趣味は製薬です
『媚薬』っていうのは、まあ、性的な興奮状態になるってもんだと思っているんだけど
無いよりはいいと思うんだ、うん
って、いうのは建前で
本当は好奇心が勝っちゃって・・・・
その日の夜に、製薬セットを出して
昔、学校で書き写した紙の束を取り出す
「えーっと、媚薬は・・・・・これか、そんで、精力剤もあったはず・・・・・これだな」
ふむふむ、なるほど
これなら手持ちの材料で出来る、作らないわけにはいかないね、うん
学校の薬草や製薬の本は、追加で買ってもらった物の中には、かなり上級なものも入っていて
後半はそれを読み漁っていた、だって面白くて
基本のポーションも書いてあるけど、『しびれ薬』みたいな、必要なさそうな物まで書いてあった
いつ使うの?みたいな感じだけど
製薬の本を作って、わざわざ回復だけ、とか。解毒だけ、とかで分けたりしないもんね
本一冊作るだけの種類と、作り方があるのだ
もちろん、本によっては材料が違ったりするので、効能に差があったりもするんだろう
今回作るものが、どれくらいの効能なのかはわからないけど
鑑定の虫眼鏡があるので、害のあるものが出来上がってしまった場合は破棄するつもりだ
さっそく、媚薬の材料をすりつぶしたり、混ぜたりしていく
「花グモの蜜は一滴だけでいいんだ、材料節約できていいね」
リンゴの皮?これも関係あるのか?みたいなものまである
材料の準備ができたら、水を浄化して、そこに投入していく
火にかけて、ゆっくりと混ぜながら魔力をそそいで・・・・完成!
「これで完成かー、見た目は普通だな・・・」
ちょっと濁った水って感じだ
鑑定の虫眼鏡で確認してみる
『良い媚薬・性的興奮剤。一口で発情、二口で熱狂、三口でバーニングラブ』
は?
何か3つ目の表現おかしくない?
ちょっと今まで作ってきた薬と毛色が違うな・・・・
まあ、効きそうではあるかな?知らんけど・・・・
一応、精力剤も作っておこう
書いてある通りの材料をすりつぶしていく
やっぱりニンニクとか入ってるんだね・・・・これは美味しくなさそうだ・・・・
普段使わない薬草とかキノコとか、いっぱい使うんだな・・・・興味本位で集めてて良かったー
材料が準備できたら、精製水に入れて、火にかける
混ぜながら、魔力を注いで・・・・・・完成だ!
「うわぁー、すんごい色だ・・・・」
黒と紫が混ざったような色で、揺らめいて見える
これは危険物が出来上がってしまったかもしれない・・・・
鑑定の虫眼鏡で確認しないと・・・
『超精力剤・あらゆる力がみなぎる一本。活力増強。疲労回復。血行促進。性欲向上。ファイト一発。*若返りの効果はありません*』
・・・・・何か効きそうではあるか?
何か注釈まで書いてあるな・・・・若返りを求めて飲む人が多いのかな?
まあ、これと媚薬を飲めば完璧じゃないかな?知らんけど・・・・・
・・・・・・・!
混ぜちゃえばもっと凄いの出来そうじゃない?
まだ、材料があるし・・・・・ちょっと実験しちゃお・・・・
精力剤と、媚薬を半々で混ぜて・・・・火にかけながら魔力を注ぐ
ぐーるぐーる
何か色が変わって来たんだけど・・・精力剤の黒っぽさが消えてきた・・・・
どんな魔法だってばよ・・・・
わくわくしながら続けると、カッ!っと光って
薄ピンクの液体ができた・・・・・何でこんな色になった?
どんな化学反応だってばよ・・・・
ピンクの液体とか、そっち方面の物にしか見えない!
さっそく鑑定してみる
『ラブパワーZ・あらゆる性機能を回復、改善、増強。絶対的子孫繁栄力。*同意の元、使用する事*』
なんか凄いのでけた・・・・・
ちょっと怖くなって、見るのをやめる
でも、危ない事が書いてないか、もう一度確認・・・・
目的の物ではあるか・・・いったん
ふぅ
落ち着く為に、息を吐く
何か凄いのできちゃったなー
ま、いっか
喜んでもらえるかもしれないし!
切り替えて、空の瓶につめていく
3本できた
これだけあればいいんじゃないかな?
残りの媚薬と、精力剤は他の瓶につめておこう。
封印かな?
ガロルド「何を作ってるんだ?」
ビクッ!
