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第6話 冒険者ギルド











◇◇◇

〜カルボナラー大陸 ダファナディール王国 王都ユラニレーミン〜

「魔王を倒すには必要な物があるのよ。なんだと思う?」

 街の宿でこれからどうしようか考えてると、ニトがそう言ってきた。必要な物、なんだろう。聖剣とか? 


「それはお金よ」

 ほぅ……金、か。確かにここに来てから1週間も宿にいるが、そのせいで金がないな。今の残金は……日本円で言うと約460円かぁ〜。ちなみに、この世界の通貨は《《ツーカ》》というらしい。1ツーカ1円と考えてるけど、詳しいことは知らない。いやそんな事より金なさ過ぎてだろ。こんなんじゃ宿もう借りれないぞ、どうする、金稼ぎしないと。


「確かに今俺たちには金は必要だけど、なんだ? 稼ぐ方法とかあるのか?」


「あるのよ。ちょっとついてきて」















◇◇◇

〜カルボナラー大陸 同国 王都ユラニレーミン〜

 「ここよ」


「これが、ね」

そうして連れてこられたのは《《冒険者ギルド》》とかいう所。冒険者ギルドなんて名前だから綺麗な建物を想像してたが、見た目は完全に廃墟。なんつーか、期待はずれー。


「あなた、期待はずれって顔してるわね。安心して、ここはまだギルドじゃないわ」


「どゆこと?」


「ついてきて」

 そう言うとニトは入口の扉に手をかけた。ギィ〜っ、と嫌な音を立てて扉が開く。中は、真っ暗。


「怖」


「いいから来て」

 ニトに手を引かれ、1歩、廃墟に足を踏み入れる。その瞬間、空気が変わった。湿った空気が消え、代わりに沢山の人の気配とざわめきが押し寄せてくる。すると、暗かった空間がいつの間にか光に包まれていた。


「……は?」

 目の前に広がっていたのは、さっきまでの廃墟と暗い空間とはまるで違う、活気に満ちたどデカい空間だった。酒の匂い、武器の音、怒鳴り声、笑い声。完全に、別世界。似ている建物でいうと、ベルギーのアントワープ駅に似ている、ような。奥行きがあり、横も広い。天井も中々デカいし、宗教画が描かれている。


「ようこそ、冒険者ギルドへ」

 そう言ってニトはくるりと振り返ってきた。なんか、カッコつけてるし。


「いやいや、どうゆう事だよこれは」

 さっきまでの廃墟はどこへ行った。まるで大聖堂だ。


「さっきの廃墟はここに来るための入口よ。あの扉は別の空間に繋がっていて、なんやかんやあってここに来れるのよ。あたしが使ってた裂け目みたいな感じ」


「さて。ここ冒険者ギルド、通称《《ハイウェイ》》は色んな事が出来るわ。例えば、あたし達が今からやる日銭稼ぎね」

「このハイウェイには色んな所から様々な依頼が来るわ、薬草取りやら護衛任務やら。個人からの依頼や宗教会からの依頼とか、依頼の種類は結構あるからちょっと探してみましょう」


「魔物狩りとか、そんな依頼はないのか?」

 漫画とかなら魔物狩りからやるイメージなんだがな。


「あー魔物狩りはね、滅多に来ないわ。魔物狩りは専用の組織が行うからね。まぁその組織に回す程でもない魔物の駆除依頼ならあるんじゃない? 弱い魔物ならその組織に依頼するよりこっちに回した方がお金も安くなるし」

 専用の組織ね、現世で言う特殊部隊? コマンドとかSWATとか、そんな感じかな。んな事考えてたらニトが早歩きでどこかに向かい始めた。


「おい、どこ行くんだよ」


「依頼を見に行くのよ、あたし達にはお金が必要なの。喋ってないでやれるだけ依頼をやる方がいいに決まってるわ」

 そうして俺たちは何か依頼が無いかを確認するため、受付に向かった。

 受付に着くと、受付の人間はジィっと俺たちを凝視してから口を開く。


「依頼のお探しですか?」


「えぇ、魔物狩りの依頼とか入ってない?」

 初っ端から魔物狩りかよ。まぁニトの話じゃ弱いやつしかいないらしいし、修行にもなるし、お金も稼げるしでいいんじゃないかと思う。


「魔物狩り……ないですね」


「じゃあ他に来てる依頼は?」


「えーっと、ダファナディール郊外の森林にある古遺跡の奥にあるとされる《《宝玉》》を持ってこいって依頼があります。期限は丸一日。成功報酬は12万3200ツーカです。どうします?」


「宝玉? てか報酬高すぎだろ。闇バ〇トか?」


「宝玉ってのはこの世界に12個しかない宝石の事よ。その希少性の高さと、入手の難しさからお宝の玉、宝玉と呼ばれているわ」

 宝玉か、めっちゃかっこいいな。宝なんて言われてるんだ、どんくらい凄いんだろう。


「受けるのか?」


「まぁ受けてもいいんだけど、遺跡は中に魔物とかがいるかも知れないのよねー。あなたが戦えるかどうかね」

 なるほど、だから悩んでいると。確かに俺の能力の強さは未知数、実際に戦えるくらいの力があるのか分からない。でも、それを試すくらいはやってみたいし、なにより報酬の12万ってのが魅力的すぎる。日雇いで12万はまじで闇の匂いしかしないけど、ここは異世界だし、やってみるのもいい気がする。


「俺の力を見る為に受けてみてもいいんじゃないか? 危険すぎるなら他の依頼受ければいいし」


「ほんとに大丈夫? 変身後の見た目は硬そうだけど、ちょっと不安」


「大丈夫だって、俺も能力使って戦ってみたいし、受けようぜ」


「……分かったわ、その依頼受けるわ」

 お! よかった。魔物がいるって言ったって、そこまでだろ。そこで戦いの基礎とかニトに教えて貰えばいいしー。……ちょっと他人事すぎるか、反省。


「分かりました。ではこの書類に記入お願いします」

 書類には署名欄とギルド受付印、今回の依頼内容。そしてこう書かれていた。

 依頼中の死亡・負傷は自己責任とする。

 ギルドは一切の責任を負わない。

 情報の虚偽申告が発覚した場合、罰則あり。

 特異能力の暴走・被害は依頼者責任とする。


「――――はい、書き終わったわ」


「はい、確認しました。それでは頑張ってください」


「じゃ行くわよ、着いてきて」

 え、早。こんなに早く依頼受けられるもんなの? まぁいいのか? ちょっと、まだ働いてないからあんま分かんないけど。そしてニトは指をパチンとならして裂け目を出現させた。その先には森林が広がっており、恐らく、依頼で記されていた郊外の森林だろう。俺とニトは裂け目に入ると遺跡を探し始めた。











第6話 冒険者ギルド 完。

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