ダンスタンス ギルマスとのお話
3人で応接セットに移動して、挨拶をする
「えっと、今一緒に旅をしているガロルド」
ガロルド「ガロルドだ、よろしく。ルラが世話になった」
ギルマス「ああ、俺はここのギルドマスターのダンスタンスだ、こちらこそルラが世話になった」
2人が握手をしたまま固まる
何かめっちゃ力入ってない?
「あと、従魔のアスターとアルジャンと、アンディーだよ」
両肩に乗ったアスターとアルジャン、それにリュックからでてきたアンディーは私のひざの上だ
やっと握手をほどいて、ソファに座った2人
ギルマス「おお、例の従魔か・・・・随分と小さいな・・・・しかもその黒いやつは聞いてなかったな」
「アルジャンは大きくなれるんです。普段はこの大きさで、移動の時は大きくなって乗せてくれるんです」
ギルマス「おおー、すげえ。おとぎ話みたいだな・・・・触れないのか?」
「触ってもいいか聞いてるけど、どう?」
「きゅうー」「きゅぃー」「みゃう!」
アスターとアルジャンは飛んで、ダンギルマスの前の机に座る
アンディーはとことこ歩いて、ダンギルマスの足元に行って匂いを嗅いでいる
「アスターとアンディーは撫でてもいいって言ってますよ。アンディーは・・・・わからないって」
ギルマス「おお、そりゃ嬉しいな・・・・どれ」
手を差し出して、人差し指でアスターの頭を撫でて、首のあたりをこちょこちょとする
アスターは満更でもなさそうだ
ギルマス「ふわふわだ・・・・」
「アスターはほぼ毛なんですよね。可愛いでしょう?」
ギルマス「可愛いが・・・・・何の生き物なんだ?見た事も無いが、リスにしては真っ白だしな、丸いし」
「聖獣らしいですよ」
ギルマス「せ、聖獣!?こんなちっこいのに・・・・すげえんだなお前」
「きゅう!」
小さな胸を張ってドヤ顔をしているアスター、可愛いが過ぎる
ギルマス「で?こっちがドラゴンだな」
「きゅぃ」
ギルマス「ちょっとだけ、触らしてくれ」
「きゅぃ」
こちらも人差し指でそっと撫でている
アルジャンも満更でもなさそうだ
ギルマス「おお、つるつるだな。アルジャンだったか、何竜なんだ?白っていうか銀に見えるが」
「どうなんでしょうか?おそらく神龍かな?って」
ギルマス「は?神龍?」
ガロルド「エルフ達がそう言っていたからな、間違いないんじゃないか?」
ギルマス「まじかよ・・・・こんなに可愛いのに」
「きゅぃっ」
「可愛くて強いんですから」
自慢の仲間だ
ギルマス「規格外もここまでいくと笑えないな・・・・で、こっちはまた見た事ないな・・・」
ふんふん、すんすんとダンギルマスの足元の匂いを嗅いでいる
「アンディーはエルフが住んでいる森で会ったんです。白虎の子供です」
ギルマス「は!?白虎?こいつも聖獣なのか・・・・しかも黒い・・・・」
「そうなんです、他の子たちは白くて、アンディーは黒くて仲良くしてもらえなくて・・・・お母さんから託されました」
ギルマス「はあー、またとんでもない話だ」
呆れながらも、足元のアンディーの頭を撫でている
その頭を撫でている手の匂いを嗅いで、ペロっと舐めた
どうやら敵ではないとわかったらしい
ギルマス「おっ、仲良くしてくれるか?」
そう言ってアンディーを抱き上げたダンギルマス
「みゃうー」
「仲良くしても良いって」
ギルマス「ははっ、お前は主人に似て図太いな」
膝の上に乗せてわしゃわしゃと撫でている
アンディーも嬉しそうだ
「みんないい子なんですよ」
ギルマス「そりゃ良かった。こいつらの事はわかったが、問題はそっちだ」
アンディーを撫でながら、ガロルドに視線を向けるダンギルマス
アスターとアルジャンは私の肩まで戻ってきて、フードの中に戻った
どうやら仕事は終わりって事らしい
「問題って?どういう事です?」
ギルマス「ガロルドっつったか、どうみてもルラより年上だと思うが」
ガロルド「21だ」
ギルマス「21?もっといってるかと思ったが、それでもルラより大分年上だな」
そうかな?年相応くらいには見えるようになったけどな
今は髪の毛も大分伸びて、ハーフアップにしている
もちろん、私の趣味だ
良く似合っている
ガロルド「年上だと何か問題か?」
ギルマス「ああ、問題だな、ルラはまだ未成年だろう」
「あ、15になりましたよ」
ギルマス「そうか!もうそんなに経ったか・・・・って、そうじゃない」
ガロルド「何が問題なんだ」
ちょっと不機嫌そうなガロルド
ギルマス「年頃の女の子と男の2人旅なんて危険に決まってんだろうが、どこでどう知り合って2人で旅してんだ」
「へ?危険?アスターとアルジャンとアンディーもいるのに?」
ギルマス「そういう問題じゃねえ、で?どこでどうなってパーティを組む事になったんだ?」
「えーっと、最初は護衛依頼で出会って・・・・」
ガロルド「そうだな」
「2日目くらいに求婚されたかな?」
ギルマス「はあー!?求婚だと!?」
「うん、まあ、未成年だったしできないから」
ギルマス「そういう問題か!?」
ガロルド「離れるつもりはなかったから、パーティを組んでもらったんだ」
ギルマス「離れるつもりはなかったって・・・・」
ガロルド「ずっと一緒にいたいと思った。それだけだ」
ギルマス「なんって非常識な男だ・・・・」
呆れてしまったダンギルマス
「まあ、最初こそそんな感じだったんだけど、ガロとは凄く気が合ってね」
ギルマス「お前はもっと危機感を持て!」
「まあまあ、ちゃんと話を聞いてよギルマス」
ギルマス「くっそ、昔からこうだ・・・・・」
そうだったけ?