後ろから声をかけられたので、びっくりした
「え?ちょ、ちょっと・・・・」
ガロルド「なんだ?ポーションか?」
「あー、まー、ちょっと?」
ガロルド「様子がへんだぞ?変な物でも作ったのか」
「あー、うー、えへへっ」
笑って誤魔化す
ガロルド「言えないような事か?」
「いやー、別に言えなくはないんだけど、なんて言うか、言いにくいというか・・・」
別にやましくはないけど、しどろもどろになってしまう
説明しにくいので、瓶を並べて、鑑定の虫眼鏡を渡す
「ま、見てもらって、ね」
ガロルド「・・・・?」
不思議そうな顔をしながらも、虫眼鏡で見ている
けど・・・・だんだん真顔になっていった
ガロルド「何を作っているんだ・・・・」
「え?えへへへっ。好奇心で?作れるかなって・・・・できちゃった的な?」
ガロルド「このピンクのヤツはヤバそうだな・・・・」
「混ぜたらできちゃったんだよね・・・・めっちゃ効きそうではあるよね」
ガロルド「混ぜた?媚薬と精力剤を?」
「うん、何か良いのが出来るんじゃないかと思って」
ガロルド「・・・・・・・・・まあ、言いたい事はあるが・・・・エルフは喜んでくれるんじゃないか?」
「やっぱりそう思う?残りは封印して、3本だけ渡そうかなって」
ガロルド「いいんじゃないか?いらなかったら返すか、受け取らないだろう」
「だよね、じゃ、渡すだけ渡してみよっと」
ガロルド「しかし・・・どこでこんな物の作り方まで学んだんだ?」
「学んではないけど、学校にあった製薬の本に載ってたんだよね」
ガロルド「学校の製薬の本に?大丈夫か?その学校・・・・」
「いや、学校は悪くないよ。普通の製薬の本でも、毒の作り方とか書いてあるからね。回復だけ書いてある本とかないから仕方ないと思うけど。そもそも子供が読んでいるとは思わないよねー」
ガロルド「じゃあ、やっぱりルラが特殊って事か・・・・」
「ぐっ、それは否定できない・・・・でも、そのお陰で自白薬も作れたんだし・・・」
ガロルド「いや、別に悪い事だとは言ってない。だいぶ特殊だなってだけだ」
褒めてもいないけど、けなしてもいないって事かな?
喜んでいいのか、悲しむべきか・・・
まあ、結果オーライって事で!
エルフの里で喜んでくれる人がいるのなら、成功って事でしょう!
何か凄い物ができちゃったけど、使わないなら封印してればいいし
どこかで困っている人に渡すのが一番いいかもしれないね
子供が欲しくてもできない人だって居るんだし!
ポジティブに考えよう
手土産も決まったし
あとは、いつでも出発できるように準備するだけだ
作り置きもそうだけど、買い物をしっかりしておこう
食料は調達できても、調味料は調達が難しいからね、しっかりがっつりと買い込んでおこう
あとは、ここでしか買えない腸詰め!これは買いだ
毎日通って、たくさん買い込む
店主のおじさんともすっかり仲良くなった
腸詰めばっかり気にしていたけど、ここにはハムも置いてある
美味しそうだなって思って、買って食べてみたら
しっとり系のハムで、すんごく美味しかった
これも買いだ
迷惑にならない程度に買い占めた
他のお客さんもいるからね
ロースハムって大好きなんだよねー、最高
存分に買い物をして、孤児院へたまに顔を出したりして
残りの日数を過ごし
ギルドマスターから「準備ができました」と連絡が来た
ギルドに顔を出すと、ギルマス代理の男性と一緒にいた
いつもは補佐をしてくれているらしく、引継ぎをすればいつでもギルマスを任せられるという
ベルヌルト「私はいつでも引退していいんですけどねー」
補佐「バカ言わないで下さい。元気なうちは頑張ってもらわないと」
ベルヌルト「ふふっ、これでもいい年なんですけどねー」
補佐さんは結構ハッキリ物を言うタイプのようだ
ベルヌルト「じゃあ、ここは任せました」
補佐「お早い帰りをお待ちしております」
ベルヌルト「ははっ、頑張るよー。じゃあ行きましょうか」
「はい」
3人で冒険者ギルドを出て行く
ベルヌルト「もうすぐに出発ですか?」
「私たちはいつでもいけますよ」
ガロルド「ああ」
ベルヌルト「そうですね、目的地は遠いので出発は早い方がいいです。さっそく行きましょうか」
「はい、移動なんですけど・・・・ベルさんは高い所は大丈夫ですか?」
ベルヌルト「はい?高い所ですか?とくに恐怖を感じた事はないですけど・・・」
ガロルド「空を飛んでいこうかと思う」
ベルヌルト「空を!もしやドラゴンちゃんで?」
「はい、それが一番早いので」
ベルヌルト「是非!乗せてもらえるのなら喜んで!」
「じゃあ、外で試してみましょう」
ベルヌルト「楽しみですー」
アルジャンも成長して、私とガロルドを乗せれるくらいには大きくなってきた
なので、ベルヌルトさんとガロルドを乗せて飛ぶ事もできるんじゃないかなと思う
さっそく外でアルジャンに大きくなってもらって、2人に乗ってもらう
「どう?アルジャン。重くない?飛べそう?」
「きゅぃー」
全然平気ー
「平気だって、飛んでみよっか。ベルさんしっかりと掴まってて下さいね」
ベルヌルト「はい、アルジャンさんお願いしますね」
「きゅいー」
ぶわっと勢いよく空へ飛び立つアルジャン
ベルヌルト「うわぁーーーー!」
ベルヌルトさんの悲鳴を置き去りにして、空高くまで上がって
旋回して降りて来た
「アルジャン凄いね、安定してたよー」
「きゅぃー」
わしわしと撫でて褒める
ベルヌルト「こ、これは凄いです。想像以上です」
ガロルド「どうだ?乗ってられそうか?」
ベルヌルト「ええ!最高です!」
「ははっ、良かった。じゃあ行きましょうか」
ベルヌルト「ルラさんはどうするんですか?」
「私には翼があるので」
ベルヌルト「翼?もしや天使??」
「ふふっ、そんなにいいものでもないですが」
飛び立つアルジャンに続いて、グライダーで飛んで追い付く
「これが私の翼です!」
ベルヌルト「翼!確かに!風魔法ですか!?」
「はいー」
ベルヌルト「あはははは!あなたは本当に面白いですね!こんなにエルフを驚かせる人に会ったのは初めてです!あははは!」
楽しそうなベルヌルトさんの笑い声はしばらく
青い空に響いていた
ありがとござした!




