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影が滸〈ほとり〉の詩(6作)
【注意】ホラーチックです
四角い園から眺める最低限のお遊戯会
悲哀を外に飼い
勇気を内で遊ばせ
行きたい所へ行く
右手は痩せた過去
左手は豊かな未来
右の靴に経験を
左の靴に冒険を
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哀の繭
ほつれた部分を
静の指先で啄み
喜を引き寄せ調律とす
閑遊から始まる捕食は愉しく
純心を解いて自我へ還る
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白き喪服を与えし運命の風見鶏
容姿黒々なれど真実見破る遣い
貴方が飼うは八咫烏か
悪を導くラウムの化身か
答えは其が示す方角に在り
私は護符を花にして喚ぶ
私の心眼になる風見鶏
運命の天秤、真贋、心願
いつか帰依するための揺籠を
見つける旅にいまの生が在る
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街そのものが、死霊が徘徊する墓標
聖書代わりに
「愛の夢」を奏でて鎮魂歌とす
仰々しい悪夢に留まる此処は最下層
地獄に近い虚無感、最下層
生前に貯めた悪銭を精算した先
悪因悪果
慳貪の成れの果て
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祈を結び、実を生らすため
さがなし罪摘む、真白で千切り、積む月
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光脈への憧れ
錆びた肺を動かすhollow jelly fish
常世の闇を彷徨う、無口な漂流者
澱んだ世界の外殻を貫いて呼吸する
其れは運命が拾い損ねた落第者
其れは運命が諦めた妄想癖
私の内側に棲まう魂の鬼灯
爛れ堕ちる日まで




