屋台ご飯と、商業ギルド
シャールと話をした後は、お昼ご飯を屋台で食べた
昔の屋台とは違って、色んな種類のものが売られていた
これもポルモットさんが尽力してくれたんだろう
「昔と全然違うなー」
ガロルド「そうなのか?」
「うん、昔は串焼きと、スープくらいだったよ」
味付けもほぼ塩のみだったしね
ガロルド「どれから食べようか迷うな」
「うん、すんごくいい匂いー」
私が手紙で書いた料理はだいたい屋台で出しているみたいで
焼きおにぎりと、ショウガ焼きは特に良い匂いが漂ってくる
「焼きおにぎり食べたいな」
ガロルド「じゃあ、俺はショウガ焼きを買ってこよう」
「うん、分担で買って来て食べよう」
ガロルド「俺は焼きおにぎり5個は食べたい」
「OK、多めに買ってくるね」
分れて屋台に並ぶ
丁度お昼時なので、お客さんも多い
焼きおにぎりは醤油が塗られて、凄く香ばしい匂いが漂っている
おじさんから、今焼けている分全部を買って戻ると、ガロルドもたくさん買って来ていた
ガロルド「こっちも美味そうだったんだ」
「いいね」
見た感じ、醤油ベースのタレがかかった串焼きだ
醬油料理はかなり浸透しているらしい、これも現地で生産に踏み切って
一気に広まったおかげだろう
道の端に寄って、お皿に買って来たものを並べて、3匹には先に食べてもらう
私のお皿にも、焼きおにぎりに、生姜焼き、串焼きが乗っていて
醤油尽くしだ
「いただきまーす」
最初は焼きおにぎりにかぶりついた
外はカリっと、中はホクっと
「おいし!」
ガロルド「香ばしいな、美味い」
「ね、自分であんまり作らないけど、今度作ろうかな」
ガロルド「いいな」
普通のおにぎりばっかり食べてたけど、たまには焼きおにぎりもいいな
今度カツオ節入りで作ってみようかな
生姜焼きはショウガ強め、串焼きは醬油ベースにニンニクが効いていた
「どれも美味しいね!」
ガロルド「ああ、ショユーが使われているものが多いな」
「最近町に普及したらしいんだ、私が書いた手紙を読んで、町で生産する事にしたって言ってたから」
ガロルド「ここ1,2年で普及したんだな」
「うん、この国はダンジョンもないし、スパイス類も種類が少なくて、料理もあんまりできなかったんだよね」
ガロルド「だから旅で色んな調味料を探してたんだな」
「うん、調味料が増えればもっと美味しい物が作れるかも知れないからね」
ガロルド「じゃあ、旅はつづけないとな」
「うん、出会った事がない美味しい料理ももっと知りたいな」
ガロルド「楽しみだな」
エルフの里で食べたみたいに、異国料理風のものも食べたい
きっと未知のものがまだまだあると思うんだ
次に旅立つのを楽しみに、今ある料理を楽しんだ
そして、お腹が満たされたら商業ギルドへ
受付で、「ポルモットさんに挨拶したいんですけど、お忙しいでしょうか?」と声をかける
受付「どちら様でしょうか?」
「ルラです。アルノーラと言ってもらえればわかるかと・・・・」
受付「アルノーラさん!おキレイになっていたので気づきませんでした!確かに!今すぐお呼びします!」
どうやら大きくなった私に気付かなかったらしい
私だとわかった途端に立ち上がって走って行ってしまった
ガロルド「どうしてあんなに急いでいるんだ?」
「どうしてだろうね?いつからかあんな反応になっちゃったんだよね」
ガロルド「・・・・・何かしたんだろうな」
「えー、商品登録ぐらいだけどなー」
ガロルド「それだろう」
それだけで、あんな感じになる?疑問だ
しばらくして、走ってくるポルモット(?)さん
ポルモット「ルラさーーーーーん!お久しぶりです!」
「お久しぶりですポルモットさん!雰囲気が変わりましたねー」
目の前に現れたポルモットさんは、私が知っているポルモットさんではなかった
ポルモット「いやー、ルラさんが教えてくれた美味しい料理を食べ過ぎて太りすぎまして、医者からこれ以上太ると死ぬと言われてしまって・・・・それから死ぬ気でダイエットして、今現在ここまで絞れました」
そうなのだ、ポルモットさんは痩せた
どころか、ムキムキになっていた
「見違えましたよー」
驚きだ
ポルモット「ふふふっ、美味しい料理を食べ続けるためですからね!立ち話もなんですから部屋へ行きましょう」
「はい」
ポルモットさんの後ろについて、いつもの商談部屋へ向かう
どうやらポルモットさんがダイエットした理由は、美味しい料理を食べ続けるためらしい
良い心がけだとは思うが、食べ過ぎは良くない、ほどほどにして欲しい
部屋に入り、ソファに座ると、お茶を持った人とギルドマスターが入ってきた
ガゼテロ「久しぶりだな、帰って来たと聞いて会いにきた」
「お久しぶりです。お元気ですか?」
立って挨拶をして、握手をした
商業ギルドマスターのガゼテロさん、相変わらずダンディーだ
ガゼテロ「ああ、元気だとも。君のくれた手紙のおかげで町の食が変わったよ、ありがとう」
「あ!醤油を町で作っているそうですね!」
ポルモット「ふっふっふー、ショユーだけではありません。ルラさんが教えてくれたものは全て町へ取入れました!」
「凄いです!」
ガゼテロ「大変だったが、とても良い商談だったな」
ポルモット「ええ!こんなに充実したのはルラさんのお陰です」
「ふふっ、私は教えただけなので、町に導入できるまで持っていったのは商業ギルドの力ですよ。素晴らしいです」
ガゼテロ「女神からのお褒めの言葉、ありがたく受け取ろう」
ポルモット「そうですね、これからもよろしくお願いいたします」
2人ともにこにことしているが、どういう事だってばよ・・・・
「女神って・・・・・そんな大層なものじゃないですよ」
ガゼテロ「またまた謙遜を・・・・私たちはそう呼んでいるよ」
ポルモット「ええ、商業の黄金の女神ですからね」
「ええー・・・・恥ずかしい」
そんな呼ばれ方をしているなんて、知らなかった・・・・
ガゼテロ「で?こちらの男性は?もしかしてご結婚したのかな?その報告だろうか」
「いえいえ、こちらは私がパーティを組んでいますガロルドです。今はSランクパーティ『アルラド』として活動してまして」
ガゼテロ「ほー、ルラさんのパートナーとは・・・・私は商業ギルドマスターのガゼテロだよろしく」
ガロルド「ガロルドだよろしく」
ポルモット「食品担当のポルモットです。以後お見知りおきを」
握手をして挨拶をしているが、2人の目線が厳しい
ガロルドが何かしたかな?
