第一章……第零話 『傍観者か、それとも』
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光の届かぬ場所。
闇に包まれた場所。
まるで世界から切り離されたかのようなその場所で――青年は、居た。
白亜の髪。浮世離れした容姿をした青年は、眼を閉じたまま世界を視る。
その視線の先。
同じような――少し色味が違うようにも見えるが――髪色と瞳をした少年が眠っている。
質素な布団で、美しい女性と共に眠るその姿に、青年は柔和な笑みを浮かべる。
「もうすぐ始まる……いや、もう始まっている、か」
深淵に溶けていく声。
「……凄いね。長い歴史の中でも、君ほど数奇な運命を生きる者は初めてだよ」
その深淵が、ゆっくりと、晴れていく。
「フィーナ、凛瑠、レイラ、シア――レベッカ」
青年が居るその場所は、深淵が明けて尚、何もない場所だった。
見渡す限りの地平線。
その中心で、青年は空中に座っている。
「レフィ。君は英雄になって――」
青年は髪を掻き上げ、そこでやっと眼を開く。
深紅の瞳は、地平線の奥深くを見据える。
「――僕を、殺してくれるのかな?」
――――青年は今、境界の果てに――――。
前回の【境界の果ての白狼騎】を読んでくださっていた方へ。
序章までは修正と加筆を加えていましたが、今回からは全て一から書き始めている為、展開等が大きく変わっています。
大きな設定や伏線等は残しています。