「ガロは私と同じスピードで走れるの」
ギルマス「なに!?お前と?」
「うん、出会った時はずっと走って移動していたから、ガロとなら一緒に移動できるし。何よりも美味しい物が好きって共通点があってね」
ギルマス「お前と走れるって時点ですげえが、美味しい物が好きって・・・」
また呆れた顔になってしまった
「だって、美味しい物を求めて旅していたから。ガロも特に目的もなく旅をしててね、丁度意見が合ったんだよ」
ガロルド「ああ、ルラといれば確実に美味い物が食べれるからな」
「そ、目的の一致だよ」
ギルマス「確かにルラの料理は美味いが・・・・」
「ガロはね、凄い感覚が鋭いんだって、だから何食べてもあんまり美味しく思えなくて、保存食とか特に苦しんでたんだって。私といれば料理が食べれるから、ダンジョンも移動も困らずにできるでしょう?」
ギルマス「そりゃ誰だって保存食なんて食べたくないだろう」
「まあ、そうなんだけどね。私も誰かと一緒に行動するのなら、私の行動を許容してくれる人じゃないとダメだと思ってたから、パーティを組むのも諦めてたんだけど、ガロは違ったんだよね」
ガロルド「俺はルラのする事を否定したりしない」
「うん、そういう事。ガロは私が何をしても受け入れてくれるんだ」
ギルマス「そりゃすげえな・・・・こいつの規格外は規格外だ」
真顔で言わないでほしい
しかも、規格外は規格外ってなんだ
ガロルド「俺はルラのする事も行くところもついて行く。何も否定しない」
真剣な顔で言っているけど、あんまり放っておくとわがままになっちゃうよ?
ギルマス「なるほどな・・・・しかし、求婚は黙ってられんな」
「そこに戻る?ガロも本気じゃなかったよね?」
ガロルド「いや、本気だったが・・・・・」
「え?」
なんだって?どういう事だってばよ
頭が真っ白だ
まさか13才に本当に求婚を?
ギルマス「ほらみろ、お前はどう思ってるんだ?」
「どうって・・・・・」
ガロルドと結婚?は?
ガロルドもこっちを見ている
「えーーーーー」
どうしてこうなった!
ギルマス「結婚する気がないのなら、パーティを組むのは止めておけ、こいつの為にも良くない」
ガロルド「は?なんであんたが決める」
ギルマス「お前が結婚したくてもこいつにその気がないのなら危険だろうが」
ガロルド「危険な事はしない」
ギルマス「どうだか・・・お前も男だろうが」
ガロルド「死んでもしない」
ギルマス「信じられねえな」
ほんと
どうしてこうなった
ちょっと理解できない
ギルマス「おい、どうするつもりなんだ?」
「へあ?どうするつもりとは?」
何か変な返事をしてしまった
ギルマス「結婚する気はないんだろう?」
「あーーーー・・・・・ちょっと考えられないかな・・・・・」
ガロルドがこっちを見ている
そんなに見ないで・・・・
ギルマス「ほらみろ、お前はもっと危機感をもて」
「いや、危機感と言われましても・・・・今まで一緒に居れた訳で」
ギルマス「今は成人したんだろうが、もう結婚できる年だ。求婚してる男と一緒に旅するのは普通じゃない」
ガロルド「何も今すぐじゃなくていい。ルラがその気になった時でいい」
その気ってなんだ・・・・そんな時が来るんだろうか
普通じゃないってのも良く分からない
結婚する気が無かったら、一緒に旅をしちゃいけないってのも分からない
何も分からない
「ちょっと・・・・・真面目に返答をするのなら・・・・結婚って良いイメージが無くって」
前世も今世も
「だからか、結婚したいとか・・・思った事もないんですよね?」
そう、何もイメージができない
自分が結婚する未来が
「でも・・・・・」
そうなんだけど
「ガロとは一緒に旅したいなって・・・・・思うんです」
これが本音
泣きたい時も、楽しい時も、美味しい物を食べる時も
ずっと一緒だった
ガロルド「俺もルラと旅がしたい」
「ふふっ、良かった一緒で。だから・・・・ダンギルマス」
ギルマス「なんだ」
「パーティは解散できません」
ギルマス「・・・・何も解散しろって言いたい訳じゃない。自分の事を大事にしろって言いたいんだ」
「はい」
まあ、何となく言いたい事もわかる
親心ってやつだろうか
ガロルド「俺はルラが良いって言うまで、指一本触れない。男女の関係にもならない」
ギルマス「当たり前だ、ルラを泣かせたら俺が切る。ちょっとこっち来い」
ダンギルマスはガロルドを連れて部屋の端っこで、何やらごにょごにょと話をしている
しばらくして戻ってきた
ギルマス「よし、問題はあるが、とりあえずいいだろう。もし結婚する時がきたらちゃんと連絡しろよ」
「なんか気が早いですね・・・・まあ、いいですけど」
ギルマス「お前のその態度が心配なんだよ!規格外も大概にしてくれ」
「えーー、何か私が悪いみたいな言い方」
ギルマス「お前が悪いんだろうが!ややこしい事しやがって!全然変わってないな」
「ええええー」
不満の「ふ」だ
でも、昔のような言い合いに笑顔になった
戻ってきたんだ、やっと実感が湧いて来た
ありがとござした!




