エリクサーへの道のり
ギルドマスターが本を読み上げてくれる
ギルマス「ここにはこう書かれています。幻の霊薬エリクサーの作成には何通りかの方法があり、そのどれもが高魔力を有するものが材料になっている。まったく同じ材料を使っていても制作者の力量では失敗に終わる事も、効能が十分に出ない事もある。私が成功した例をここに残しておく、これでも真のエリクサーとは言えないかもしれない。だが、これが私の研究結果だ。この研究が後の世の助けになるように、どうか悪に利用される事が無きように願う」
「何通りもある・・・・ここに書いてある以外にも他の材料でも作れる可能性がある、という事ですね」
ギルマス「ええ、そのようですね。ここに書かれている効能は、身体の完全回復、あらゆる病気や、身体の欠損、少しの若返り・・・ですね。」
「凄いですね・・・材料はどうなんですか?」
ギルマス「材料は、これが高魔力の虫系魔物の蜜、これが高魔力の植物魔物の体の一部、これがリュウモドキ草、これが高位竜種の血、竜苔・・・以上が材料として書かれています」
本に描かれている見本を指しながら説明してくれた
「じゃあ、あと必要なのはリュウモドキ草と、竜種の血と、竜苔・・・かな?」
ギルマス「その3つが一番問題かもしれませんね、リュウモドキ草も竜苔もドラゴンの住処の近くに自生していると言われるものです。竜の血に至っては・・・まさか従魔の血を取るのはいけません」
「はい、でも、このリュウモドキ草って見た事がある気が・・・・」
ギルマス「は?何かの間違いでは?ドラゴンの住処など、人が入って行ける場所ではありませんよ?」
そうだ・・・ごそごそと収納をあさる
アルジャンと出会った所、あそこは間違いなくドラゴンの住処だった場所だ
そこでたくさんの知らない植物を取って来た
「これ、これじゃないですか?」
取り出した草は、本に描かれているリュウモドキ草とそっくりだ
ギルマス「ま、まさか!?」
ガロルド「アレで鑑定してみたらどうだ?」
「あ、そっか」
鑑定の虫眼鏡で見てみる
『リュウモドキ草、あらゆる霊薬の材料として使われる』
ビンゴだ、って事は竜苔もあそこに行けばあるかも知れない
ギルマス「そ、それは鑑定の魔道具ですか?」
ガロルド「ああ、ダンジョンでドロップしたんだ」
ギルマス「・・・・・想像を絶するとはこの事ですね・・・・」
「間違いないです。これがリュウモドキ草ですね、たぶん竜苔もアルジャンと出会った所に行けば手に入る気がします」
ギルマス「ハハ、これは現実味が帯びてきましたね・・・・あとは竜種の血・・・あなたたちはダンジョンでドラゴンと戦ったんですよね?」
ガロルド「ああ、火竜と地竜だな」
「そうか!血を取ってくればいいんですね!」
ギルマス「言葉にするのは簡単ですが、戦闘中・・・もしくは倒したあとすぐに血を回収する必要があります」
「それで採取できるんでしょうか?倒した魔物はダンジョンが吸収してしまうでしょう?」
ギルマス「おそらくは、消える前にダンジョンの外に出る、もしくは収納に入れてしまえば大丈夫です。ダンジョン産の植物は魔法カバンなどに入れて採取可能ですからね。魔物も同じかと」
「凄い・・・・作れちゃうかも・・・・」
もっと材料集めが大変なんだと思って、もっと先の事だと勝手に思っていた
でも、今、現実味を帯びてきた
ギルマス「ふぅーー、少し興奮してきましたが、落ち着いて考えましょう。材料は集める事が可能だとして、最後の問題は魔力です。『調合と共に加熱、膨大な魔力を注ぎつつ攪拌』とあります。これがどれだけの魔力を指しているのかは私にもわかりせん」
「魔力なら自信があるんですけど、さすがに量まではわからないですね」
ギルマス「魔力にも自信が?ルラさんは魔法もお得意で?収納を使っているので量は凡人よりははるかに大いでしょうが・・・・」
ガロルド「ルラは魔法もできるし、身体強化も、弓も、双剣もできる」
ギルマス「なんですか?そのデタラメな守備範囲は?てっきりテイマーとして素晴らしいのだと思っていました・・・・・・」
ビックリして面白い顔になってしまったギルドマスター
「ふふっ、今までいろいろ練習してきたので。2人は従魔っていうよりかは仲間ですよ、ほとんど寝ていますし、まだまだ子供です」
ギルマス「ルラさんは類いまれなる才能をお持ちのようで・・・・あなたならエリクサーを成功させそうな気がしてきましたよ・・・・」
ガロルド「俺はルラなら出来ると信じている」
「ふふっ、ありがと。じゃあ今後は魔力を高めつつ、竜種の血を採取できそうな時を伺おうかな」
ギルマス「今すぐに集めに行くのではないのですか?」
「いえ、急いでいるわけではないので。まだ邪神と会える方法もわからないですしね、気長に集めます」
ギルマス「はははっ、とても素敵な相棒を見つけましたね、ガロルドは」
何でそうなった?素敵認定される事言ったかな?
