↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生するなら馬でしょ!  作者: 駄馬
3章
52/55

第2-5話

翌朝。

まだセツラン達と合流出来ていないダバ達は、とりあえずリーヴァと合流する事にした。

なんだかんだ言ってもセツラン達も魔獣種。心配する必要性などないのだ。


「え?セツラン達、いないの?」

『うん。でもまぁ大丈夫だろ。元野生だし。そのうち見つかるよ。で、だ…』



ダバは一頭で世界樹の元に来ていた。買い出しの手伝いはエルくんに任せ、昨日のザワつきがあった場所に来たのだ。


(……今日はザワつかないな)

えも言われぬ不安感に襲われた昨日。言葉では説明しにくい感覚。魔獣種ならではの第六感なのか?


(…………………)

同じ位置で佇む。


なぜそんなに気になるのか?セツラン達の方が本来は気になる筈だろう。にもかかわらずこの場所に来てしまう。

まるで世界樹に呼ばれたかの様に。


(気のせいか…)

立ち去り、セツランを探すかリーヴァと合流しようと考えた時、声を掛けられた。


「失礼する。お主もしかしてダバ殿ではないか?」

『へ?殿?』

振り向くと大人の男性が居た。正確には龍人種(ドラゴンメイド)だ。


「娘から聞いていた特徴に似ていたものでな。どうだ?」

『あ、はい。そーですけど、あなたは?』

「儂はゲラルト・ドロール。レディの親だ。ふむ、聞いていた通りの馬体よな…」


レディの親父らしきおっさん龍人。馴れ馴れしく馬体に触れてくる。触って欲しいのは若い娘だけなのに。


『ちょ、なんすか!止めて下さい』

「おぉ、すまぬ。つい、見惚れてしまったわい」


礼儀正しく頭を下げる。この国には知性のある魔獣には対等の態度を取るようだ。

どこかの人族と違って、姿形が違うからって差別、偏見はしない。


『で、なんの用なんです?』

「………お主、世界樹の【声】が聴こえるのか?」


なんの事だ?世界樹【声】だと?

『いや、さっぱり』


「…昨日、レディから聞いたぞ?この場で何かを感じていたと。更に先程見ておったが、何か思わしげに上を向いておったではないか。

…お主、何を聴いた?何を感じ取った?」


肌が泡立ち、総毛立つ威圧を放つ龍人。ゲラルトはあからさまに気配を変えてきた。


『…………』

(ヤバい!この人ヤバい!!いきなり戦闘モードだよ!?コッチはなんにも感じて…無いこともないけど。。

でもだからってこんなに威圧してくる?正直怖いんですけど。)

ガクブルになる。


「語らぬか?」

更に威圧を高める。


仲間がおらずボッチのダバにとってヤバすぎる現状である。チビる危険が迫る!!

(ど、どうしよう!?!?!?)


『少し、おち、ち、じゃなくて、落ち着ついて下さい!!!』


「ぬ?おぉ、すまぬ。少し気合い入れすぎたかの。だが、返答次第ではどうなるか解るな?」

少し威圧を抑えるゲラルト。


(解りません!解りたくもない!逃げるが勝ち!)

一目散に逃げ出そうと考えるも

「逃げるなよ?」

『…………はい』


最早観念し、昨日の事を話す。

『だから、何かを感じ取ったわけじゃないんですよ。今日は、少し気になったからここに来た訳で』


「ふむ。そうであったか。儂の早とちりか。すまぬなダバ殿」


存外に素直なゲラルト。難癖付けられて絡まれると思っていたダバは少し肩透かしだ。


『わかってもらえたら良いですけど…ところで、世界樹の【声】って何です?樹が話すんですか?』


「……聞きたいか?」


『止めときます』


イヤーな予感しかない。絶対巻き込まれるやつだ。


「まぁそう言わずに。

儂は首都の防衛部隊に所属しておってな、ごく稀に世界樹の【声】を聞くヤツがおるのじゃ。大体その内容が碌でもない事での。今回も何か起こるのかと心配して来たのじゃ」


『そしたらオレが居たってか。それもあからさまに怪しそうにかぁ』

苦笑いと溜息を吐く。


「仕方なかろうて。コッチも仕事じゃし、大体世界樹が絡むと大事になるしの。気合いも入るって事じゃよ」


『そーなっ…!?』

会話を続けているとそれはいきなり襲ってきた。

再び世界樹を見上げる。


えも言われぬ不安感。それだけでは無い。恐怖、悲壮感、絶望感等のあらゆる負の感情が襲ってくる。


『なっ、なんなんだ?』

次に意識を送るのは自分の中。


憎い…憎い…憎い…憎い憎い憎い憎い憎い憎い…憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い!!!

《この世全てが憎い!!》

そして、歓喜!

《出せ!俺を出せ!ここから出せ!呼べ!オレを》


内から(・・・)聞こえるその言葉は、以前に少し聞こえたアノ声だ。


『あぁぁあああぁぁ!!!』

外から世界樹の干渉、内からよくわからないモノからの干渉。

内外同時精神テロはダバの呑気な精神すら軽く砕く。


慌てふためくゲラルトを他所に、ダバの精神は落ちた。






読んで頂き感謝です。<(_ _)>

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。