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詩折り  作者: 上の森シハ
19/29

一行詩10作 + 11作


【一行詩アラカルト】


・あつらえた慕情の紐をほどく緩やかな指先の熱

・寂しげな背中に押し付ける今朝の甘い香り

・春の月をきつく抱き寄せて涙を降らす

・乾いたココロに絵筆を垂らした君へ

・束ねた想いの色を挿して日常を飾りたい


・茹だる頬に、食べくさしの熟れた桃

・真紅の紐を解いたひとひらの行方

・言葉の飾り付けに不慣れな本音

・食玩だった昨日までの私も見よう見まね

・変色した海に放り込んだ過去の残骸は溶ける


-----


心を優しく撫でる所があなたの悪い癖

こちょこちょくすぐる言葉の指先も


-----


夢の浮き輪が抜けて離愁

秋空に揺れるすすきに我重ね

やがてぼたぼた冬籠もり

土は春を身籠もり土筆暖め熟睡


-----


仰ぎ見るは無口な星々の語らい

広げた夜が神話を見せる

その(もと)

期待といふ名前の望遠鏡を運び出し

君の瞳を通して想いを覗きたいと願う

僕の秘めた過ちよ


-----


星を失った夜の衣が

暖かい陽を優しく抱き締める

永遠(とわ)を祈りながら


---


遡上するカンパネラに招かれる

虹のスカートが揺れてモノクロームは閉じた

多感幸福、星のリズム

夜空を鍵盤に跳ねていく


-----


安らぎの園に横たわり

つま先をあそばせる

あなたは私の気持ちがたなびかないように

平穏な時間を贈ってくれる使者

夜の傘をさして星空を見せ

たしかなものを泳がせる


-----


橋をかけた無重力の音符

光の繭は開いて夢は上空を目指す

無声による遠駆け

透かし時計は針を止めて刻が平泳ぎ

明るい眼が見上げる太陽のソナタ

滑り落ちたコスモスの渇望


-----


欲張りな言葉に手錠をかけてください

悲願の扉を叩き

向こう側に在る弱りきった感情を

どうか捩じ伏せてください

保有する人肌を分け与えて

気の遠くなる愛を


-----


遠くから来た霞をひと口たべる

染み込むのは優しい涙の味

狭い部屋に蹲って窓越しに夜空を見た

いつかの私はもう居ない

明るい物語を探す冒険へ出たから


-----


揺籠に詰めた記憶の宝石飴

舐めれば拙い甘さに舌がおどり

汲みたての夜露で潤した喉は

愛を囁く声に変わる


-----


ココロの脇芽を摘み

捨てずに新しい土壌へ植えたなら

弱り、枯れるモノはあれど惜しまず

其れ栄養と也

残ったモノに宿るは陽脈

やがて美しき花弁を開かせる


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