないのが現状だ
「とにかく、戻ったら拠点の拡張をしないとだ」
ガロルド「3階を作るってやつか?」
「そうしようと思ってたんだけど・・・梅酒を作るってなると地下室も必要だから・・・拠点自体を大きくしないといけないかも」
ガロルド「まあ、いいんじゃないか?トレール伯爵も断わる理由がないだろう」
「そうかもね、ま、OKが出たら拡張しようかな」
元々拠点をリフォームしようと思っていたので、いい機会だ
トレール伯爵から許可が出たら、拠点の改造をしよう
やる事が増えてしまったので、道路作りをさらに急ぎたい
魔力が尽きる気がしないので、夜ごはんを食べた後も作業をしているお陰で
予想よりも早いペースで進んでいる
10日目を過ぎた所で、王都に到着した
「やっとここまで来たー」
ここでやっと半分だ
同じペースで進めば20日で完了する事になる
1月で完成が目標だったので、良いペースだ
せっかく王都まで来たけど、寄り道している時間も惜しいので
ガロルドに買い出しを頼み、自分は道路作りに没頭した
王都を過ぎて、道路を作り続けていると
夜にお客さんが来た
夜ごはんを食べてから、お茶を飲んでゆっくりとしていると
バサバサという羽ばたきが聞こえてきた
目を凝らして空を見ていると、だんだんと輪郭が見えて来る
それは大きなフクロウ
「ミノンちゃんだ!」
ガロルド「久しぶりだな」
目の前にふわりと着地したミノンちゃん
「ホゥ」
「久しぶりだねー、元気?」
「ホゥ」
元気そうだ
ミノンちゃんとおしゃべりしていると、ふわふわの羽毛の中から手が伸びて来た
パドロント「お久しぶりですー。お元気でしたか?」
「パドロントさんもお元気そうですね、私達は元気ですよ」
ガロルド「久しぶり」
パドロント「それは良かったです。これが噂の道路ですねえ」
「はい、カンリンまでの道路を作っています」
パドロント「見事ですね、これがあれば私の輸送もいらないのでは?」
「いやー、ミノンちゃんの方が絶対早いですよ」
「ホゥ」
心なしか誇らしそうなミノンちゃん
パドロント「そうだね、ミノンに勝てるフクロウはいないだろうね」
どうやら、フクロウの中では一番早い・・・みたいな事を言っているらしい
可愛い
パドロント「私は丁度カンリンまで品物を取りに行く所でして」
「そうなんですね。輸送は順調ですか?」
パドロント「ええ、何も問題なく輸送できています。里も輸入品が増えて、食事面はとても豊かになったと思います」
「それは良かったですね」
パドロント「ええ、特にワサビは大人気でして、どれだけ輸入してもすぐに無くなってしまうほどです」
「そうなんですね。山葵美味しいですもんね」
パドロント「私も大好きですから。輸送する者の特権として多めに買わせてもらっています」
「ふふふっ、それはいいですねえ」
ガロルド「急いでいかなくて良いのか?」
ミノンちゃんは夜しか飛ばないので、ここで話をするほど到着が遅くなる
パドロント「そうですね、また今度ゆっくりお話ししましょうねー」
「はい、またー」
ガロルド「またな」
手を振ってバイバイをする
運が良ければ、戻る時にまた出会えるだろう
カンリンのエルフ輸送は上手く行っているようで良かった
何だかんだあって、最後まで手伝えなかったので
ちょっと心配していたのだ
フルリルトさんがいるから大丈夫だろうけどね
ガロルド「カンリンのダンジョンに時間があれば潜りたいな」
「だね、頑張って道路を完成させないと!」
ヤル気が出て来た
ガロルド「ふふ、ほどほどにな」
「うん」
より気合いが入り、翌日からさらに集中して道路を作り続け
「あれがカンリンじゃない?」
ガロルド「本当だ、見えたな」
「やったー、終わりが見えてきたー」
ここまでずーっと同じ作業で、かなり飽きて来た所だったのだ
カンリンのダンジョンに、もうすぐ行けると思うと嬉しい
ガロルド「あと少しだな、頑張れ」
「うん、頑張るー。ガロはリオーリオに行かなくていいの?」
ここからは、ガロルドの故郷も近い
これを逃せば次はいつ帰れるのか、わからないだろう
ガロルド「うーん」
「顔を見せて来なよ。前回町に行ってから大分経ってるし」
ガロルド「そうするか、明日ちょっと行って来る。アルジャン連れて行ってくれないか?」
「きゅぃー」
「いいよだって。良かったね」
ガロルド「ああ、ありがとう」
「うん。楽しんで来てね。泊まって来ても良いからね。お土産は欲しいな!」
ガロルド「了解、買えるだけ買ってくる」
「やったー」
翌朝、ガロルドはアルジャンに乗って里帰りに出発
アンディーとアスターはお留守番
私が道路を作っている傍で、アンディーは走りまわっている
「アンディー、遠くまでは行っちゃ駄目だよー」
「みゃうーん」
話を聞いているのか、いないのか、そんな返事だ
大丈夫かな?