ガロルド「だろう?ルラは特別なんだ」
ギルマス「ほうほう、それはどんな所が?出会いから詳しく聞かせてくださいよ」
ガロルド「・・・・そう言われると困る」
ガロルドが照れゾーンに入ってしまった
ギルマス「ふふっ、夜は長いですから、ゆっくり聞かせて下さい。お酒は飲めるようになりましたか?」
ガロルド「酒は美味しくない」
ギルマス「あははっ、そこはまだ子供なんですねえー」
ちょっとむすっとするガロルド
ギルドマスターの前や、シスターの前では少し子供っぽくなるのが面白い
その後は、ガロルドと出会った時の話や、どんな旅をしてきたのかを
夜遅くまで話をした
ガロルドは照れながらも、私の事は饒舌に語っていたので
私はガロルドの話をした、もちろんお祭りの話もだ
そこで、この町でも8日後にお祭りがあるというので
参加する事にした
せっかく地元に帰ってきたのだ、存分に楽しみたい
夜遅くまで、話をして
家にそのまま泊めてもらった、町の外にも出れないからね
翌朝、お礼に朝ごはんを振舞って
ギルマス「ルラさんと一緒とは羨ましいですねえー」
ガロルド「そうだろう」
ドヤ顔のガロルドと優しい笑顔のギルドマスターを親子みたいだって思った
こんな関係を羨ましくも思って・・・・・
ダンギルマスや、先生に会いたくなったのは、内緒だ
ギルドマスターの出勤と一緒に家を出て
冒険者ギルドまで一緒に来た
ギルドマスターが私たちのSランク推薦をしてくれると言うのだ
「本当にいいんですか?」
ガロルド「俺たちの実力も知らないだろう?」
ギルマス「おや、心外ですね・・・・年を取ってもギルドマスターですよ、そばに居れば実力も感じ取る事もできますよ」
本当に?
せっかくの推薦だけど、実力を示す機会があればいいんだけどなー
そう思っていたら
「ガローーーールドーーーー!!」
遠くからガロルドを呼ぶ声が聞こえてきた
ガロルド「うわ」
え?ガロルドのこんなあからさまな顔初めて見る
凄く嫌そうな、面倒くさそうな顔だ
ガロルドを呼んだ声の方を見ると
男性が走って向かってくる
「ガローーーールドーーーー!!」
ガロルドに抱き着きそうな勢いだったので、ガロルドの前に立って
シールドを張った
「へぶらっっ」変な声を出して、シールドにぶつかり
地面にへたりこむ男性
「な、なんだお前は!?」
「あなたこそどちら様で?ガロが嫌がっていますよ?」
「ああ!?ガロだと!?お前はガロルドのなんだっていうんだ!?」
ツバが飛んできそうな距離で話すのでシールドを張ったままにする
「ガロの仲間ですけど、あなたは何なんですか?」
「いやーすまんすまん、うちの馬鹿が・・・」
ツバ飛ばしの男性の後ろから別の男性が来て、ツバ飛ばしをはがしてくれた
助かる
「一体なんですか?ガロが困ってます」
「すまんな、後で怒っとくから。ガロルド久しぶりだな、君がガロルドのパーティになったっていう子か?随分可愛らしい子と組んだんだなー羨ましいぜ」
ガロルド「お久しぶりです」
「元気そうで良かったよ、こいつがガロルドが帰って来てるって聞いて暴走しちまってなー」
「お前が!ガロルドをそそのかしたんだな!!」
はあーーー?なんでそうなるんだ?
「悪い、こいつは昔っからガロルドとパーティを組みたいって言ってたんだ。でも全部断られてたもんだから怒ってんだよ」
「なんだ、ガロに振られて八つ当たりですか?」
「ふんぬーーーー!許さん!!勝負しろーーー!!!」
「いいですよ?何勝負でしょうか?」
「後悔しても知らないからな!決闘だ!!」
「受けて立とうじゃない」
ガロルド「る、ルラ!?」
「なに?」
ガロルド「そんな事をする必要はないぞ」
「どうして?」
ガロルド「戦わなくても俺がパーティを組むのはルラだけだ」
「「「「ひゅうーー♪」」」
「ぐっ、勝てばいいんだ!」
「ガロ、私、戦いたいの。ガロの傍に立ってても恥ずかしくないって証明したい」
ガロルド「・・・・そんな事しなくても俺が認めているのはルラだけだがな、ルラがしたいのなら止めない」
「「「おおお」」」
「はい、決まり。ギルドマスター、ついでに実力の証明もしたいです。見ててくれますか?」
ギルマス「ええ、もちろん。楽しくなってきましたねえー。ちょうど良い場所もありますよー」
なぜかノリノリのギルドマスター
こうして、ツバ飛ばし男との決闘が決まった
こういう一方的な好意がガロルドを苦しめてるってわからないかな?
ちょっと懲らしめてやろう
久しぶりにムカッと来た
ありがとござした!




