ごじゅう
中心からだと直ぐに終わってしまうので末梢から攻めることにした
爪を一枚ずつ剥いでは米で固めて食わせた
口から出すようなら亀頭の先から数ミリずつ切り落とした
意外と血管が多いので丁寧に止血しながら取り組んだ
爪、皮膚、肉、骨の順に解体していった
無い指を痛がるのは奇妙だった
これがファントムペインかと感心した
遠くから責めて正解であった
腕を落としてしまうとこの過程がまるっきり無くなっていたのだから
反省を口にしているような気がしたが、もはや舌もないので聞き取れない
静かに黙り込んでしまった後は、きちんと休憩を挟んで起きてから再開する
僕は健康的な生活を送るように努めているので夜もしっかり寝るようにしていた
彼は痛みで眠れないだろうから夜の間は鎮静剤を注入してあげることにしていた
栄養剤も大きな血管から流した、なるべく生きてほしかった
そうして、1か月が経った
焦っていないこともあって、じっくり行程を一緒に楽しむことが出来た
彼は僕を殺してくれたので、お礼が必要だと思って、今回の企画を思いついた
案外悪くなかった、気が晴れるというよりは憂さ晴らしに近かった
口から出まかせばかりを吐き出す男が最後は本音を言っているような気がした
なんて言っていたのかは忘れてしまった
それでも僕の心の穴は開いたまま
悲しみの海にゆっくりと沈んでゆく
ああ、誰か僕を引き上げてくれないかな
僕は目的を失ってしまった




