ごじゅういち
真っ白い部屋の中
何日ここに閉じ込められたのか覚えられなくなった頃
何処からか光が差し込み壁に映像が流れ始める
射影機がカラカラと音を立てて動き始めたのが分かった
白黒の映像で軍用機が何台も空を飛んでいる
綺麗だなと素直に初めは思った
しかし、底が開き、黒い塊が雨のように投下されていった
わからないはずはない
空中から地面で爆風や砂埃が舞い上がっているのが遠巻きに見えた
その派手さは伝わってきたが悲痛までは感じることが出来なかった
けど、僕は知っている
地上では多くの命が嘘のように一瞬で途絶えていた
画面は2画面に変わり、一方には部屋で丸まっている男の映像に変わった
体育座りで縮こまった僕の姿だった
爆弾が投下され続けて人々が死んでいく中、
僕は牢屋に閉じ込められて何もできなかった
立ち上がって後ろ向きに歩き始めた
男の映像は逆生成されていたようだ
男は後ろ向きにゆっくりと歩みを進め、
ないと思っていた扉を潜り、元の世界に吸い込まれていった
この映像は僕に訴えている
ここは牢屋ではない、僕自身の殻であると
自分から入った世界であると
そして、この映像は僕に訴えている
僕が逃げている間に失ってるものを
それでも僕は苛立ちすら感じなくなっていた
感覚を遮断してしまっていた
ごめん、それでも、、、
僕はまたゆっくり目を閉じた
出来ればもう目覚めないことを祈りながら




