ダンスタンス ギルマスとのお話 2
久しぶりにレーベルの町に帰ってきて、ダンギルマスに会ったら
何だかお父さんみたいな事を言うようになっていた
話方は昔と変わらないけど・・・・
ギルマス「そうだ、お前の話を聞きたい所なんだが、先に伝えておきたい事がある」
「なんですか?」
ギルマス「お前らの家族だった奴らの事だ、もう知らなくていいっていうなら報告しないが、どうする?」
「あーーーー・・・・・妹の事は知りたいですね」
ギルマス「わかった、お前の妹は高等学校へ進む事を決めたらしい。どうやら魔法の素養はあるらしくてな、特別優秀ってほどじゃないが、それでも攻撃魔法ができるくらいには威力のある魔法が使える。高等学校へ行ったあとの進路希望は聞いていないが、それでも魔法を勉強する意欲はあるらしいぞ」
「へえ、良かったですね。高等学校まで行けば就職には困らないんじゃないですか?」
ギルマス「そうだな、お前の姉ちゃんはかなり困ってたけどな、はははっ」
「あの人はちょっと特殊っていうか・・・でも、就職できてるんですよね?」
ギルマス「ああ、この町の魔石工場で働いているぞ。最初こそダメダメだったらしいが、なんとか食らい付いているらしいぞ。仕事せにゃ生きていけないからな」
「やれば出来るのにやらなかった人ですから。まあ、もう関係ないですから」
ギルマス「そうだな、妹の為の口座にはまだ金が残っているから、高等学校での生活もできるだろう」
「良かった、凄く無駄遣いをしたらどうしようかって思ってたんですよね」
ギルマス「あの金額を無駄遣いって・・・・子供には大金だろう」
「それぐらいするんじゃないかって思ってたんですよ。ちょっとおバカというか・・・・後先考えるタイプではないので」
ギルマス「ああーーーー、何かわかるわ・・・・ま、何かヤバそうだったらこっちに連絡が来るようになってるから」
「ありがとうございます。大変助かりました」
ダンギルマスには私が町を出る時に、妹の事を頼んだけど
ここまでちゃんと気にかけてくれているなんて、ありがたい
まあ、もし放っておかれても
ちょっとは痛い目を見て欲しい気持ちだ
妹が学校を卒業したら、この見守りも辞めるつもりだし
自分で生きていってもらわないとね
ギルマス「さ、もう日が暮れるし、仕事も終わりだ。お前ら時間あるか?」
「はい、今日は宿で休もうと思っていたので」
ギルマス「よし、じゃあ俺の家に来い。晩飯でも一緒に食おう」
「いいんですか?」
ギルマス「良いも何も、誘ってんだ。悪いわけないだろう。会わせたい人もいるしな」
「会わせたい人?」
ギルマス「ルラの料理も食いたい。どうせたんまり収納に入れてんだろう?」
「ははっ、それが目的では?」
ギルマス「あったりめーだ、お前が旅で美味い料理をいっぱい探してくるって言ったんだろう」
確かに・・・・・言った気がする・・・・
ガロルド「俺は宿に戻っておこう」
ギルマス「駄目だ、お前にも会って欲しい」
ガロルド「俺が?」
ガロルド「俺と一緒だ、嫁さんもルラの相方がどんな奴か気になってるんだよ」
「あー、心配してくれてたんですか?」
ガロルド「そりゃするだろう。パーティを組んだって連絡が来たけど、男と二人だって聞いてめちゃくちゃ心配してたぞ」
イーッとした顔でそんな事を言うのを見て、笑った
ダンギルマスの奥さんはある意味強い
どうやら、とばっちりを喰らったらしいな
ガロルド「俺は品定めされるって事か・・・・」
「あー、そうかも・・・・何かごめんね?」
ガロルド「まあ、これも仕方ないだろう。ルラに周りの人に認められたいしな」
立ちあがって、そんな事を言う
ギルマス「俺の嫁さんが認めてくれるんだろうか?」
そんな結婚の挨拶みたいな・・・・
ガロルド「認めてもらわんと困る」
「困るんだ・・・・・」
まあ、私は周りの人がみんなガロルドは止めておけって言ったって
パーティを解消するつもりなんてないけど、あえて言わないでおこう
ギルマス「じゃあ、行こう」
「はい」
ギルドマスタールームを出て、ダンギルマスの家に向かう
ダタンヤリムさん達には、伝声の魔道具で『夜ごはんは外で食べて来ます』とだけ言っておいた
ギルマス「そういやショユーの話は聞いたか?」
「うん?この町に手紙を書いて以降は何も連絡が来てないですけど・・・・」
ギルマス「そうか、もし手紙を書いていても受け取れて無いって事もあるしな。ショユーの連絡をもらってから、ここの商業ギルド職員が頑張ってくれてな、ショユー職人がこの町に来てくれたんだ」
「ええ!輸入じゃなくて?」
ギルマス「どうも輸送に金がかかりすぎるってんで、こっちでの生産に踏み切ったらしい」
「へえー、凄い。大がかりだなー」
ギルマス「それだけじゃねえけどな、牛も、鳥もここで管理して畜産しているぞ」
「あ!見ました。牛が放牧されてるの」
ギルマス「お陰でこの町の食事事情も大分変わったぞ、卵なんて高級品だったが、気軽に食べれるようになった」
「はーー、商業ギルドが頑張ったんですねぇ」
凄い話だ、この町は食に関してはかなり質素だった
ダンジョンが無い国はそんなものかも知れないけど
ギルマス「お前のせいなんじゃないか?」
「え?私?」
ギルマス「商業ギルドが大きく動く時はだいたいお前が関わってたからな、コメだってそうだろう」
「あーー、身に覚えがあります」
身に覚えがありすぎる、手紙も書いたし・・・・
ガロルド「子供の時からそんな感じだったのか・・・・」
ギルマス「あ?旅の途中でもそんな事してたのか?」
ガロルド「各地で商品登録していたぞ、どれも美味かったし。食べ物じゃない物も登録していた」
ギルマス「やっぱりか!お前はやるんじゃないかと思ってた!」
なんで嬉しそうなんだ?
