第2-3話
そこは正しく理想郷の首都アルフレイム。
多種多様な人達が生きている。
『うおおおおぉ!!!!!!』
嫌でもテンションが上がってしまう。
「……………」
ダバの背に乗るリーヴァは、感激のあまり声が出ない。
「ふふふっ。さぁ、あの建物で入国登録をしておいで。そこでギルドの事を聞けば教えてくれるから」
軽エルフはそう言って立ち去っていった。無論ウインクを忘れずに。
「よし!じゃあ私行ってくるね。貴方達どうする?」
『この辺りで聞き込み調査して来る。用があったら教えてくれ』
「りょーかい!」
パチンとウインクをして行ったリーヴァ。
リーヴァなら似合うなぁと全員が納得していた。
『さて、調査開始だ。我々の目的は何だ?』
『ハイ!パートナーを探す事れふ!出来れば熟女で!』
『いや、獣耳っ娘で!』
『えー!巨乳で!』
見事にバラバラ。まぁ、そうなる様に教育したのだが。
『よし!それで良い。ただ折角の首都だ。焦ることは無い。オレ達の知らない世界が一杯あると思う。先ずは楽しもうな。
現地人と触れ合って、為人を知ってから目的に入ろう』
『『『了解!』』』
焦ってもろくな事にはならない。旅をするなら支度も必要だ。仲間を探すなら尚更人を見なければ成らない。首都で旅の基盤を作りつつ、仲間探しをする。そんな思いがダバにはある様だ。
エルフであるリーヴァは、入国登録、ギルド登録、宿探し等、事務手続きが必要。逆にダバ達はある程度身軽だ。野生だし。その気になれば森の中で暮らせる。
『じゃー、オレはリーヴァと打ち合わせあるし、エルくんは荷物有るからここに残るな。セツランとペンちゃんは動いてもいいよ』
『『あーい♪』』
『ただし、人には付いて行かないこと。わかった?』
『『…あーい』』
子供じゃねーし、と言いたげだが彼等はまだ子供だ。体躯は立派でもダバ以外は生後一年チョットなのだから。
セツラン達と分かれたダバ達は聞き込みをしていた。
首都の事、どんな人達が住んでいるのか?食べ物は?治安は?ギルドは?他にも魔獣が居るのか?興味津々だ。
そんな事を聞きまくっているうちにリーヴァが戻ってくる。
「お待たせ。入国登録と、ギルド登録、パーティ登録も済ましといたよ。あとは宿探しだね」
『え?ギルド登録も?』
「そ。一緒にやってくれたわ」
登録だけなら管理局で行えるのだとか。
『………テンプレは?』
要はあれだ。ギルド登録の際に揉め事になるヤツだ。
「へ?テンプレ?何それ?何も無かったわよ?」
しょぼんとするダバに対して澄まし顔のリーヴァ。何のことか解ってないようだ。
『……ま、いっか。無事登録出来たんだし。
で、宿探しは?』
「あ、うん。貴方達がどうするか聞いてなかったから決めてないよ」
『あー、馬房かぁ…』
「嫌なの?」
『うーん………』
嫌という訳では無いのだが。
身動きが取りずらいのと、最早普通サイズの馬体では無くなったエルくんを見る。
「あ、なるほどね……」
結局荷物を宿に預けて、ダバ達は野宿する方向で話は決まった。
『まー、治安は良さそうだから心配はしてないけど、気を抜きすぎるなよ?』
「アンタってホント心配性よね」
若干呆れ顔だ。
『気になるのは仕方ないだろ。それよか今後の予定は?』
「そうね……」
話し合いの結果、今日は一日自由。明日は必要物資を買い揃えた後、首都見学。ギルドでの仕事始めは明後日と決まった。
『じゃ、また明日に迎えに来るから』
「うん。私も羽伸ばすから貴方達もね」
荷物を預けリーヴァと一旦別行動。
『さーて、セツラン達を探すか…』
『外かな?中かな?』
とりあえず街中から探しはじめる。
その際、この首都の凄さを知る二頭。
理想郷とはよく言ったもので、自然と共に生きているのが良くわかる。ただ単に森林伐採等をしている訳でなく、陽射しの計算や木々の高さ、風通りの良さ、水辺の使い方等至る所にエルフ達の手がかかっている。無論他の種族も手伝っている様だ。
何より住む人々に活気がある。
『良い都市だなぁ』
思わずつぶやいてしまう。
『そうなの?ボクには良くわかんないけど、みんな楽しそう』
エルくんは気持ち良さそうに風を感じていた。
そんなエルくん達を遠巻きに人々がチラチラ見ている。
巨大な馬体と深い色の青毛が陽射しに当たり、艶を出す。絵になる馬だ。中身はアレだが、外見は威厳があり相手を威圧する効果がありそうだ。
その隣のダバはエルくんよりは小さいが一般的な馬よりは大きく、長めの鬣、金髪栗毛が輝きを放っている。コチラは毛並みで人の目を魅力している。
そんな二頭は人々の視線を集めながらも探索を続ける。
『うーむ、居ねえ。仕方ない、聞き込みするか……』
誰かに聞くか…と、見渡していると、ある視線に気が付く。その先には……
龍人がいた。




