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第3話 1人の天使








◇◇◇

~カルボナラー大陸 ダファナディール王国の僻地~

 女神に半ば無理やり異世界転移させられた。あれから気づいたらどこかの森に寝ていた。不思議なことに、その森は普通の森で安心した。いや、確証はないが、見かけは普通なので少し安心したという話。

 とりあえずどこか街が無いかを探すこと早1日。何も無い。しかも遭難したかもしれない。目印なんかないし、方向感覚も疲労で分からなくなっている。しかも、この先やって行けるか分からない不安と恐怖でストレスも溜まる。


【ガサガサ】

「え、何今の音――?!」

 音のした草むらに目をやると、そこには鎧を着た骸骨がこちらを見ていた。目はないが、非常に目つきが悪そうだ。いや、そんな事言ってる場合では無い。骸骨は手に直剣を携えている。更に、剣先はこちらを向いている、殺意の持った剣先が。


「……ぁ」

 何も出来ない。現世にいた時、妄想では瞬殺してた雑魚のはずなのに実際目の前に対峙すると動けない。こっちはなにも武器はないし防具もない。骸骨に意思があるか分からないが、意思疎通を試してみよう。


「…あの、見逃してくれない?」

 骸骨は黙ってこちらに近ずき、剣を振りかざした。あぁ、これは死んだな。そう思ったすぐ、声が聞こえた。


聖音マルカ 天槍テンソウ

 声と同時にどでかい衝撃が地面を襲う。


……


…………


………………


……………………?


「…あ、あれ?」

 死んでない! 生きてる! 良かった! え? なんで助かったんだ。確かに今切られたはず、でかい音は切られた時の音じゃない? ならなんの音だ? そう思って周囲を見渡すと目の前にいた骸骨が消えており、代わりに純白の翼を持つ青髪の可憐な少女がそこに立っていた。


「あなた、なんでこんな所にいるの? ここはまだ浄化が済んでいないのよ? 魔物が彷徨いてるってのに武器も持たずにここに来るのは自殺行為よ? それともほんとに自殺志願者って訳?」


「いや…全然違うけど」


「え? 違うの? じゃあなんでこんな所にいるわけ? まぁいいわ、こんな所で話してるとまた骸骨騎士に襲われるかもだし、ひとまず近くに小さい屋敷があるからそこに行きましょ」

 そういった少女は俺の腕を掴み、無理やり屋敷に連れていった。















◇◇◇

~小さい屋敷~

 到着した屋敷はボロボロで、人が住んでる痕跡がまるで無い。しかし妙に広い屋敷がちょっと怖いと思う。


「それで、あなたはなんであんな所にいたの? 自殺志願者でもないし、しかも服も変だしこの辺の人じゃないよね?」


「この辺ってか、この世界の人間じゃないんだよな」


「は? どういうこと?」

こんな反応になるのも仕方ない。急にこの世界の人間じゃないとか言われても反応に困る。


「信じて貰えないだろうけど、神様に転移させられたんだよ。この世界の魔王を倒してくれって。」


「はぁ、神様ね。どの神様よ?」


「えっと、女神だな」


「この世界に女神様は沢山居るの、名前は? なんて名前の女神様?」


「確か…………?」

 あれ? 思い出せない。確かに喋ったあのクソ女神の名前が思い出せない。ゔ、ゔい…ダメだ思い出せない。あんなに記憶に焼き付いた出来事なのに忘れてしまった。


「すまん、思い出せない。確かに喋ったはずなのに」

 なんで思い出せないんだ? 見た目は覚えてる、覚えて……いや、分からない。忘れてしまった。なぜなんだ? 転移の影響?


「まぁいいや、とりあえずあなたの名前、教えてくれる? あと、魔王倒すってなに?」


「…俺の名前は蝶野蛍、ホタルって呼んでくれ。で、魔王倒すってのは、女神が魔王を倒したら俺を元の世界に帰してやるって事でやることになった」


「あたしはニト。天使よ」


「よろしくニトさん」

 自己紹介も住んだことで、少女が話を戻す。


「それにしても魔王討伐ねぇ、本気で言ってんの?」


「本気も何も、倒さないと元の世界に帰れないんだからやるしかないだろ」


「ふーん、ちなみにどうやって倒すわけ? あなた特異能力エスペシアル持ってる?」


特異能力エスペシアル?」

 特異能力エスペシアルってなんだ? あー、なんか女神様が言ってた虫の能力ってやつかもな。


特異能力エスペシアルも知らないで魔王倒そうとしてんの? はぁ、簡単に説明してあげる」

 そうして俺は少女による特異能力エスペシアルの説明を受ける……受けようとした時だった。


【ぐぅ〜〜っ】


「あっ」


「お腹減ってるの?」

 一日中歩き回ってたんだ。何も食べてないし何も飲んでない。腹減ったな。


「あ〜結構空いてるかも」


「じゃあ魔王の事と特異能力エスペシアル教えてあげるついでにご飯でも食べに行きましょ。奢るから」


「本当に!?」


「ホント、説明中に倒れられたら面倒だしね」

 突然、少女は指をパチンと鳴らす。すると、空間がぱっくりと割れ、裂け目が現れた。


「うわ、なんだこれ」


「あーこれ? これは聖音マルカって言って、天使や神様が使える力。とりあえずそれも教えてあげるから、早く行くよ」

 そうして天使に手を掴まれ、裂け目の中へと入っていった。














第3話 1人の天使 完。

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