レーベルの町で挨拶まわり
オドさんに、グライダーを作るのと、ダンギルマスの剣を作ってもらう約束ができたので
3日後にまた来る事を約束して、ダタンヤリムさん達とはまた別行動だ
私は町の人たちに挨拶回りがしたいので、最初に向かったのは武器屋さん
当時はお世話になったし、旅立つ時に挨拶できなかったからね
久しぶりに会いたい
ガロルドがついて来るというので、一緒に武器屋さんに向かう
当時と変わらない武器屋さんの扉を開くと、懐かしい店内が見えて
カウンターには店主のタイデンさんが立っていた
タイデン「いらっしゃい」
「こんにちは、お久しぶりです」
タイデン「?・・・・・もしかして、嬢ちゃんか?」
「はい、今はルラって名乗ってます」
タイデン「おお!デカくなったな!戻ってきたのか」
「昨日戻ってきて、今日は挨拶回りをしようかと思って」
タイデン「そりゃ嬉しいな、元気そうで良かったぜ」
「はい、元気ですよ。もうSランクになりました。こっちはパーティを組んでいるガロルドです」
タイデン「Sランク!?」
驚きすぎてのけぞっている
そっか、知らなかったか
「そうですよ。ダンジョンを踏破してギルドマスターに推薦してもらって、昇格しました」
タイデン「そりゃ驚きだ・・・・・・って事は何かいい素材でも持ってるのか?」
「あー、ほとんど売ってますから・・・・今あるのはワイバーンの骨くらいですかね」
タイデン「ワイバーンの骨!高級品じゃねえか!」
「まあ、そうなんですけど、欲しいんですか?」
タイデン「欲しいに決まってんだろう!」
そっか、そういうものか
「じゃあ、お土産って事でどうぞ」
カウンターにワイバーンの骨を一本置いた
タイデン「まじかよ・・・・・」
「当時はお世話になったので、お礼の意味も込めて」
タイデン「確かに・・・・ここで買い物するよりも、いろいろ教えてやった覚えしかないわ」
「あー、確かに?」
ここで買ったのは、弓と、ナイフくらいだ
ガロルド「武器屋で買い物しないって・・・どういう事だ?」
ガロルドも不思議そうな顔だ
タイデン「それがよー」
当時の事をガロルドに話出すタイデンさん
あーーーーー、恥ずかしい・・・・
武器の話を聞くばっかりで買い物しないお客だった事がバレてしまった
ガロルド「斬新だな」
タイデン「まあ、当時は変な子供だと思ってたが、いい思い出だな。Sランクにまでなっちまったら文句のつけようがねえ」
変な子供だとは思ってたんだ・・・・
「当時は大変お世話になりました。また遊びにきますね!」
タイデン「おお、次はSSランクになってから来いよ」
「あははっ、SSランク!頑張ります!」
軽口をたたいて、武器屋さんを出た
ガロルド「SSランクとはな」
「Sランクの上を目指せって事だよね」
ガロルド「いい目標だな」
「そうだね」
タイデンさんが元気そうで良かった
次に向かったのはシャールの青果店だ
お店に向かうと、シャールが店頭に立っているのが見えた
凄くお姉さんになったように見える
それだけ時間が経ったんだろう
「シャール!」
店頭の野菜を並べている所に声をかけると、振り返ったシャール
シャール「アル、ノーラ?」
「うん、ただいま。元気だった?」
「アルノーラ!!」
抱き着いてきたシャールを抱きとめて、ぎゅっとした
「ごめんね、いきなり出て行って」
シャール「うん、いろいろあったんだよね」
「うん、でも戻ってきたよ」
「うん、うん、待ってた」
少し体を離してシャールの顔を見る
やっぱり成長してお姉さん感があるな
「マリーは今どこにいるの?」
シャール「マリーは就職で王都にいっちゃったの、でも、元気だよ」
「そっか、どんな所で働いているの?」
シャール「王宮の魔法省管轄の部署だって、手紙には『魔法を使う機会がほとんどない』って愚痴がかかれてたよ」
「ははっ、マリーらしいね」
シャール「そっちの男性は?」
「あ、今ね一緒に旅をしてるガロルドだよ。パーティを組んでてSランクになったよ」
シャール「え、Sランク!?知らなかった!ついにそこまで来たのね!」
「うん、頑張ったんだー」
シャール「子供のときから凄いと思ってたけど、やっぱり規格外だったのね」
ガロルド「子供の時から規格外だったのか?」
シャール「ええ、クラスの中でも飛びぬけてたわね、選択授業もひとりだけいくつも受けていたしね」
ガロルド「なるほど、昔からだったのか」
「ちょ、ちょっと・・・・恥ずかしいんだけど」
なんて事を言うんだ
シャール「良いじゃない、それよりも・・・・」
顔を近づけて、小声で話かけてくる
シャール「なによ、凄い男前じゃない!結婚するの?」