ガゼテロ「初対面で申し訳ないが、ルラさんとはどういったご関係で?」
「は?」
ポルモット「ええ、彼女の恋人ですかな?」
ガロルド「まだ認めてもらってはいないが、いずれは結婚したい」
ガゼテロ「まだ認めてもらってはいないとは?」
ポルモット「恋人ではあるという事ですかな?」
視線が厳しくなる2人、どうしてそうなるの!
「恋人でもないし、結婚の予定もないですよ!」
止めないと大変な事になりそうなので、割って入る
ガロルド「俺の片思いだ」
ガゼテロ「ほほー、見る目はおありだ」
ポルモット「ですね、問題は彼女が選ぶに値するかですね」
何の話だ!
そこで、ノックの音と共に人が入ってきた
キール「アルノーラさんが来ていると聞いて!」
ギルギス「こら、騒がしいぞキール。久しぶりだなアルノーラさん」
入ってきたのはテンション爆上げの、ポーション担当キールさんと
キールさんを窘める、年配の魔道具担当ギルギスさんだ
「お久しぶりですー、お元気でしたか?」
立ち上がって挨拶して、握手する
キール「元気です!来ていると聞いて会いに来ました!」
「ありがとうございますー、元気そうで良かったです」
キールさんは元気いっぱいのようだ
ギルギス「そっちも元気そうだ」
「はい、元気ですよ。Sランクになるぐらいには」
キール「Sランクに!」
ギルギス「それは凄いな」
「ふふっ、こっちで座って話をしましょう」
そう誘ったものの・・・・・
ガゼテロさんは腕を組んで、ガロルドをじっと見ている
ポルモットさんもいつも通りにこにことしているが、ガロルドから視線を外さない
キール「えーーっと、どういう状況で?」
ギルギス「この男は?」
「あ、こちらはガロルド、私が今パーティを組んでいる人です」
ギルギス「なるほど?ではこちらもSランク冒険者って事か」
「そうです」
キール「2人だけのパーティなんですか?」
「あとは従魔がいますよ」
ガゼテロ「ほー、従魔が」
「はい、出してもいいですか?」
ガゼテロ「ああ、是非」
「出ておいで―」
商業ギルドで歩いていると、ダメかと思って抱っこしたままだったけど
OKをもらったのでアンディーを出す
アスターとアルジャンも肩に出て来た
ギルギス「これは・・・・」
キール「随分と可愛らしいですね」
ポルモット「2人きりというわけではないのですね」
ガゼテロ「ドラゴン・・・・・」
みんなそれぞれの反応だ
「みんな可愛くて強い従魔なんですよ」
ガゼテロ「まあ、常に2人きりでないのがわかって良かった」
ポルモット「そうですね、ルラさん気を付けて下さいね」
ギルギス「こいつは恋人なのか?」
キール「ええ!恋人なんですか?」
また、話が戻ってきてしまった
「恋人ではないです」
ガゼテロ「片思いらしいぞ」
ギルギス「ほー、見る目はあるな」
キール「そうですねえ、ルラさんがお嫁さんなら最高ですね」
ポルモット「激しく同意しますが、お付き合いしていいかどうかは別の話です
ガゼテロ「違いない」
ギルギス「そうだな」
キール「駄目なんですか?」
ポルモット「どんな男かわかりませんから」
ガロルド「俺はルラを傷つけたりしない」
ガゼテロ「口では何とでも言えるからな」
ポルモット「そうです、ルラさんを傷つける男は許しません」
キール「それはダメです。絶対」
何か変な話になってきたな・・・・・
「あのー・・・・旅の間に手に入った食材・・・・気になりません?」
「「「「気になる!!!」」」
よし
「じゃあ、試食会しましょうか。ガロもどこで手に入ったとか説明してあげてくれる?」
ガロルド「ああ」
こうして、大陸中で出会った食材を使った料理を振舞った
案の定質問攻めになったので、ガロルドと二人で必死に説明した
その間に、ガロルドはみんなと仲良くなったらしい
ガロルドは営業の才能もあるのでは?何をどう話をしたのかはわからないけど
仲良くなって良かった・・・・
みんな頑固おやじみたいな反応だったもんな・・・・
彼氏連れて来ましたー、なんて言ってないのにな・・・・
商業ギルドの帰りには
ガロルド「ルラの周りはいい人ばかりだな」って言われた
あんなに詰め寄られてたのにいい人認定なのか、ガロルドも大概いい人だ
そう思って
「そうだね、ガロもいい人だもんね!」
って、返事をした
ガロルド「初めて言われた・・・・」って驚いていたけど
ありがとござした!




