第3-2話
『あの〜声聞こえます?』
聞いてみる。話せる大人馬がいるんだから仔馬が話せても大丈夫だろう。そんなノリでダバは行動に移した。
『?誰かいる?何処にいるの?』
『いや、オレなんだけど…』
前掻きや顔を動かし自己アピールするが…
『誰よ!覗きの変態でもいるの!!!出てきなさい!ぶっ飛ばしてやるから!!!』
タオルらしきもので前を隠しながら凄む少女。
ちなみにこの少女かなりの美人だ。わかりやすい位にエルフである。翡翠の髪色、瞳の色、スラッとした体型…は残念だが。特徴である耳も尖っており、亜人代表族として相応しいと思える。
『目の前にいる仔馬だよー。これから鳴き声を上げるから信じてよ』
念じながら軽く嘶いてみる。
どうだ?と少女を見るとポカーンとした顔でこちらを見てる。
『嘘でしょ⁉︎こんな仔馬が話せるわけないじゃない!騙されないわよ!何考えてるの?』
服を着つつ辺りを警戒する少女。
『もう…疑い深いなぁ。どうすれば信じるんだよ?』
『………そうね。私を乗せてみなさい。馴致もしていない仔馬では出来ないはず!』
なんだ?乗せろってか?乗りたいのはこち………
ゴホンゴホンッ
『どぞー。女性ならOK!』
スっとしゃがみ乗りやすいようにしてやろう。出来る馬アピールだ。
『……本当に貴方が話してるの?』
『しつこいなぁ…オレだってばよ!あっ…』
使ってしまった。こっちの人にはわからないネタを出したらダメだな。
『?良くわからないけど乗っていいのね?行くよ?』
乗せるのは初めてだけど大丈夫だろ。
服を着たエルフらしき少女はヒラっと軽やかに乗ってくる。
(おおっ!重さを感じさせないだと?!やるなこの娘)
エルフだけの事はあるなと感心しつつ背中の感触を楽しむダバ。かなりの変態馬だ。
『さて、立ち上がるよ?』
ゆっくり立ち上がってみる。
『うそ…ビックリしちゃった。疑ってゴメンね。普通の仔馬だと乗せるのに慣れてないから嫌がるのに、貴方は平気なのね。話せるのもわかるわ。フフッ。でもまだまだ身体は子供ね』
『やかましいわ!まだ生まれて一年経ってないから仕方ないの!』
『……0歳でここまで話せるのは異常ね。普通じゃないわ。ジアンス種じゃないわね。何物なの?』
『ジアンス種?それがオレたちの種族名なのか?解らない事だらけなんだ。オレはまだ子供だが話せる。だが同族に異端扱いされて排除されたくないから、しっかり話せるのは黙っているんだ…』
『まず、貴方達の種族は馬族ジアンス種。話せる馬もいるわ。でも私の知る限りアナタほど話せる馬はいない。仔馬なら尚更よ?』
『それは理解できるよ。実際生活してるからね』
『じゃあ貴方は何?』
真実(転生)を答えるべきか……
メリットは?理解して貰えたら今後協力して貰えるか?美人のエルフと知り合える。
デメリットは?異端者(馬)として処分か……再びあの世いき?
『他の世界からの転生者なんだよ』
あっさり答えるダバ。こんな美人あるいは美少女と知り合えるなら死んでもいいやと判断。
殺されるとしてもまぁ元通り出しなと。むしろごほゲフンゲフン。。
『?』
振り返ると背中の上で可愛く首を傾げていた。
(ヤバッ!可愛すぎんだろ!)
『んんッ。簡単に言うと前世の記憶を持ったまま生まれたの。だから流暢に喋れるんだよ』
(ややこしい任務みたいなのは黙っとくか)
『あぁ、なるほどね……って前世は人だったの?』
『え?あ、うん』
『へー、前世人だった馬が覗いてたってわけね……………万死に値する!』
……そこで意識が飛んだ。
ここまで読んでいただき感謝です!<(_ _)>