「え?結婚?どうして?」
なんで急にそんな事を言いだすのだ
シャール「だって一緒に旅してるんでしょう?恋人でもないのにそんな事になる?」
「一緒に旅するくらいでそこまで話が進まないよ、ガロは仲間なんだから」
シャール「なんだー、2人きりなら恋人だって思うじゃない」
「2人だけど、従魔もいるからね」
言いながら抱っこ紐の中で眠るアンディーを見せる
シャール「まあー、可愛い。どうしたのこの子?」
「従魔だよ、旅で出会ってね。まだ子供だからいっぱい寝るんだよね」
シャール「それで抱っこ紐なのね、まるでお母さんね」
「ふふっ、可愛い子供でしょう?」
シャール「そうね」
嬉しそうにアンディーを見るシャールを見て、私も嬉しい
「まだ、いるんだよね」
シャール「え?従魔が?」
「うん、アスター、アルジャン起きてる?」
「きゅう」「きゅぃ」
のそのそとフードの中から出てきて、肩に来る
シャール「きゃあああ!かわいい!」
「ふふっ、でしょう?こっちがアスター、こっちがアルジャンだよ」
シャール「こんな小さな従魔最高ね!」
どうやらシャールは小さい生き物が好きみたいだ、大興奮している
店頭で大きな声でいたので、シャールのお母さんが家の中に入れてくれた
テーブルセットに座り、お茶を飲みながら話をする
シャール「ごめんね、大きな声だしちゃって。興奮しちゃった」
「ううん、休憩させてもらって良かったね」
シャール「ええ、後でお母さんにお礼言っておく」
「お母さんも元気そうだね」
シャール「うん、お父さんも元気よ。今は出てるけど」
「そっか、良かった」
シャール「実はね・・・・マリーと話をしてたの、ルラが変な男とパーティを組んでたら止めようって」
シャールにも、今はルラと名乗っていると説明したら、ルラと呼んでくれるようになった
しかし、変な男とは・・・・
ガロルド「俺は変ではないとは思うが・・・・」
ちょっと自信なさげに言うガロルド
「変じゃないよ、私にとっては最高のパートナーだよ」
ガロルド「嬉しいな」
シャール「え?なに?ラブラブなの?」
どうしてそうなるんだ
「今のでラブラブに見えるの?」
素朴な疑問だ
シャール「うん、お似合いだと思うな。背も高いし、強そうだし、マリーも良いって言いそう」
「えー?マリーも?」
シャール「うん、この町にこんなカッコイイ人いないもん」
「そうなんだ・・・」
まあ、ガロルドは顔は美形だし、身長も高くて、体格も良い
もしかしなくても、私って世の中の女性を敵に回しているだろうか
ガロルド「ルラに俺と結婚した方が良いって言ってやってくれ」
何を言い出すのだ
シャール「うん、ルラ、この人ならいいんじゃない?」
「ま、まって・・・・どうしてそうなるの」
シャール「だって成人したんだもん、結婚相手を探すのが普通でしょ?」
そ、そうか・・・・この世界は成人も早ければ、結婚も早いのだ
だいたいの女性は成人と同時に結婚相手を探すし
成人前に親が結婚相手をあてがう事もあるって聞くしな
「わ、私はまだ旅がしたいから、まだ結婚とかはしないかな」
シャール「のんびりしてるなあ!そんな悠長な事言っていたら、いい男はみーんな結婚しちゃうんだからね!」
シャールってこんなに押しが強かっただろうか・・・・
このままではマズイ、話を変えなければ
「しゃ、シャールは?いい人とかいないの?」
シャール「わ、私?・・・・・最近ね、ふたつ隣のお店の次男からデートに誘われてね・・・・」
ちょっと顔を赤くしたシャールがそんな事を話しはじめた
「ええ!デート!いいね!」
シャール「ま、まだ返事してないんだけど・・・・」
「いいじゃない!デート行ってから考えても」
シャール「そ、そうかな?」
「うん、私ならデートいくな!」
シャール「ガロルドさんともデートした?」
「へ?デート・・・・・」
ガロルド「いつも一緒だしな・・・・」
2人ともデートっていう概念が無かった
朝も、昼も、夜も一緒だしな
シャール「なんだ!じゃあもう夫婦みたいなもんじゃない。結婚しちゃえばいいのに」
ガロルドはうんうんと頷いている
「そ、それはまた別の話っていうか・・・・」
どうしてだ、またこの話に戻ってきてしまった
そしてこの時になってやっと気づいた
周りから固めるとはこの事だったのだろう
このままでは雰囲気で夫婦にされそうだ
危険なので、良い所で話を切り上げて
お土産として、大学芋を置いてきた
お母さんお父さんと一緒に食べて欲しい
マリーには会えなかったけど、シャールとたくさん話ができて楽しかった!
ガロルドも何故か機嫌が良くなってた・・・
ありがとござした!




