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詩折り  作者: 上の森シハ
24/29

壁打ちの詩

輝雨(きさめ)を降らす雲のパラソル

虚構に夜想曲が実るは先の話で

点在する感情の花々を数えて暮らし

隠遁者は迷子の老猫を抱き上げる


---


愚かなる対岸の弱者が吐いた息は届かず

双眼鏡で覗いた姿は遠くに在る黒点

歪な形状にこそ真実は顕現すこと知らぬ

ブランコ揺らして投げた靴の着地点

頭上の景観は一瞬のみで通り過ぎ

届いた物の裏側、かの者には見えず


---


灰釉(かいゆ)の海原にて

初期化す私の海馬を仰ぎ見た

哀愁のさざ波を瞼の裏で聴き

無防備な頭もとに白き聖者を置いて

静かに朽壊す世界の膜を魂で感じ

天に運命の花軸を預ける


---


【詩の切れ端 一行詩アラカルト】


・言葉の編み図、心の糸をかぎ針に

・眠りへの橋桁、羊の柵越え

・刻の柄杓を用いて逆さまの調べを溶く

・白き祈りを喚ぶ永遠の盃を満たし

・黒曜の歌響かせ音の波紋広げ


・是正の種子を蒔いて悪循環の園に出づる

・捕食者を飼い慣らした善性という名の幼獣

・硬質の殻を破って噛み砕いた蜜溜まり

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