「アスター、アンディーが遠くに行かないか見ててくれない?」
「きゅい?」散歩にいく?
「うーん、行ってもいいけど。ちゃんと帰って来れる?」
「きゅいきゅぃ」大丈夫
「そう?じゃあちょっとだけね、なるべく見える位置にいてね?」
「きゅい!」
いい返事をして、アンディーを連れて遠くへ行ってしまった
「私の視力では追えないかな・・・」
見える所に居てって言ったのに・・・まあ、探知でわかるから大丈夫だけど
ガロルドっていつも散歩どうしているんだろう?
全力でついて行ってるのかな?
道路を作りつつも、2匹がどこかに行っていないか時々確認して
黙々と作業していると、2匹が森の中に入って行った
「大丈夫かなー?」
森の中を走り回っているようだ
気にはなるけど、これも勉強だろう
危険じゃない限り、そのままにしておく事にした
お昼になり、そろそろご飯をたべようかなー?と思っていると
薄汚れた2匹が帰ってきた
「わぁー、随分汚れたね。いっぱい遊んできた?」
「きゅい!」「みゃう!」
「そう、楽しかったなら良かった」
「きゅぃきゅいー」
「え?ついて行けばいいの?」
「みゃう!」
2匹に促されるまま、森の方へついて行くと・・・・
「なんだーこれは・・・・」
山盛りの魔物・・・・の死体
「みゃう!みゃうっ!」
「きゅぃいー」
「そ、そう。全部狩ったんだねー。凄い・・・・ねー」
魔物の山を走りまわったり、飛び回ったりで自慢してくれる
これはあれだな、飼いネコが枕元に獲物を持って来てくれるみたいな
そういうやつだ
懐かしいなー
バッタとかねずみとか咥えてみせてくれたな・・・・セミが一番嫌だったなー
ちょっと現実逃避したけど、これは褒めるべきだ
2匹をめいっぱい褒める
「すごいねー、可愛くって強くって最高だねー。えらいえらい」
撫で回して、褒めて、褒める
みゃうみゃう、きゅぃきゅぃと嬉しそうだ
なんか見た事もない魔物もいるけど、全部収納に入れておく
これは全部冒険者ギルドに投げよう、そんで美味しいお肉になるやつだけもらおう
それがいい
そういえば、ガロルドが「3匹が狩りしまくるから、金が貯まりまくる」って言っていたな・・・
こういう事か・・・これを毎回って事は
道路を作り始めてかなり経つから、相当貯まっていそうだな・・・
帰ってきたらちょっと聞いてみようかなー
2匹を連れて帰り、お昼ご飯を食べたあとはお昼寝をしていた
置いていくわけにもいかないので、アスターはフードの中
アンディーは抱っこ紐なんだけど、大きくなってきたから結構大変だ
でっかい赤ちゃんだなー
寝顔はめちゃくちゃ可愛いけどね
結局その日はガロルドは帰って来なかったので、きっとやる事がたくさんあるんだろう
しばらく会ってない人たちばっかりだもんね
そして、翌日のお昼過ぎにガロルドが戻ってきた
疲れた顔をして
「おかえりー、なんか疲れてない?大丈夫?」
ガロルド「色々と大変だった・・・・」
「え?何か問題があったの?」
ガロルド「・・・・俺一人で帰ったから『ルラはどうした!』ってみんなに言われた」
「へえ、それが大変だったの?」
ガロルド「ああ、『ルラに捨てられたのか』『どんな悪い事をしたんだ』『浮気でもしたのか』って質問攻めでな・・・違うって何度も説明したのに聞いてくれなくてな・・・帰ってこれなかった・・・」
「あー・・・・それは大変だったね・・・」
ガロルド「・・・・・もう一人では帰らない」
「アハハ、そんな事もあるんだね。じゃあ次は一緒に行こうね」
ガロルド「・・・いいのか?」
「もちろん。私もみんなに会いたいしね」
ガロルド「約束だぞ」
「あはは、了解!約束ね!」
次に帰る時は一緒に行こうと約束をする
指きりをして
「約束破ったら」
ガロルド「剣100本飲ます、だ」
「あはははっ、懐かしい」
ガロルド「そうだな」
いつかのあの時も約束をした
一緒に旅を始めた最初の方だ
これからも他愛もない約束がしたい
ずっと一緒に居れるように
ありがとござした!