言い方は犯罪者に言うみたいなのに・・・・お前はやると思ってた!みたいな
「不可抗力です。登録して欲しいって言われた物がほとんどですよ」
ギルマス「それでも凄いんだけどな、まあ、良い事じゃねえか。美味いメシが気軽に食べれて俺は嬉しいぞ」
「そう、それが一番良いですよねー」
ガロルド「俺も嬉しい」
ここには食いしん坊しかいないらしい
全員の賛成が出たところで、ダンギルマスの家についた
ドアをノックして「帰ったぞー」とダンギルマスが声をかけると
足音が聞こえた後に、鍵を開けた音がして扉が開く
「おかえり・・・・」
「こんにちは、戻って来ました!」
ドアを開いて出て来たダンギルマスの奥さんに、笑顔で挨拶をした
固まって、驚いた奥さんの腕には赤ちゃんが抱かれていた
「ルラちゃん?ルラちゃんじゃない!大きくなってー!」
抱いていた子供をダンギルマスに預けて、抱きしめてくれた
「ふふっ、お久しぶりです。っていうか・・・・赤ちゃん!」
ギルマス「はっはっはー!かわいいだろう!世界一!!!!」
とびきりの笑顔でそういうダンギルマス
「ふふっ、ジーンっていうの、抱っこしてあげて」
「わぁ・・・いいんですか?」
「もちろんよ」
ダンギルマスからそっと渡された赤ちゃんを抱っこする
軽いけど、確かに重さがある
あったかい赤ちゃん
「ジーン、はじめましてー。おねえちゃんだよー」
話かけると手を上げてきゃっきゃっと嬉しそうだ
ギルマス「元気だろう?将来結構有望だと思うんだ」
うんうん、と自己肯定している
「ふふっ、もうすんごい親ばかなの」
奥さんもまんざらでもなさそうだ
「これは親バカになるのもわかります。すんごく可愛い」
ギルマス「そうだろう、そうだろう。絶対会わせたかったんだ」
「会えて嬉しいです・・・まさか赤ちゃんが生まれてるなんて・・・・」
ダンギルマスは30代後半、奥さんもそれぐらいの年齢だ
この世界では十分高齢出産になるだろう
ギルマス「それは俺も驚いた、妊娠がわかった時なんてもうどうしていいかわからんくてな」
「そうなのよ・・・・知らせた時に焦りまくって毛布でグルグル巻きにされるわ、肉ばっかり食べさせようとしてくるわ大変だったんだから・・・・」
「あはははは!それは大変だ!ダンギルマス何やってんですか!」
パニックでそんな事してたの?
ギルマス「仕方ないだろう!妊婦なんてどう扱っていいかわからんだろう!階段も普通に歩こうとするしよ!」
「そりゃ階段くらい普通に歩くでしょう?」
ギルマス「落ちたらどうすんだ!危ないだろうが!」
「そんな簡単に落ちたりしないわよ・・・・」
奥さんも呆れている
どうやら妊娠中は過保護が過ぎて、階段の上り下りは抱っこしたらしい
家にダンギルマスが居ない時は普通に使っていたらしい、小声で教えてくれた
それでも、一緒に家に居る時はなるべくお世話してもらっていたらしい
なんだ、ラブラブじゃないか
「ガロも抱っこしてみる?」
ガロルド「俺もか?」
ギルマス「ああ、抱っこしてやってくれ。これぐらいデカくなって欲しいしな」
ガロルド「抱っこしたからと言って身長が伸びるか?」
ギルマス「これは気持ちが大事なんだ」
ガロルドにジーンを渡すと、随分手慣れた感じで抱っこする
「あら、抱っこが上手ね」
ガロルド「孤児院出身だからな・・・たくさん抱っこしてきた」
「そうなのね、ダンよりも上手だわ」
ジーンも落ち着いているし、泣くこともない
ガロルド「父親の威厳が・・・・」
ショックを受けている人も約一名いるが、そんな事で威厳を失わないでほしい
やっぱりガロルドが子供を抱っこしてる姿は良いな!
可愛い
ジーンのぷにぷにほっぺを触らせてもらって、癒された
妹が生まれてきた時の事を思い出すな
もう全部が可愛い
またお姉ちゃんにでもなった気分だ!
ありがとござした!




